「ムハンマド」
「アリ」
「ムスタファ」
「ハサン」
こんな名前を聞いたら、その人の国籍は分からないけど、宗教なら分かる。
まず間違いなくイスラーム教徒だ。
これらの人名はイスラーム教の聖書「クルアーン(英語読み:コーラン)」に出てくるから。
ムハンマドはイスラーム教を始めた人(開祖)。
この名前は覚えておこう。
7世紀、聖徳太子と同じ時代にアラビア半島でイスラーム教を広めていた。
「ジョン」
「マリー」
「ピーター」
「デヴィッド」
この人たちも国籍は分からないけど、キリスト教徒であることは分かる。
すべてキリスト教の聖書に出てくる名前だから。
日本では、仏教や神道など宗教にもとづいて、子どもに名づける習慣がない。
このへんは、キリスト教圏やイスラーム教圏との文化の違いを感じる。
彼らの生活には、宗教が深く結びついている。
キリスト教やイスラーム教をどれだけ深く信仰していても、自分の子どもに「ゴッド」や「アッラー」と名づける親はいないだろう。
キリスト教やイスラーム教を深く信仰しているほど、恐れ多くて「神」なんて名前をつけることはできないはず。
イスラーム教徒の友人に聞いたら「それは考えられません。絶対ダメですよ」と完全否定。
キリスト教徒の人には聞いたことがないけど、ネットで調べてみた限りでは「ゴッド」という人はいなさそう。
でも、ヒンドゥー教なら、神様の名前を自分の子どもにつけることはある。
インドを旅行していて、何人か「ヴィシュヌさん」に出会った。
ヴィシュヌはヒンドゥー教の最高神の1柱。
ヒンドゥー教の最高神は、
・世界を創造する神ブラフマー
・維持する神ヴィシュヌ
・破壊する神シヴァ
の3柱がいる。
「その最高神の名前をそのまま人命にする」という発想には驚いたけど、ヒンドゥー教にはそんな文化がある。
一神教のキリスト教やイスラーム教では、神と信者の距離がすごく離れている。
でも、ヒンドゥー教は多神教のせいか、神様と人の距離がけっこう近い。
「ヒンドゥー教徒にとって神様は、アイドルのような存在ではないか?」と思うこともある。
ヒンドゥー教徒の結婚式での一枚。
手前はクリシュナ神。
クリシュナはヴィシュヌの化身だから、「クリシュナ=ヴィシュヌ」になる。
明日から、韓国で平昌オリンピックが開催される。
ノロウイルスが大爆発したら分からないけど。
平昌オリンピックでは今、北朝鮮がとても注目をあびている。
先日、北朝鮮の選手団の団長にちょっとしたことがあって、それが世界的なニュースになった。
平昌の選手村に到着した団長の元(ウォン)氏が、ボランティアスタッフにあいさつをする。
スタッフの名札に書かれた名前を声に出して読んで、元氏は1人1人と笑顔であいさつをしていた。
でもこの後、団長が固まってしまう。
目の前に、予想していなかった名前のボランティアスタッフがいたから。
その女性の名札には、「高 正恩」と書いてあった。
「正恩(ジョンウン)」といえば、北朝鮮の最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)氏と同じ名前だ。
「高 正恩」さんを前にして、団長の笑顔が凍りついた。
AFPの記事(2018年2月7日)で、ボランティアスタッフの「高 正恩」さんがそのときの様子をこう話している。
「(元氏は)こちらを向いて私の名札を読み始めると、固まってしまいました。数秒間、一言も発しませんでした」。
団長の元氏は「あなたの名前を声に出すのは恐れ多い」と言ったというから、「正恩(ジョンウン)」という名前を口にすることはできなかったのだろう。
キリスト教徒やイスラーム教徒がわが子に「ゴッド」や「アッラー」とは名づけないように、北朝鮮の社会で「正恩」と名づける親はいないはず。
それにしても、「正恩(ジョンウン)」という人が男性にも女性にもいるとは思わなかった。
朝鮮半島の命名はちょっと分からない。
「金 玉男」という女性もいるぐらいだから。
破壊神シヴァ
おまけ
インド人から聞いた「ヒンドゥー教の最高神の覚え方」をお教えしましょう。
最高神には3柱がいた。
創造の神ブラフマー、維持の神ヴィシュヌ、破壊の神シヴァの3柱。
それぞれを英語にするとこうなる。
「G(ジェネレイト:創造する)」
「O(オペレイト:維持する)」
「D(ディストロイ:破壊する)」
この3つを合わせると、「GOD」になる。
もちろん、これはただのこじつけ。
「分かりやすい覚え方」というだけっす。
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