今、タイで日本と中国が争っている。
タイの高速鉄道をつくるのは、日本か?中国か?
日本の売りは安全性。
中国の売りはきっと値段の安さ。
加えて、タイにとって日本は最大の投資国でもある。
一方、中国はタイにとって最大の貿易相手国だ。
果たしてタイは、日本と中国のどちらを選ぶのか?
くわしいことは、朝日新聞の記事(2017年11月16日)をご覧ください。
「支援国の日本か、貿易国の中国か 鉄道入札競わせるタイ」
このニュースについて、インターネットではこんなコメントがあった。
・中国でいいんじゃね?
英国のやつもトラブル出てたし
・どうせコストの安い中国だろ
・価格競争からは降りるべきだ
・どうせまた中国を選んで後で日本に泣きつくパターンだろ
・安かろう悪かろうなんだよな~
でも、それは後になってわかるんだよね。。
・安さで中国に流れるに違いない。そして後悔するに違いない
中には、日本か中国のどちらかを選ぶのはなくて、「日中でやらせれば?」という意見もあった。
・日本に無償で調査させて中国が受注のいつものパターン
・中国に頼んで、不備を日本にやらせるのが一番安く上がると思う
タイはむかしからバランス感覚がいい。
いろいろな国と協力関係を築いたり距離をおいたりして、うまく対応してきた。
それがよくあらわれたのが19世紀で、あの時代、ヨーロッパ列強とバランスよくつき合っていなったら、植民地になっていただろう。
バンコクの地下鉄建設でも、それがあらわれた。
地下鉄の駅やレールは日本がつくったけど、車両はドイツ製にしている。
ブルーライン用車両は当初、三菱電機・アルストム社(仏資本)が共同で請け負う予定で、すでに落札を終えていたが、後にBTSとの接続を可能にするため、スカイトレインと同じ、シーメンス社製の車両になった。
(ウィキペディア)
タイ人のガイドの話では、タイは日本とドイツにもうけさせて、両方にいい顔をしたことになる。
でもそのおかげで、車体とプラットフォームの幅が広がってしまったらしい。
バンコクの地下鉄に乗っていると、駅に停車する前に「プラットフォームとの差にご注意ください」とアナウンスが流れる。
全部日本にまかせれば良かったのに。
マレーシアに「ペトロナスツインタワー」という有名な建物がある。
首都クアラルンプールにある高さ452mのタワーで1998年にできた。
このペトロナスツインタワーの建築には、日本と韓国がかかわっている。
これをつくるときには、「日韓戦」がおこなわれていたのだ。
「ツインタワー」の1つは日本の企業が建てて、もう1つは韓国の企業が建てている。
建築に関しては日本の建設会社ハザマがタワー1を、韓国のサムスン物産建設部門がタワー2を、それぞれ建設した。
「ウィキペディア」
何でも早くやりがたる韓国人の「パリパリ(早く早く)」気質や日本へのライバル意識のためか、建築中、さっそく問題が発生。
サムスン物産建設がハザマを追い抜くため、41階まで急ピッチで建設されるタワー2に垂直性の問題が発見された。
「ウィキペディア」
韓国は困ったとき、どうするか?
「なあイルボン(日本)、ものは相談なんだが~」と、日本に頼みこむことが多い。
このときもそう。
経験不足と技術力の限界で自社では解決できず、ハザマに相談した結果、ハザマからの提案は、タワー1側からタワー2側を支えるためのブリッジを追加することでタワー2の直立性が維持できた。
「ウィキペディア」
こうなると、日韓戦ではなくて「日韓合作」だ。
「困ったときの日本頼み」というのを、韓国はよくやる。
そして韓国からお願いされると、なんだかんだ言って、一肌脱いで協力しようとするのが日本でもある。
日韓通貨スワップもこんな感じだから。
zakzakの記事(2016.09.02)から。
日韓の通貨スワップ協定が打ち切られ、また再開というのは、韓国の身勝手な振る舞いが原因ではあるものの、日本としては大した負担でもなく、日本の国益を考えれば、隣国が困ったときには助けてあげるのも外交であろう。
今の韓国は、平昌オリンピックのチケットが売れなくて困っている。
それで、日本に視線を向けている。
くわしいことはこの記事を。
安倍首相にも、ぜひ来てもらいたいらしい。
朝日新聞の記事(2017年7月13日)から。
来年2月の韓国・平昌(ピョンチャン)五輪の開催に合わせて首相を平昌に招待する意向を示し、日本側も前向きに検討していることが13日、わかった。
文大統領「安倍首相を平昌五輪に招待」 日本側も前向き
タイは日本とドイツを利用して地下鉄をつくり、マレーシアは日本と韓国を競争させてタワーをつくった。
いろいろなやり方がありますね。
タイの高速鉄道も、何らかの形で「日中合作」になるような気がする。
でも、これから中国が技術力をつけて、低コストで日本並みのものをつくることができるようになったら、日本は争うこともできなくなる。
ところで、今年2017年は日本とマレーシアの外交関係が始まってから、ちょうど60年になる。
マレーシアは食べ物がおいしいし、いいこところですよ。
旅行にどうぞ。
おまけ
夜のペトロナスツインタワー
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