世界でもっとも古いトイレは、いつの時代のものでどこにあるか?
今見つかっている人類最古のトイレは紀元前2200年ごろのもので、メソポタミア文明の遺跡にあるという。
今から4200年前のトイレがある。
しかも水洗式トイレらしい。
くわしくはこちらを。
ちなみに、メソポタミア文明があったのは緑のあたり
メソポタミアにあったのは宮殿のトイレだから、個人のものだろう。
じゃ、世界で初めての公衆トイレは、いつどこでできたのか?
ウィキペディアによると、74年にローマ帝国で設置されたものらしい。
ということは、今からほぼ2000年前になる。
下の文のトイレがこの公衆トイレのことだと思う。
古代ローマの公共浴場のトイレには仕切りがなく、隣りの人と世間話をしながら用を足すといった場所だったらしい。トイレコミュニケーションの場所でもあったのだ。
「常識の世界地図 文芸春秋」
当時のトイレは、排せつだけはなくておしゃべりをする場でもあった。
おしっこやうんちだけじゃなくて、ストレスもはき出していたのだろう。
ストレスが重大な問題になっている今の日本も、このトイレの導入を検討したほうがいい。
古代ローマの人たちの気持ちはよく分からん。
けど、自分がおしっこやうんちをしているところを他人に見られても、「恥ずかしい」なんて思わなかったのだろう。
古代ローマのトイレが「隣りの人と世間話をしながら」、「コミュニケーションの場所でもあった」というのなら、今の日本でいうと温泉がそれにちかい。
ホテルと温泉を結びつけた保養施設の建設がさらに進められ、富裕層向けの豪華なリゾート的施設から庶民的なものまで幅広く造られた。
このウィキペディアの文は、温泉街として有名な静岡にある熱海のことで・・・
というのはウソ。
これは古代ローマのこと。
この時代のローマ人には温泉に入る習慣があった。
この時代にはまだ、「プライバシー」という考えがなかったのだろう。
まったくなかったかは分からない。
でも、社会の発達が現在の世界とはまったくちがうのだから、今の時代でいう「プライベート」の概念はないも同然だったはず。
今のヨーロッパにも温泉はあるけど、ふつうは水着を着て入っている。
温泉というよりは、温水プールのようなもの。
でも古代ローマ時代、ヨーロッパ人は今の日本人と同じように裸で温泉に入っていた。
他人に排せつ行為や裸を見られても、「恥ずかしい」と感じるプライバシーの考えがなかったのだと思う。
日本に住んでいたインド人の尻、いや知り合いが、「日本最後の思い出」として箱根の温泉に入った。
インドでは、他人と裸でお風呂に入ることは考えられないという。
インド人の彼にとって、温泉に入ることはかなりの冒険だった。
「カースト制」の意味もふくめて。
今の世界にある「プライバシー」という考えは、いつどこで生まれたのか?
「たしか、イギリスで産業革命が起きたときだったような?」と何かの本で読んだ記憶があったけど、調べたら19世紀のアメリカで誕生した考えらしい。
だからかなり新しい。
プライバシー
この権利は,元来 1890年のアメリカの S.ウォーレンと L.ブランダイス連名の論文をおもな契機にアメリカの不法行為の領域で発達してきたものである
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
このときは、プライバシーという概念を「一人でいさせてもらう権利(the right to be let alone)」と規定したという。
アメリカ発の考え方は民族や宗教のちがいをこえて、世界中に広がっている。
世界にあるお風呂やトイレはこの考え方をもとにつくられている。
日本の温泉や中国のニーハオトイレは、世界から見たら本当に例外だ。
パンケーキ
友人のアメリカ人が言うには、「アメリカ人とパンケーキの関係は、日本人とおにぎりと同じ」らしい。
「本当に身近な食べもの」という意味だと思う。
おまけ
現在のイギリスにある「バース」という街は、ローマ時代には温泉の街として知られていた。
そこから「お風呂」を意味する英語の「bath(バス)」が生まれた。
・・・という話を聞いたことがあったけど、じつは違うらしい。
英語「バス」の語源は、「暖める」を意味する印欧語に由来する。
「英語のbath(バス)は、イギリスのバースという街が由来になっている」と思っている人はボクの他にもいると思う。
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