オーストラリア人と話をしていたときに、困ってしまった。
そのオーストラリア人は日本で英会話の講師をしていて、ボクの英語のレッスンのために英語で話をしていた。
海外にはチップの習慣がある国がある。
アメリカではレストランで食事をした後、ちょっとした金額をチップとして渡すことは常識になっている。
「オーストラリアにもチップの習慣があるんだろうか?」
そう思ってオーストラリア人に英語で聞いてみたのだけど、ボクの英語がまったく通じない。
ボクが何度言ってもそのオーストラリア人は理解できないで、困った顔をしている。
なにがいけなかったのか?
そのことは後でまた書きます。
英語でCAに話しかけるのは緊張する。
ボクは英語が通じなくて困ったけど、未来の日本人はそんな経験はしなくてすみそうだ。
これから日本の英語教育では、「話す力」を育てることが重視されるから。
・・・なんていうことは、これまでに何回も聞いたような気がする。
でも今回はちょっとちがう。
朝日新聞(2017年5月21日)が社説でとり上げているぐらいだから、これは大きな変化なんだろう。
これからおこなわれる「大学入学共通テスト(今のセンター試験)」では、英語を話す力が大事になってくる。
入試英語改革 「話せる」授業どう作る
大きく変わるのは英語だ。マークシートでは測れない話す力と書く力も問うために、英検やTOEFLのような民間の検定試験を使うという。
語学は、使えてこそ意味がある。「読める」「聞ける」だけでなく、「話せる」「書ける」もめざすのは当然だ。
ふり返ってみれば、ボクが中学や高校で英語を習ったときはすべてがカタカナ英語の世界だった。
今のように外国人の英語の先生なんていない。
日本人の英語の先生が教科書のカタカナを読んで、生徒のボクらもそれを声に出して覚えていただけ。
江戸時代の寺子屋と変わらない。
だからアメリカ人が話す本物の英語を聞いたときは衝撃を受けた。
まったく聞き取れない。
たとえば、「get it」の発音は「ゲット・イット」と習ったけれど、アメリカ人の言う「get it」はどう聞いても「ゲット・イット」ではない。
「ゲット・イット」より「ゲリッ」のほうがネイティブの発音に近い。
そんなカタカナ英語を身につけてしまったボクが外国人と英語で話をすると、発音が通じなくて困ってしまう。
そんなことが今までに何回もあった。
ここでオーストラリア人との会話に話を戻す。
「オーストラリアにもチップの習慣があるんだろうか?」
オーストラリアに人英語で聞いてみたけど、まったく通じない。
「は?チップの習慣?何を言っているかよく分からない」
こんな感じで、そのオーストラリア人は何度も首をひねっている。
「チップだ!チップ!」
とボクが何度言っても通じない。
「フォーイクザンプル、レストラン、マネー、カスタム」みたいに単語を並べていくと、ようやく気づいてくれた。
「ああ、tipのことか!」
そのオーストラリア人はボクの「チップ」の発音を聞いて、tipではなくてchipのことだと思っていたらしい。
chipは「かけら」とか「切れ端」という意味で、ポテトチップスのチップもこれになる。
「オーストラリアにchipの習慣があるか?」では、たしかに意味が通じない。
でも、「tipの習慣」ならすぐにわかる。
それでようやく、オーストラリアでのtipの習慣について話を聞くことができた。
オーストラリア人と話をしているとき、初めて「tip」は「ティップ」と発音するということを知る。
tipもchipもカタカナで書くと「チップ」になってしまう。
でもネイティブスピーカーの発音は、chipは「チップ」でtipだと「ティップ」のようになる。
外国人が発音するtiは「チ」ではなくて「ティ」。
tuの発音は「ツ」ではなくて「トゥ」に近い。
だから浜松はhamamatuではなくて、hamamatsuにしないといけない。
hamamatuだと「ハママツトゥ」になってしまう。
最近も英会話講師をしているアメリカ人から、「6をシックスと言うな。スィックスと発音しろ」と注意された。
日本人は英語のrの発音が苦手で、なかなかうまく言えない。
rの発音はカタカナでは書けないから、何度も聴いてまねて身につけるしかない。
rの発音は、知識ではなくて技術の問題になる。
でも「tip(ティップ)」や「six(スィックス)」の発音なら、ほとんどこのカタカナどおりだから、rよりは楽に発音できるようになる。
これから英語で会話することがあったら、そのことを意識して発音してみましょう。
*英語の発音をカタカナで書くと、どうしても正確さに欠けてしまう。
この記事にある英単語も、音声を聞いて耳で確認してください。
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