今日10月13日は「さつまいもの日」。
なんで「さつまいもの日」と呼ばれるのか、知ってますか?
これは、さつまいもの別名「十三里(じゅうさんり)」にちなむ。
江戸時代、川越(埼玉県)のさつまいもは「おいしい」と評判だった。
その川越は江戸から13里離れていたことから、さつまいものことを「栗(九里)より(四里)うまい十三里」と言っていた。
このことから、川越市の市民グループが10月13日を「さつまいもの日」にした。
そんなさつまいもの日にちなんで、今回は「スイートポテト(さつまいも)」の話を書いていきたい。
じゃがいもは英語で「ポテト」と言う。
さつまいもは英語で「スイートポテト(甘いポテト)」になる。
でも、昔は違った。
昔イギリス人はさつまいものことを「ポテト」と呼んでいた。
ところで、じゃがいものふるさと(原産地)は知ってますか?
それは南米のペルー。
ティティカカ湖のほとりの標高三八〇〇メートル級の高原地帯こそが、今、私たちが食する栽培ジャガイモのふるさと、ジャガイモ発祥の地だという。
「ジャガイモの世界史 (伊藤章治)」
南米のペルーを原産地とするこのじゃがいもは、16世紀にヨーロッパに伝わっている。
1565年には、じゃがいもの記録がある。
ちなみに、このころ日本は戦国時代。
1560年には、桶狭間の戦いで織田信長が今川義元に勝利した。
そのころヨーロッパにジャガイモが登場する。
そのじゃがいもがイギリスに伝わったのは1580年代のこと。
でもこのときじゃがいもは「ポテト」ではなくて、「ヴァージニアのポテト」と呼ばれていた。
なぜなら、すでにイギリスには「ポテト」があったから。
それがさつまいも。
じゃがいもが来る前から、イギリスにはさつまいもがあった。
さつまいもの方が先にイギリスに来ていた。
言ってみれば、さつまいもはじゃがいもの「先輩」だ。
実はカリブ海やカリブ諸島から、さつまいもがイギリスにもたらされていたのだ。
そしてそのさつまいもは、イギリスで「ポテト」と呼ばれていた。
それで、後から来たじゃがいもを「ヴァージニアのポテト」と呼ぶようになる。
これは今とまったくちがう。
現在ではじゃがいもをポテトと呼んでいる。
じゃがいもがイギリスで広がっていくにつれて、「ホワイト・ポテト」や「アイリッシュ・ポテト」などと、いろいろなじゃがいもの呼び方が増えていった。
一方、さつまいもは「じゃがいもより甘い」という理由で、「スイートポテト(甘いポテト)」と呼ばれるようになった。
イギリスでじゃがいもが「ポテト」、さつまいもが「スイートポテト」と呼ばれるようになったのは18世紀末ごろらしい。
このへんのことは「食の世界史 (文春文庫)」にくわしく書いてありますよ。
ちなみに、日本語の「じゃがいも」の由来は、インドネシアの首都「ジャカルタ」にある。
じゃがいも【ジャガイモ】
わが国へは16世紀にオランダ人によってジャワのジャガタラ(現在のジャカルタ)から伝わりました。
そのため、当初は「ジャガタライモ」と呼ばれ、それが略されてジャガイモとなったといわれています。「馬鈴薯(ばれいしょ)」の別名ももちますが、これは馬につける鈴に形が似ていることから呼ばれるようになったといいます。
「食の医学館の解説」
「さつまいも」といえば、日本にさつまいもを広めた「青木昆陽」を忘れちゃいけませんね。
あおき‐こんよう〔あをきコンヤウ〕【青木昆陽】
[1698~1769]江戸中期の蘭学者。江戸の人。初め伊藤東涯(いとうとうがい)に師事。甘藷(かんしょ)(サツマイモ)を救荒作物として普及に尽力し、甘藷先生とよばれた。
「デジタル大辞泉の解説」
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