韓国の約束破り。国連で「性奴隷」発言からのあきれた言い訳

 

2015年に、日本と韓国が慰安婦問題の最終的な解決で合意した。

いわゆる日韓合意だ。

このとき日本政府が韓国政府に「これからは、性奴隷という言葉を使わないでほしい」と要求したことをご存知でしたか?
というのは、慰安婦が”性奴隷”にされていたという根拠がない。
日本の要求はそんな事実にもとづいている。

これに韓国政府は何と答えたか?

ハンギョレ新聞が怒りをにじませながら記事(2017-12-29)でこう書いている。

「性奴隷」という表現を使わないという約束はしなかったが「公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』のみ」と確認した。

日本側「挺対協説得」「性奴隷の単語禁止」…ほとんどすべて聞き入れた韓国側

 

韓国政府は「性奴隷という言葉を使わない」とは言わなかったけれど、「公式には性奴隷ではなく、(日本軍)慰安婦被害者だ」と日本に伝える。
間接的に「性奴隷という言葉は使わない」と言ったに等しい。

これも日韓合意で両政府が確認している。
だから「慰安婦は性奴隷だった」と考えているハンギョレ新聞は、韓国政府がこの単語を使えなくなったことを「禁止された」と怒っている。

 

「韓国政府は『性奴隷』という言葉を使わない」

これも韓国が日本に約束したことで、日韓合意のひとつになっている。
韓国政府はもうこの言葉を口にすることはできない。

朝鮮日報の記事(2017/12/29 )は政府がそれをしたら、国際社会から「合意破棄」とみられると指摘していた。

文在寅政権としては海外での少女像設置を支援し、「性奴隷」という表現も使わなければならないことになる。しかし、それでは国際社会に対して「合意破棄」という負担を抱えることになる。

慰安婦合意:文大統領が事実上合意を白紙化、「第3の案」を模索

 

で、その後韓国はどうだったのか?
本当に、日本との約束を守ってくれたのか?

 

 

産経新聞にこんな残念な記事(2018.2.23)がある。

国連の女子差別撤廃委員会で22日、韓国の鄭鉉栢(チョンヒョンベク)女性家族相が慰安婦問題で「性奴隷」という表現を使った

韓国閣僚の「性奴隷」発言 「受け入れがたい」と外務省抗議 国連委員会で

 

舌の根の乾かぬ内に、早くも韓国は日本との約束を破ってしまった。

これには「ふざけるな!」と怒る人もいれば、「知ってた」と冷静に受け止める人もいると思う。
ボクとしては、少し期待していたから少しがっかりした。
まだまだ韓国に対する見方が甘かった、と反省。

韓国の名誉のために一言加えておけば、2015年に日韓合意を結んだ前政権は合意のあと、一度も「性奴隷」という言葉を国際社会の場で使わなかった。
この”約束破り”は、今の文政権がしたこと。

 

国連で韓国がしたことは、朝鮮日報のいう「国際社会に対して『合意破棄』という負担を抱えることになる」に当たる。
日本政府も「性奴隷という表現を使えば韓国が慰安婦合意を破ることになる」と主張していた。

韓国の大臣が「性奴隷」という表現を使ったことは、合意違反になる。

日本の外務省はすぐに「『性奴隷』の表現は事実に反する。使うべきではない」と韓国に抗議した。
そのうえで、日韓合意の履行を求める。
つまり「日本大使館前にある慰安婦像を早く動かしてくれ」ということ。

でも、韓国政府はきっとやらない。

 

大臣の「性奴隷発言」については、外務省が抗議声明を出しただけではなく、河野外務大臣も「韓国は合意を破った」と非難している。
中央日報の記事(2018年02月23日)から。

「『性奴隷』という事実に反する言葉が使われた。日韓合意の際に韓国側とも確認していたにもかかわらず、韓国代表団が今回『性奴隷』というような言葉を使用したことは日本として受け入れられず、極めて遺憾」と主張した。

河野外相「韓国女性部長官のジュネーブ“性奴隷”表現、慰安婦合意破るもの」

 

「遺憾の意をしめす」
「極めて遺憾の意をしめす」

この”上”の対応がほしいところだ。

 

日本から「性奴隷と言うのは合意違反だ!」と抗議を受けた韓国政府はなんと答えたか?

朝鮮日報の記事(2018/02/23)にこう書いてある。

韓国外交部の当局者は「政府は慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復し、問題を歴史的な教訓として残すため努力している」として

閣僚が「性奴隷」発言 公式名称は「日本軍慰安婦被害者」=韓国外交部

 

国連の場で韓国の大臣が「性奴隷」と言えば、「慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復」することになるのだろうか?

また朝鮮日報の別の記事(2018/02/23)では、国連の報告書で「性奴隷」という言葉が使われていたことにふれて、韓国の女性家族部のこんな見解を紹介している。
*「委員」とは国連の委員のこと。

委員たちの立場を尊重する観点から性奴隷という表現を慰安婦という表現と共に並べた」と説明した。

韓国閣僚が慰安婦を「性奴隷」 日本の抗議に「国連報告書で使う言葉」

 

「性奴隷」という表現を使えば、本当に国連の委員の立場を尊重することになるのだろうか?

慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復するため、委員たちの立場を尊重する観点から、国連の場で大臣が「性奴隷」という言葉を使った。

あきれた言い訳だ。
「国連の場で日本の”名誉と尊厳”を傷つけてやりたい」という思いから、「性奴隷」という反日的な表現を使ったと考えたほうが自然だ。
理屈は後からいくらでも考え出せる。

どんな理由であっても、日韓合意を破っていいことにはならないし、歴史をねつ造してもいけない。

 

 

去年、読売新聞は社説で、歴史問題で”日本批判”をくり返す韓国政府の反日的な姿勢を批判していた。

慰安婦少女像 韓国は憎悪を定着させるのか(2017年10月05日)」

うんざりすることばかりだ。韓国内で、慰安婦問題に固執し、反日感情を煽(あお)る動きが続く。文在寅大統領が掲げる「未来志向」の日韓関係の構築は到底、おぼつかないだろう。

慰安婦問題を折に触れて蒸し返す。それは、韓国の若い世代の心に、日本への憎悪を定着させることにつながりかねない。

 

2018年になっても、平昌五輪で平和と友好を宣言しても、文政権の反日は変わっていない。
「性奴隷」という表現は、韓国の若い人たちに「日本への憎悪」を確実に定着させる。

反日の度合いは、去年よりひどくなっているかもしれない。

これからも文政権からは好きなことを言ったりやったりして、後からあきれた言い訳をするパターンが出ると思う。
日本から「うんざりすることばかりだ」というため息がなくなる日はまだまだ遠い。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。