日本とカンボジアの良い関係。自衛隊のPKO活動とキズナ橋。

 

「海外旅行に行くならどこが良さげ?」と聞かれたら、その人の好みにもよるけど、旅行日数が短くて歴史が好きならカンボジアがおススメだ。
遺跡好きなボクとしては、やっぱりアンコールワットがすごく良かった。
「京都といえば金閣寺」というぐらいベタだけど、アンコールワットは本当にすごい。

2013年には「日本人に人気の海外観光地スポット」でアンコールワットが1位に選ばれていて、ここは日本人に特に人気がある。
ちなみに、2位がボリビアのウユニ塩湖で3位がペルーのマチュピチュ。

この2つには行ったことがないけど、アンコールワットなら5回ぐらい行った。
鎌倉時代ができるちょっと前(1113-1145年ごろ)に、よくこんなデカい建物を建てたなあと感心するわ。

 

 

 

遺跡はアンコールワットだけじゃない。
そのまわりにもアンコール時代の遺跡がたくさんある。

 

そしてカンボジアと日本の関係はとても良い。

カンボジアには親日的な人がたくさんいる。
なんでカンボジアには日本好きが多いのか?

それは自衛隊のPKO(国連平和維持活動)を抜きにしては語れない。
1992年、自衛隊がカンボジア南部のタケオでPKO活動をしていた。
日本(自衛隊)のPKO活動はこれが初めて。

この地に派遣された自衛隊は、道路・橋・学校などをつくっている。
自衛隊のPKO活動は、今でも現地で感謝されている。

「あれから25年」ということで、産経新聞にPKO活動についての記事(2017年9月21日)があった。

「日本の心のこもった支援は、UNTACに参加した他国と比べても特別だ」。カンボジア地雷対策センター(CMAC)のラタナ長官はこう言い切る。

【陸自PKO25年】カンボジア「日本の支援は特別だった」 地雷や不発弾の被災減少

 

ボクが初めてカンボジアへ行ったのは1995年のとき。

この旅行で出会ったカンボジア人から自衛隊の話は何回も聞いた。

「日本にはとても感謝しているよ!」という話ばかり。
日本人のボクへのサービスかもしれないけど。

 

「自衛隊がつくった道路や橋はとてもすばらしい」と自衛隊の活動をほめる人がいれば、「自衛隊の人たちは礼儀正しいし、問題を起こさなかった」と現地での隊員のふるまいを評価する人もいた。

実際、PKOで来た他の国の人たちには、あまりよろしくない行動をしていた人も多かったらしい。

「他の国のPKO要員が去ってから、カンボジアでエイズが流行ったんだよ」

そう怒る人もいた。
実際、元UNHCR職員の米川正子氏もこう書いている。

UNTACの略名がTransitional Authority(暫定統治)でなく、Transmitting AIDSと呼ばれたほど、PKO要員がカンボジアでエイズを伝染させたと言われています。

集団的自衛権と自衛隊のPKO参加に踏み出す前に ~PKOは本当に国際平和に貢献しているのか?

国連平和維持活動とは?

 

日本とカンボジアのいい関係はこれだけではない。

カンボジアのことで、日本人にはぜひ知ってもらいたいものがある。

それは首都プノンペンにある「キズナ橋」。
メコン川にその橋がかかっている。

 

 

ボクがプノンペンから北部のラタナキリに行くときにこの橋を通った。

この橋は日本のODAでつくられたことから、「キズナ」と名づけられた。

現地のカンボジア人も「スパン・キズナ(きずな橋)」と呼んでいるという。

 

 

このキズナ橋は500リエル札に描かれた。

ボクがカンボジアを旅行中、500リエル札をよく使っていたけど、カンボジア人に教えてもらうまでまったく気がつかなかった。

このように日本とカンボジアの関係はとてもいい。
その理由は、PKO活動とODAによるところが大きい。

 

日本はバイヨン遺跡の修理を担当している。

 

ただ、1993年には不幸なできごとも起きている。

カンボジアへ派遣されていた高田 晴行(たかた はるゆき)さんと中田 厚仁(なかた あつひと)さんが殺害される事件があった。
カンボジアの平和や民主主義のために活動していたこの2人のことも、ぜひ知ってほしい。

 

おまけ

カンボジアとはこんな国。

面積は18.1万平方キロメートルで、日本の約2分の1。

人口は14.700万人。日本の人口は約8.5倍。

首都はプノンペン。

民族は人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされている。

数字は外務省ホームページのカンボジア王国(Kingdom of Cambodia) 基礎データから

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。