こんなNHKのニュース(2017年9月8日)を見た人は多いと思う。
「格安で海外旅行をしたい!」と思っている人は特に。
旅行会社の「てるみくらぶ」が経営破綻し、利用客が前払いした旅行代金のほとんどが返済されない事態を受けて、観光庁は代金を弁済する制度を拡充して利用者の保護を強化する対策をまとめました。
「てるみくらぶ」破綻受け対策 弁済金額増加など
ことし3月に旅行会社の「てるみくらぶ」が破産した。
「てるみくらぶ」はネットや新聞でけっこう広告を出していて、けっこう大きい旅行会社だった。
リーマン・ショックから今まで、旅行業者が倒産して出した被害としては「てるみくらぶ」が最大だから。
「てるみくらぶ」は破産寸前までツアーを販売していたから、「計画倒産じゃね?」というウワサもある。
この可能性はかなり高いと思う。
ホントのところは分からないけど。
この倒産での被害者は、ツアー代金を支払ったけどそれが戻って来ない人たちだ。
数十万出していたけど数千円しか手元に返って来ない人もいるらしい。
実質的に、「100%だまされた」という状態。
そんな被害者が9万人近くいるらしい。
ノーモア・てるみくらぶ。
「たとえ旅行会社が倒産したとしても、もうこんな被害者を出してはいけない」ということで、観光庁が利用者保護の取り組みを進めていくという。
その具体的な内容は上のNHKニュースを見てほしい。
ただ、観光庁や旅行会社がどんな取り組みをしたとしても、倒産した旅行会社に支払った金額100%が利用者に返金されることは考えられない。
利用者が100%満足できるような補償も期待できない。
基本的な考え方としては、旅行会社にだまされないように”自己責任”ですべてを決めるしかない。
「てるみくらぶ破産と利用者保護」というニュースについて、ネットではこんな反応があった。
それで、まだ帰ってこれない人いるの
詐欺旅行会社の被害者は大変だな
でも問題は、この先、中小の旅行会社を利用する人は減るという事だろうねなんでもそうだが、格安はヤバい。
早く気がつけよって話だわな。
ブローカーの会社が破綻した=自己責任
こんなのは政府が面倒みることじゃない
だから自賠責はする必要ない。任意保険でいい
全体としては、「安いものにはワケがある」とか「格安にはリスクがともなっている」というものが多い。
「ネットのコメントなんて他人事だから」と言ってしまえばそれまでだけど、「格安はヤバい」という認識は間違っていない。
どんなに安くしても、会社はどこかで必ず利益を得ているのだから。
「格安はヤバい」と言われても、格安を選ぶ人はいるはず。
ボクも海外旅行に行く時は格安航空券を探しているし、これからもそうするつもり。
では、ヤバい旅行会社にだまされないためにはどうすればいいのか?
この日の「NHKニュース7」を見ていたとき、専門家が「旅行会社を選ぶときの注意点」について話をしていた。
まとめると次の2点。
1、他の旅行会社と比べてかなり安いものがあったら、必ずその理由を確認すること。
2、代金を現金一括で払うように求めてくる旅行会社は要注意。
1の場合、「安いものにはワケがある」のワケを知るということ。
たとえば、タイ旅行でも飛行機が深夜発着のものだったら不便なぶん、それだけ料金は安くなる。
そうした合理的な理由もないのに安いものには要注意。
2については、実はこれは「てるみくらぶ」であったこと。
「てるみくらぶ」が破産する前には、旅行代金をカードで支払うことができなくなっていたという。
「とにかく現金で入金してください!」とから客がうながされていた。
さらに破産する寸前には、「現金一括入金キャンペーン」もしている。
「早く気がつけよって話だわな」というコメントがあったけど、「てるみくらぶがヤバい」と気がつけたとしたら、このときしかなかっただろう。
ボクも「てるみくらぶ」のツアーで韓国旅行に行ったことがある。
このときはカードで入金することができた。
ふつうであれば、カードで支払うことは問題なくできるはず。
当然できることがなぜかできなくなっている。
これは要注意。
自慢になるかわからないけど、専門家が言ったこの2点は前にボクがブログ記事で書いたこととほぼ同じ。
言ってみたら、ごくごく常識的な内容。
逆にいえば、「これをしたら、旅行会社には絶対にだまされない!」という方法はないということだろう。
「こうしたら100%大丈夫!」という情報ほどアヤシイものはない。
「現金前払いなら、割引しますよ」というキャンペーンにも要注意。
ボクの海外旅行歴は20年を超える。
今までボクが利用したことのある旅行会社で、破産したのは「てるみくらぶ」で4軒目。
今までに、「四季の旅社」や「マップインターナショナル」というわりと大きな旅行会社が倒産したし、バンコクのMPツアーやプログラムDという小さな旅行会社もつぶれた。
プログラムDのホームページには今も生々しいことが書いてある。
お客様へ
経理担当鈴木大介の不正並びに資金を持ち逃亡した為に、航空券の発券並びに会社の運営をすることが出来なくなりました。
プログラムDインターナショナル
「てるみくらぶ」をふくめて、ボクが知っている旅行会社でつぶれてしまったところは、すべて格安を売りにしていた。
格安というのは決して、得というわけではない。
見えないところで高いリスクをかかえているということ。
リスクをふくめたら、結局は値段相応。
プログラムDの場合、つぶれる前にはなぜか健康食品を売っていたらしい。
これも”ヤバい”の兆候かもしれない。
インドで会った日本人旅行者は、「セカンド・ベストの法則」を実行していた。
これは、「もっとも安いものではなくて、2番目に安いものを選ぶ」ということ。
だまされないためには、最安は避けるというのも一つの方法だ。
「少しでも安く」という自分の欲をコントロールすることも大事。
何かにだまされてしまう場合、その”共犯者”は自分の中にいることが多いから。
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