日中のトイレの違い「日本人の良さを中国人も見習うべきです」

 

中国を旅行したときに、何回か日本語ガイドのお世話になったことがある。

日本語ガイドの中国人は、日本と中国のことをよく知っている。
プライベートで日本へ行ったり、中国の日本旅行でツアーガイドをしたりする人が多い。

 

それぞれの国に長所と短所があるのは当たり前として、ある中国人のガイドさんは日本と中国を比べてこんなことを言っていた。

「今の中国はすごく発展しています。上海なら東京や大阪と変わりません。東京も上海も、デパートの中はほとんど同じです。有名ブランドの店があるし、床もピカピカです。でも、トイレだけは全然違うんです。中国のデパートではトイレがどうしても汚くなってしまいます。日本では、デパートだけではなくて公衆トイレもきれいです。日本のトイレを見ると、中国が情けなくなってしまいますよ」

これと同じようなことを言う中国人のガイドもいた。

「日本の新幹線も中国の高速鉄道も変わりません。でもトイレだけは違う。中国のトイレは本当にダメですよ」

 

ちなみに、「中国のトイレ」と聞くとドアのないニーハオトイレを思い浮かべる人も多いと思う。
でも今の中国で、ニーハオトイレはどんどん姿を消している。

北京出身の20歳の女の子は、ニーハオトイレを見たことがなかった。
そもそも、そんなトイレを聞いたことがないという。
中国人に「ニーハオトイレって何ですか?」と聞かれて、こっちが驚いた。

 

 

なんで日本のトイレはきれいで中国のトイレは残念なのか?

「それは使う人の心が違うからさ・・」

ということはおいといて、日本と中国のトイレには大きな違いがある。

日本のトイレではトイレットペーパーを流すことできるけど、中国のトイレではそれができない。
だから使用後のトイレットペーパーは、近くにある箱に入れるようになっている。

韓国旅行で見たトイレもほとんどがこれと同じ。
日本人としてはこれがなかなかツライ。
「お尻をふいた後、紙を流さず箱に入れる」というのは、どうも気が進まない。
近くにその箱があるというのも、あまり気持ちの良いものではない。

 

では、なんで日本トイレではトイレットペーパーを流すことができるのか?

「日本のインフラはしっかりしていて、水を流す力が強いから」ということがその理由のひとつ。
日本に比べると、外国のトイレは水を流す力が弱い。
水圧が弱いからトイレも詰まりやすい。

他にも、トイレットペーパーに違いがある。

日本のトイレットペーパーは水に溶ける。
「日本のトイレットペーパーは水溶性だった」ということを、タイに住んでいる日本人から聞いて初めて知った。
その人はタイで生活しているから、日本のインフラや物の品質の良さをよく実感するらしい。

 

 

中国は急速に発展したけれど、トイレについては日本とはまだまだ大きな差がある。

日中のトイレを比べると、気分が悪くなる中国人もいるらしい。

サーチナの記事(2017-07-17)に、日本のトイレを見た中国人の感想が書いてある。

トイレに流せることを前提に作っているので、トイレ詰まりの心配もなく、衛生的だと企業努力を称賛した。きれいな日本のトイレを経験してしまうと、ゴミ箱に使用した紙が残っている中国のトイレは、不衛生で気分が悪くなると感想を述べた。

日本のトイレを経験してしまうと・・・中国のトイレは、不衛生で気分が悪くなる=中国報道

 

外から見ただけなら、中国のデパートも高速鉄道も日本のものとほとんど変わらない。

でもその中を見ると、細かいところで大きな違いがある。

日本旅行の添乗員を何回もしているガイドさんは、こんなことを言っていた。

「中国人は見た目重視です。他人に『すごい!』と思わせるのが好きなんですよ。外見には気をつかいますけど、目立たないところでは手を抜きます。わたしは日本を旅行する中国人によく言いいます。『日本人は細かいところにも本当によく気がつくし、小さいことでも心をこめて作業をする。これは中国人も見習うべきです』って」

 

ボクも外国に行って、初めて日本のすごさに気がつくことがよくある。
トイレットペーパーが水に溶けることやインフラがしっかりしているから水圧が強いこととか、日本には「目立たないけど、じつはすごい」ということがある。

中国の人たちが日本へ行ったら、炊飯器だけではなくて日本人の良いところも持ち帰ってほしい。
日本の技術ではなくて、マナーや意識を盗んでいくのは大歓迎だ。

 

そうすれば、こういうことはきっと少なくなるはず。
日テレNEWS24のニュースから。

夏の登山シーズンを迎えた富士山。外国人登山客も増加する中で、トイレのマナーをめぐって、一部で困惑も広がっている。

知識不足や文化の違いなどから外国人登山客のマナー違反が目立つという。

静岡県では、今シーズンから英語や中国語など6か国語で書かれたトイレのマナーシートを5合目以上のすべての山小屋に配布している。

「便器にゴミ…」富士山のマナー違反に困惑

日本にはトイレの神様もいる。
浜松にあるお寺でこれを見てイギリス人が「マジで?」と驚いていた。

 

おまけ

上海の街並み。

たしかに近代的なビルが林立する大都会だけど、そのビルの中のトイレは・・・。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。