知ってましたか?
2017年6月16日の今、イスラーム教徒はラマダンの真っ最中ですよ。
ラマダンというのは、イスラム教徒にとって神聖な月のこと。
外務省のホームページには「ラマダン月」と書いてある。
この神聖なラマダン月に、イスラーム教徒は断食をおこなう。
だから「ラマダン=月」であって、「ラマダン=断食」ということではない。
くわしくは、ラマダンをクリックしてください。
イエメンのイスラーム教徒の子どもたち
ラマダンの期間中、イスラーム教徒は断食をしなければいけない。
これは義務。
must!
ラマダンの一ヶ月間は、水を飲むこともダメ。
ツバや薬も飲みこまないイスラーム教徒もいるという。
なんでイスラーム教徒は断食をするのか?
その理由は、聖書の「クルアーン(英語読みだとコーラン)」にそうするよう、書いてあるから。
クルアーンの第2章185節にこんな文がある。
「東京ジャーミー」のホームページから。
ラマダーンの月こそは人類の導きとして、また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーン(コーラン)が下された月である。それであなたがたの中、この月(家に)いる者は、斎戒しなければならない。
病気にかかっている者、または旅路にある者は、後の日に、同じ日数を(斎戒する)。
アッラーはあなたがたに易きを求め、困難を求めない。
これはあなたがたが定められた期間を全うして、導きに対し、アッラーを讃えるためで、恐らくあなたがたは感謝するであろう
ただ、断食をするといっても、それは太陽が出ている間だけ。
太陽が昇る前や沈んだ後は、食事をすることができる。
友人でインドネシア人のイスラーム教徒がいる。
彼は日本で断食をしていて、2つのことがツラかったという。
これからそのことを書いていこうと思う。
・日本の夏はインドネシアの夏よりツライ
彼はとても熱心なイスラーム教徒。
毎週日曜日には、愛知県まで行ってイスラーム教の勉強会に参加していた。
そんな彼が新婚旅行で選んだ国はサウジアラビア。
サウジアラビアには、イスラーム教の最高の聖地であるメッカがあるから。
4年前、彼が日本に来て初めてのラマダン月をむかえた。
当然、断食をしなければいけない。
工場で働いていた彼に襲いかかったのは、日本の夏の暑さだった。
「日本の夏はインドネシアの夏よりツライです」
彼はそう言う。
ツラいのは気温ではなくて湿度。
日本の夏は彼が考えていたよりもずっと湿度が高くて、本当に過ごしづらかったらしい。
彼はインドネシアで断食をしていたときは、水を一切飲まなかった。
ラマダン月に水を飲んだことは一度もなかったという。
でも、日本ではダメだった。
汗がダラダラ流れ出る暑さに、冷房のない工場での肉体労働。
イスラーム教を深く信じている彼も、これには耐えられなかった。
「ダメだ。このままじゃ本当に死んでしまう」と思った彼は、水だけは口にしていた。
インドネシアでのラマダンでは一度も水を飲まなかったのに、日本でのラマダンではそれができなかった。
「仕方ないです」と彼は言っていたけど、かなり不本意だったらしい。
・日本人がラマダンを知らない
彼いとって日本での断食は、「まわりの日本人がラマダンを知らない」ということもツラかったという。
まあ、それはそうだろう。
日本でイスラーム教のラマダンやハラールフードのことを聞くようになったのは、最近のことだから。
このことは、2つに分かれるらしい。
・ラマダンそのものを知らない日本人。
・ラマダンは知っていたけど、今がラマダン月だということを知らなかった日本人。
だから断食中にもかかわらず、それを知らない日本人からランチに誘われることがあったという。
彼は人と接することが好きで、日本人の友だちをほしがっていた。
だからせっかく誘ってくれたのに、それを断ることがツラかったとか。
ラマダン中、食事をすることができないけど、遊びに行くことはできる。
だから誘われたら、いっしょに出かけることはある。
それで日本人の知り合いと出かけたときに、こんなことがあったという。
昼食の時に彼がこう言う。
「今はラマダン中ですから、ボクは食事ができません。でも、あなたは気にしないで食べてください」
すると、相手の日本人が不機嫌になる。
「そういうことは事前に言ってほしかった。だったらプランも変えたのに」
その人は、インドネシア人の彼が好きそうな食べ物を考えていたらしい。
そんなことを言われて、彼も少し落ち込んでしまう。
ボクにも似たような経験がある。
ラマダンの時期を知らなくて、イスラーム教徒の彼を京都旅行に誘ってしまった。
「その月はラマダンなんです。だから京都旅行はちょっとムリです。すみません」
そう言われて初めて、その年のラマダン月を知った。
断食を理由に京都旅行を断られたのは、これが初めて。
きっと最後になるだろう。
おまけ
ラマダン月の断食はイスラーム教徒の義務。
*例外はある。
イスラーム教徒の男性はもちろん、女性も断食をしなければいけない。
アイドルだって断食をする。
インドネシアには、AKBの姉妹ユニットであるJKT48がある。
そのメンバーにはイスラーム教徒もいる。
ラマダン中、イスラーム教徒のメンバーは断食をしなければならない。
でも、食事をしないで歌やダンスのレッスンをするというのは、あまりにもきつい。
そういうことでJKT48では、ラマダンの間はイスラーム教徒のメンバーに合わせて、レッスンの時間をずらしているという。
「LoGiRL」という情報サイトにメンバーのインタビューがのっていた。
イスラム教徒は、断食の時期は夜の18時までごはんを食べません。おなかがすいたまま練習するのはつらいので、夜ごはんを食べたあとにみんなが集まるんです。
「劇場支配人とキャプテンが4年間を振り返る」
ラマダンの期間中、JKT48は昼間の公演をしないらしい。
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