この前、インド人とご飯を食べに行った。
ということで今回は、「もし外国人を食事に連れて行くことになったら?」というときの注意点を書いていこうと思う。
国民のほとんどが無宗教という日本はちょっと変わった国で、外国とはちがう。
外国人と食事をするのなら、味や値段よりも、まずは宗教に気をつけた方がいい。
ところで、いまの日本には年間何人の外国人が来ているか知ってますか?
日本政府観光局の統計データ(訪日外国人・出国日本人)によると、訪日外国人の数はここ5年間で急増している。
平成20~24年の間は600万~800万人の間をウロウロしていたけれど、25年に初めて1000万人を超えた。
それから、日本に来る外国人の数はどんどん増えている。
去年(2017年)は2,869万人で、ほぼ3000万だ。
この数字は、これからさらに増えるとみてまず間違いない。
だから島国の日本でも、いつ外国人と食事をする機会があるか分からない(やや強引)。
インド人からいきなり、「食事に連れて行ってほしい」と頼まれることも考えられる(かなり強引)。
そこで今回は、ボクがインド人と夕食を食べに行った流れを紹介したい。
外国人の友だちがほしいという人には何かの役に立つかもしれない。
いや、役立ってほしい。
外国人とご飯をするのなら、まずは相手の食べられないものを聞いた方がいい。
アレルギーではなくて、宗教上の理由で食事制限のある外国人はけっこう多い。
食事に限らず日本人が外国人とつき合うなら、宗教には注意する必要がある。
今回のインド人はヒンドゥー教徒。
ちなみにヒンドゥー教は高校の世界史でこう習う。
ヒンドゥー教
バラモン教に、先住民の土着信仰が吸収・融合されて成立した宗教。特定の経典を持たない。多神教であるが、三大神のうちのシヴァ神とヴィシュヌ神が中心となっている。冠婚葬祭など日常生活に関わっている。
「世界史用語集 (山川出版)」
ここに「日常生活に関わっている」と書いてあるけれど、毎日の生活でいえばやっぱり食事だ。
「ヒンドゥー教では牛が神聖視されているから、ヒンドゥー教徒は牛肉を食べることができない」
こんなことを学校で習ったと思う。
基本的にはこれで正しい。
でもヒンドゥー教にはいろいろな宗派があるから、「食べていいもの/ダメなもの」はそれぞれのヒンドゥー教によって違う。
インドのケララ州には牛肉を食べるヒンドゥー教徒もいる。
インドにビーフカレーがあることには驚いた。
そんなわけで、ボクが「食べられないものはありますか?」と聞いたところ、彼はこんな返事を送ってきた。
I can eat chicken only.
Let’s go to some good place serving chicken.
彼は「鳥肉しか食べることのできないヒンドゥー教徒」だった。
だから、おいしいチキンを出す店に行きたいらしい。
中国の鉄板焼きの店
ヒンドゥー教徒をこんな店に連れて行くのは、危険な挑発行為だ。
ちなみに、日本語で「犇く」は「ひしめく」、「鱻」は「せん」と読む。
彼の他にも、「牛肉はダメだけどそれ以外ならOK。豚肉も大丈夫」とか「牛肉も豚肉もダメ」というヒンドゥー教徒もいた。
豚肉を食べられない外国人には、ラーメンもむずかしい。
豚骨ラーメンはもちろんダメ。
ムスリム(イスラーム教徒)で、豚骨ラーメンを入れたことのある器をイヤがる人もいた。
なかには、「肉はすべて食べられない。魚も卵もダメ」というヒンドゥー教徒もいる。
「魚もダメ」となると、なかなか大変だ。
「でも、うどんならいいだろう」と思って、そんなインド人をうどん屋に連れて行ったら、ダシのかつお節がダメで食べられなかったことがある。
店を探すことについていえば、「豚肉とアルコールはダメだけど、後は大丈夫」というムスリムの方がまだ楽だ。
像の神様・ガネーシャ
でも、そんなインド人に合わせて店を探すことは、大多数の外国人にも通じる。
インド人がOKな店なら、だいたい他の外国人でもOK。
宗教上の理由でいろいろな食事制限のあるインド人とつき合うことは、他の外国人とつき合うときにも役立つ。
「仏教の影響で、牛肉を食べられない」というタイ人や台湾人はけっこういる。
この点でインド人はいいモデルになる。
値段や季節やシーンなどいろいろな条件があるのに、「宗教」がないのが残念。
浜松で「chicken only」のヒンドゥー教徒がおいしく食事ができる店って、どこかあったっけ?
ケンタッキー・フライド・チキンもいいけど、夕食でファストフードに連れて行くのも気が進まない。
「浜松 鶏料理」で検索すると、居酒屋がたくさん出てくる。
でもこれだと、使っている油や調味料に不安がある。
日本的な料理があって、彼が安心して食べられる店はないだろうか?
そんな時、出会ったのが鳥貴族です。
ここなら鶏肉がメインだし、インドにはない日本的な食べ物がたくさんある。
「ひょっとして、以前牛肉を出した器もダメかも?」と思って彼に聞いたら、それはOKという。
ということで、インド人を鳥貴族に連れて行くことにした。
結果的に、これが大正解。
このインド人は、とり釜飯と焼き鳥(スパイス)を絶賛する。
とり釜飯のような食べ物はインドにはないし、スパイス味の焼き鳥はインドの食べ物に近い。
彼はたれや塩より、スパイスを気に入っていた。
この味がある焼き鳥屋は鳥貴族の他に知らない。
外国人を食事に連れて行くとき、鳥貴族はいい選択肢だと思う。
ヴェジタリアンでも食べられる料理があるし、全部同じ値段というのも分かりやすい。
それにお通しもないから。
おまけ
インドの鉄道駅
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