海外へ行けば、きっとカルチャーショックを受ける。
外国ではイヤでも日本との違いを感じるはず。
特に食文化の違いには、大きなショックを感じると思う。
日本にはない物を見ることと、日本にはない物を口に入れることはまったくちがう。

同じ仏教のお寺でもミャンマーのお寺は日本と違って、ハデハデ豪華。
でも日本のお寺との違いに驚いても、ショックを受けることはない。
食べ物は違う。
日本にはない建物を見ることより、日本にない食材を目の前にするほうが衝撃的。
今までの海外旅行で、ヘビやカエルは食べたことがある。
サソリも食べた。
でも、食べるかどうか迷いに迷って、結局食べられなかったものもある。
たとえば、カンボジアのクモと韓国の犬。
この2つはムリ。
インポッシブルだった。
今回は、そんな食文化の違いや海外で感じるカルチャーショックについて書いていきたいと思う。
日本との違いに驚くだけではなくて、その背景を知るとその国の理解は深くなる。
それが自分を豊かにもしてくれる。

でも、これはなかなか強烈。

カンボジアのクモのフライ。
これもなかなかの衝撃。
韓国には犬を食べる食文化がある。
このことについては、韓国でも反応が分かれている。
20代の韓国人の女の子はこんなことを言っていた。
「犬を食べるなんてあり得ませんよ。犬食は恥ずかしいことです。なくすべきですね」
その一方で50代のおじさんはこう言う。
「犬食は韓国の文化だ。外国人が口を出すことじゃない。そんなもの無視すればいい」
こんな感じで、犬食については韓国でも賛否両論ある。
でもなかには、賛でも否でもない論がある。
「韓国に犬食なんてありません!」と怒り出した韓国人がいたらしい。
知り合いの日本人が韓国旅行をしていたとき、現地の女性ガイドに犬食のことを聞いたら怒れられてしまった。
「それは昔の話です!今の韓国には犬食なんてありません。そういうことを言わないでください!」とにらまれたという。
韓国の犬食文化に賛成・反対の意見があることは分かるけど、犬食の存在を否定するのはムリがある。
韓国に犬食の文化がなかったら、こんなデモは起こらないはず。
最近、韓国で犬食に反対する人たちがデモをおこなった。
まあ、犬食に反対する運動は前からあったけど。
これがそのサーチナの記事(6月8日)。
活動家らは「伝統的に犬肉を食べていた香港、シンガポール、フィリピンなどが次々と犬肉(食)を禁止しているが、韓国だけにいまだ犬農場産業が存在しており、毎年約300万匹の犬が食用として犠牲になっている。犬の食用を段階的に禁止しなければならない」と主張した。
これと対照的なニュースを最近見た。
台湾で、犬や猫を食べることが法律で禁止されることが決められたという。
これは4月12日のCNNニュース。
台湾の立法院(国会)で11日、動物愛護法を強化する改正案が可決され、犬や猫の肉を食べることが禁止された。
台湾がそうしたからといって韓国も禁止する必要はないけれど、世界的には犬食を禁止したり規制したりする方向に進んでいる。
けれど韓国はそうではない。
その点でこれは韓国の特徴になっている。
先ほどのサーチナの記事でも、韓国のネットユーザーからは犬食文化を支持するコメントが多かったという。
「犬を食べるなんて信じられない!」と思う日本人がいるかもしれないけど、日本でも江戸時代には犬食の文化があった。
サムライたちは犬を食べている。
それに明治時代、日本人はカレーにカエルを入れて食べていた。
食べものに対する見方は、同じ民族でも時代によって変わる。
犬を食べることはひとつの文化。
それによって、「野蛮だ!」ということにはならない。
日本での犬食に対する見方はこれからも変わらないだろうけど、150年後の日本人が今の日本人と同じ物を食べていることはないだろう。
今は国連が昆虫食をすすめている。
浜松ではセミを食べるイベントがおこなわれたし、東京ではゴキブリ入りのカレーを食べるイベントが開かれている。
「あり得ない!」の感覚は時代によって変わる。
これからの日本人が何を食べるようになるのかなんて、誰にも分からない。
ただ、食文化の違いは偏見につながりやすい。
大学時代にこんなことがあった。
長野県出身の人が「長野では虫を食べる」と言う。
それを聞いた京都人の女の子が、「信じられない」という顔をする。
「悪いけど、あの人の見方変わるわ」
そんなことを後で言っていた。
でも、食文化にしろ他のことにしろ、日本との違いは何かを考える良いきっかけになる。
最近、パプア・ニューギニアの国連大使が世界的に話題になった。
国連の会議にほぼ全裸で出席したから。
でも、これはパプア・ニューギニアの正装。
一国の代表者がその国の正装で国際会議に出席することは悪くはない。
一般論としては。
この国連大使の行動には、非難と賞賛の声が同時に上がっている。
結論は何でもいい。
大事なことは、いろいろな情報を集めて自分の頭で考えること。
海外旅行をしたら、食べ物やいろいろな違いからカルチャーショックを受けるはず。
でもそれが楽しい。
海外で感じた日本との違いから、その理由や背景、歴史なんかを考えると自分のためになる。
新しい見方や考え方、価値観を知ることにもなる。

ボクはカンボジアで、クモのフライを見てカルチャーショックを受けた。
でもその食文化は、悲惨なポルポト時代を背景にして生まれている。
クモのフライとポルポト派による虐殺には関係があった。
海外旅行で日本の違いを見つけたら、それをインスタグラムにのせるだけじゃなくて、その背後にあるものを考えてみるといい。
現地の人に話を聞くといろいろな発見があっておもしろい。
そうして得られた知識は、海外旅行が終わっても頭に残る。
それが日本での生活に活きてくるし、自分を豊かにしてくれる。
日本人の食文化:江戸は犬肉を、明治はカエル入りカレーを食べていた
「飢え」が変えた食文化。日本と世界(ドイツ・カンボジア)の例
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