韓国の人たちは日本の政治家に対して、よく「誠意がない」と言う。
たとえば2016年に、安倍首相が元慰安婦の人たちに謝罪の手紙を書くよう韓国側から求められた。
そのとき首相は「(そんなことは)毛頭考えていない」と強い口調で拒否する。
これは日韓合意にない内容だから、断ってあたり前のこと。
合意になかったことを一方的に言い出してはいけない。
でも、首相の「断固拒否」という態度に韓国側は激怒。
韓国のネットには「安倍首相には誠意がない」といったコメントがたくさん寄せられた。
実際にはもっとヒドイ言葉だったけど。
でも今回は相手が違う。
「誠意がなさすぎる」と韓国人が怒ったのは日本の政治家ではない。
世界の歌姫アリアナ・グランデだった。
なんで韓国の人たちはアリアナ・グランデに激怒したのか?
いくつか理由があるけど、もっとも大きな理由は「日本と差をつけられたから」ということだろう。
アリアナは日本と韓国で公演をおこなっている。
でも日本と韓国とでは、アリアナの行動があまりに違う(と韓国人の目には映った)。
アリアナは日本にはとても好意的だったけど、韓国には冷たかったらしい。
まず日韓の滞在時間が違う。
日本には8月8日の夜に来て、15日に韓国へ向かった。
韓国へは15日の17時ごろに到着する。
すぐ会場に移動してコンサートをおこない、その日の24時にはタイへ向けて出国している。
日本には8日~15日までいたけど、韓国には7時間しか滞在しなかった。
コンサート当日の夕方に着いて、その日の夜には出国している。
まるでタッチアンドゴー。
レコードチャイナの記事では、アリアナは14日に韓国に行くはずだったけど、それをキャンセルしたと書いてある。
でも中央日報の記事では、「初めから公演当日に入国する予定だった」と書いてある。
どっちが本当かは分からないけど、「アリアナは日本に長くいたかったから、韓国行きをキャンセルした」という見方はある。
これに韓国人がよろこぶはずもない。
アリアナは日本ではリハーサルで1日をつかっている。
でも韓国ではコンサート会場でのリハーサルをおこなわず、なぜかトイレでリハーサルをしている。
しかもその様子をインスタグラムに投稿した。
ファン・サービスだったのかもしれないけど、韓国人からしたら挑発行為だ。
「アリアナ・グランデは、日本は大好きだけど韓国は嫌いなようだ」
そう感じた韓国のあるネットユーザーがアリアナ・グランデをもじって、「ヤマモト・グランデ」というあだ名をつけた。
個人のネットユーザーが悪意を持ってそう呼ぶのは分かるけど、韓国の場合、全国紙が記事のタイトルでその言葉を使ってしまう。
中央日報の記事(2017年08月17日)
それでいて、記事では「韓国のファンがとりわけ情に厚く礼儀に敏感であることを理解してほしい」と書いている。
なるほど。
韓国では「ヤマモト・グランデ」という嫌みを言う人間が礼儀に敏感なのか。
日本と韓国に対する対応の差は、単純に「アリアナは日本の方が好きだから」という理由だったかもしれないけど、ぶっちゃけかせぎもちがう。
日本ではもうかるけど、韓国ではもうからない。
中央日報も日韓での収益の違いを書いている。
何もこれはグランデだけのことではなく、多くの海外アーティストが日本を起点に東南アジアへ向かう途中で韓国に立ち寄る。業界でも相対的に低いギャラのせいで、アジアツアーの日程が確定したアーティストに交渉するのが一般的だ。平日公演が多いのもこのためだ。そのような状況で日本との単純比較は適切ではない。
日本と韓国とでは、公演の市場規模も音盤やグッズの販売量もまったく違う。
ボランティアではなくてプロフェッショナルなら、利益の出るところに力を入れてサービスするだろう。
でも調べてみたら、アリアナ・グランデはかなりの日本好きらしい。
ツイッターでは日本語でもつぶやいている。
熊本地震のときにも、平仮名でこうつぶやいている。
この記事を書くまで、アリアナ・グランデのことはよく知らなかったけど、いまは好きになった。
でも、韓国での「タッチアンドゴー」は多くの韓国人を怒らせている。
レコードチャイナの記事から。
「もう次から韓国に来なくていいよ」「K−POPの方がはるかにいい音楽だ」「観客のいないコンサートを1度でもやれば正気になるだろ」といったコメントが多数票を集めている。
「どうせ日本のついでに韓国に来るつもりだったんだろうけど、プロ根性がないね」「韓国が日本の“隣町”だから通りすがりに寄った感じか」「親日派だな」など、日本との「扱い」の差に不満を漏らす声も。
さらにこんな声もあった。
レコードチャイナの別の記事から。
「この子もケイティ・ペリーと同じで親日か」など怒りや失望の声が多数上がっている。
韓国人の「失望」が何のことかわかるだろうか?
ケイティ・ペリーも世界的な歌姫だ。
そのケイティ・ペリーが6月20日に、インスタグラムにこんな投稿をしている。
これを見た韓国人は「戦犯旗(旭日旗)だ!」と大激怒。
ケイティ・ペリーのインスタグラムには批判が殺到する。
たとえばこんな言葉があった。
REMOVE IT!!!!!!
u have to apologize ur fans who disappointed by this uncareful image.
You are so ignorant and rude. Go fuck yourself nazi 🐒
削除しろ!
あなたは、失望させたファンに謝罪をしなければならない。
おまえは本当に無知で失礼だ。
でもこれは、旭日旗に似たデザインであって旭日旗ではない。
「とりわけ情に厚く礼儀に敏感である」という人たちはやることが違う。
アリアナ・グランデが韓国人を怒らせたのは日本との差をつけたから。
韓国人は日本をすごく意識する。
何でも日本を基準として、それより上か下かが気になる。
日本へのライバル意識については第三者の外国人がよく分かる。
たとえばオランダ人なんか。
2002FIFAワールドカップのとき、韓国代表の監督をしていたヒディンクというオランダ人がいた。
ヒディンク(ウィキペディアから)
韓国でおこなわれた試合でヒディンク率いる韓国代表は、ポルトガル、イタリア、スペインといった強豪国を撃破して4位になっている。
このときの韓国はまさにお祭り騒ぎ。
韓国では功績から準々決勝でスペインを破ったスタジアムである光州ワールドカップ競技場の名称を「フース・ヒディンク・スタジアム」と名称変更が検討されるほどであり、また名誉国民証を授与された
「ウィキペディア」
そんなヒディンクが韓国での日々を書いた「ヒディング自伝 韓国を変えた男(文藝春秋)」という本がある。
その中でヒディンクは、韓国人の日本へのライバル意識に驚いていた。
あるとき韓国代表がフランス代表と試合をおこなうことになった。
その前にフランスは日本と試合をしていて、5対0で勝利している。
この結果を知った韓国代表の関係者の言葉に、ヒディンクが怒っていた。
日本がフランスに0対5で負けたから、それより少ない点差であれば負けてもいいという話がでているらしい。ありえない話だ
韓国はフランスとたたかうのだけど、意識していたのは日本。
「フランスに負けても、間接的に日本に勝てたらそれでいい」という発想が韓国にはあった。
でも、オランダ人にしてみたらあり得ない。
韓国はノーベル賞の受賞者の数でも日本をよく意識する。
やがてヒディンクは、韓国人のやる気を最高に出させる方法を考え出した。
日本の選手と比べるのだ。
「日本の選手からはハングリー精神」がなくなったという話から、あれこれ仔細(しさい)なことまで日本と比較した。つまり、我々がしてはいけないことを並べて、日本を反面教師にしようと思ったのだ。日本と比較すると、選手たちの目が俄然(がぜん)きらきらと輝き始めた
「日本と比較すると、選手たちの目が俄然(がぜん)きらきらと輝き始めた」というところが、まさに韓国人。
韓国の「ワールドカップ世界ベスト4」の何割かは日本のおかげだ。
韓国には「日本がフランスに0対5で負けたから、それより少ない点差であれば負てもいい」という発想があった。
それから考えると、アリアナ・グランデの韓国での滞在時間が7時間だったとしも、日本での滞在時間が5時間だったら、韓国人はきっと満足したはず。
そうなっていたら韓国紙は「誠意がなさすぎる」とか「ヤマモト・グランデ」ではなく、「ありがとう。世界の歌姫」と心から感謝していたと思う。
どんな形でも、日本に勝ては韓国はよろこぶから。
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