みなさん、恵方巻きは食べましたか?
豆まきはしましたか?
今年は節分しましたか?
20年ぐらい前は、恵方巻きなんて聞いたことがなかった。
でも今では、恵方巻きのないコンビニやスーパーなんてありゃしない。
まさに、Time goes by(時はすぎ去る)。
「恵方巻きは、すっかり日本の社会に定着したんだなあ」と思ったら、時代はすでに「脱・節分」に進んでいるらしい。
ここ数年、節分に関するツイート件数が、2015年は1万8298件、2016年は1万5112件、2017年は1万2904件と減少傾向にある。
特に若い人たちが節分に背を向けている。
ということで若者の節分離れを防ぐためにも、今回はこの日本の伝統文化について書いていこう。
節分に深く関係しているのが「鬼」。
といっても、節分の鬼は日本によくあるこの鬼とはちょっと違う。
中国の鬼はこれと違って本格的に怖い。
節分の鬼はもともとは中国語でいう「鬼」のこと。
中国の鬼は死者の霊魂を意味する。
鬼
幽霊,亡霊.(中国では人が死ぬと魂が残って‘鬼’になるという迷信がある)
「白水社 中国語辞典」
日本語で人が死ぬことを「鬼籍に入る」と言う。
この場合の「鬼」は中国語の鬼のこと。
イメージとしては、「死者の戸籍に登録される」みたいなものだと思う。
生きている人間に病気や死など、いろいろな不幸を運んでくるのが鬼。
中国人のガイドから聞いた話では、死んだ人間が幽霊(鬼)になって現れ、生者に災いをもたらすという。
昔の日本人も病気や事故といった不幸なことは鬼が引き起こすもの、と考えていた。
日本語の「鬼」は「穏(おん:姿が見えないもの)」という言葉からできたとされる。
これはウィキペディアにある日本の幽霊。
中国の鬼もたぶんこんなイメージ。
現代の日本では、冬から春の季節の変わり目には「変態が出てくる」と言われている。
でも古代中国では、季節の変わり目には「鬼が出てくる」と信じられていた。
そこで寒さのピークを過ぎるこの時期に、鬼に豆をぶつける風習が「豆まき」になって今の日本に続いている。
家から不幸の原因となる鬼を追い出して、その年の無病息災を願った。
「豆(まめ)」には「魔を滅する魔滅(マメ)」という意味があるという。
今の日本の豆まきは、平安時代の「追儺(ついな)」という鬼払いの儀式に由来する。
これは古代中国ではじまった儀式で、7世紀ごろに日本へ伝り、後にお寺や神社、民間でも広く行われるようになった。
これが現代の節分の豆まきにつながる。
追儺の様子
記事のはじめに「若者の節分離れ」を紹介したけど、個人的には、恵方巻きはなくなって困ることはない。
それぐらいじゃ泣かない。
それに恵方巻きを売る側には、「これだけ売れよな!」という上からの厳しいノルマがある。
毎年、恵方巻きの大量廃棄も問題になっている。
ヤマダストアーというスーパーが恵方巻について、「もうやめにしよう」と新聞広告で訴えた。
それに共感する人も多い。
だから恵方巻きはなくなってもいい。
でも、古代から続く日本の伝統行事「豆まき」が消えてしまうと、寂しいこと限りなし。
これは泣いてしまうかもしれない。
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