外国人のイメージ「日本は技術と伝統文化の国」。2つの具体例。

 

外国人は日本に対して、どんなイメージを持っているんだろう?

ネットで調べてみたら、こんな声が紹介されている。

「桜、着物を着たおばあさん、スリムな日本の女子高生、寿司、長時間働く勤勉な国民、日本酒、アニメ、ナイトライフ」

「車に道を譲ったときは必ずと言っていいほど運転者はお辞儀してくれて、とても感心しました。韓国では車にひかれるかもしれません。」

「日本は仕事中毒のアイランドだと思ってた。ヨーロッパ10ヶ国を3日で観光するようなハードスケジュールバカンスを過ごすわけだからね。」

「日本人に会ったことがなかった僕は、日本と言われてもサムライ、お米、芸者ぐらいしか思い浮かばなかった。当時は『中国と日本って違うの?』って本気で思っていたよ。」

【海外から見た日本】外国人が「日本」ときいて連想するイメージとは?

外国人が“日本”と聞いて思い浮かべるのは、「桜・着物・お辞儀・仕事中毒・芸者」といったものが多い。
まあ、想像通りですわ。

他にはこんな意見もあった。

「僕が日本と聞いて連想するのは、まずテクノロジー」
「古い伝統を守りつつとても近代的なテクノロジー大国」

日本に対して、「古さと新しさが同時にある」というイメージを持っている外国人は多い。

「伝統文化+最先端の科学技術=日本」という感じ。

もし外国人から、「それを象徴するものはありますか?」と聞かれたらどう答えよう?

 

 

これはタイのバンコクにあったポスター。
外国人に日本旅行を呼びかけている。

上は日本の自然と伝統文化、下は伝統文化と科学技術(新幹線)を強調している。

 

 

日本で伝統文化と最先端の技術とが融合している例に何があるか?

例えば、東京スカイツリーがある。

東京スカイツリーは外国人の間でもとても有名。
「ギネスが認めた世界一高いタワー」というキャッチコピーは外国人にも通じる。

日経新聞にそのことが書いてある。

東京都墨田区に来年5月、開業予定の東京スカイツリー(高さ634メートル)を「世界一高いタワー」と認めるギネス世界記録の認定式が17日、墨田区のホテルであった。

ギネス、スカイツリーを「世界一」に認定

この日経新聞の記事に運、営会社の社長の言葉が紹介されている。
社長は「日本の文化や技術、東京の下町の魅力を世界に知ってもらうのが建設目的の一つ」と言う。

たしかに!
東京スカイツリーは、外国人に日本の文化と技術を知ってもらうのにちょうどいい。

 

最近、東京スカイツリーに行ったという外国人にこんな話をした。

「東京スカイツリーは日本の最新の建築技術と伝統文化でできている」

「最新の建築技術」というのは、世界一高いタワーということ。
「伝統文化」というのは、東京スカイツリーのデザイン。

東京スカイツリーのデザインには、「そり」と「むくり」が使われている。
「そり」は日本刀で、「むくり」は法隆寺などのお寺の柱に見られるふくらみのこと。

東京スカイツリーを設計した日建設計のホームページにこう書いてある。

三角形の頂点が描く稜線は日本刀の持つ「そり」を、円形に変化する部分からは、奈良・平安時代の寺院建築の列柱がもつ中央がゆるやかに膨らんだ「むくり」というデザインを持つことになりました。

タワーのかたち② 「そり」と「むくり」

同じ内容だけど、「nippon.com」にもこんな記事がある。

「そり」とは、線や面がなだらかに凹んだラインを描いているもので、日本で独自に発達した剣である日本刀にも見られるもの。「むくり」は奈良時代に建築された法隆寺や平安時代の寺院建築の列柱が持つ、やわらかくふくらんだ円弧のことだ。

東京スカイツリー、伝統美と最新技術の融合

法隆寺のむくりは「エンタシス」とも呼ばれる。
エンタシスとは、古代ギリシャ建築の柱に見られるおだやかなふくらみのこと。

エンタシスは日本史で習う。

法隆寺金堂

西院の中心で、7世紀の建造。柱のエンタシスなど南北朝様式が特徴。

「日本史用語集 (山川出版)」

ということで、東京スカイツリーには日本の最新技術と伝統文化がある。

外国人にこんなバックグラウンドを話すとけっこうよろこんでくれた。

 

法隆寺のエンタシス(ウィキペディアから)

 

日本刀(ウィキペディアから)

 

そして東京スカイツリー

 

さらに言えば、東京スカイツリーが完成したときにおこなわれた竣工式(しゅんこうしき)は、神道の様式でおこなわれている。

これぞまさに、日本の伝統文化!

 

 

 

上の画像はこの動画のキャプチャー。

東京スカイツリー きょう竣工式、完成を祝う

 

 

イギリス人と神社に行ったとき、彼がこの様子を見て「おい、あれは何をしているんだ?」と驚いていた。

「交通安全を願う車のお祓いだよ。新車を買ったときにやる人が多いかな。友人で、半年で3回も交通事故にあった人がいる。彼が車祓いをしてもらったら、それから今まで10年以上も交通事故にあっていないと言っていた」

イギリス人は「そういう考え方とやり方が日本らしいなあ」と感心していた。
彼にとって、日本人が交通安全のお守りを買ってそれを車に付けることは理解できる。
でも、車祓いはとても不思議に見えたらしい。

 

日本の車をつくる技術は世界でトップクラス。
神道のお祓いは、古事記にその例を見ることができるほど古い。

新車の車祓いも、「最先端の技術と伝統文化が同時に存在する」という外国人が持つ日本のイメージに合っている。

 

ちなみに東京スカイツリーは「世界一高いタワー」だけど、世界でもっとも高い建物ではない。

世界最高の建物はドバイにあるブルジュ・ハリファだ。

 

ブルジュ・ハリファ

画像はこのブログから。

世界一高いブルジュ・ハリファの展望台!!148階(555m)の展望台までのAT THE TOP SKY

 

そこからの眺め

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。