当時の慰安婦が否定する今の韓国人の常識「過酷な性奴隷」説。

 

中央日報に、こんな記事(2018年01月17日)がありやがりました。

韓国京畿道、「『日本軍慰安婦』を『日本軍性奴隷』に正したい」

内容は記事のタイトルそのまま。
京畿道(キョンギド)の議会が慰安婦のよび方を「日本軍慰安婦被害者」から「日本軍性奴隷被害者」に変えるために、条例を改正しようとしている。

ほー。

これを発議した議員は理由をこう話す。

「今すぐには日本軍性奴隷という表現が刺激的、または心地悪く感じられるかもしれないが、日本軍によって強制的に連行されて過酷に性暴行にあわざるを得なかった歴史的事実が日本軍の制度的かつ組織的な犯罪であることをよく表現できるように言葉を正す必要がある」

言いたいことは分かるけど、どっかで一度、区切ったほうがいい。
一文に内容を詰め込みすぎだと思いますよ。

 

それはいいとして。
たしかにあの時代、親に売られてしまい、本人の意思に反して慰安婦にされてしまった気の毒な人はいた。
でも、日本軍が朝鮮の女性を強制連行した、という事実はない。
その根拠がないのだから。

 

今回と次回で、この議員の言葉を掘り下げて考えていこうと思う。
これはこの議員だけが持っている特殊な考え方ではない。
今のふつうの韓国人が慰安婦に対して持っている常識でもある。

 

 

韓国の議員はこう言っている。

「日本軍によって強制的に連行されて過酷に性暴行にあわざるを得なかった歴史的事実」
「日本軍の制度的かつ組織的な犯罪である」

でも、当時の慰安婦の言葉はこれを否定している。

日本人戦争捕虜尋問レポート No.49から浮かび上がる慰安婦の生活は、今の韓国社会で信じられているものとはまったく違う。

この資料は前にも紹介したことがあるけれど、初めてこの記事を見る人もいると思う。
とても大切なものだから、くり返し触れていきたい。

第二次世界大戦中にアメリカ軍がつくったこの報告書について、ウィキペディアにはこんな説明がある。

1944年10月1日付けで、戦争捕虜となった慰安婦聴取をおこない本報告書を作成した。 日本軍慰安婦の暮らしぶりや待遇などが報告されている

この報告書は、「その時代、その場所での慰安婦の証言」だから信頼性がとても高い。
戦後何十年もたってから別の場所で得られた証言よりも、信用性があり真実に近い。

 

ビルマのミッチーナでアメリカ軍に捕らえられ尋問を受ける慰安婦。(1944年8月14日)
(ウィキペディアから)

 

慰安婦たちがそこでの生活をこう語っている。

they had plenty of money with which to purchase desired articles. They were able to buy cloth, shoes, cigarettes, and cosmetics

While in Burma they amused themselves by participating in sports events with both officers and men, and attended picnics, entertainments, and social dinners. They had a phonograph and in the towns they were allowed to go shopping.

Japanese Prisoner of War Interrogation Report 49

これを読むと、ここでの慰安婦たちはたくさんのお金(plenty of money)を持っていたことがわかる。
そして、服・靴・タバコそれに化粧品など、自分が欲しいものを買うこともできた。

さらに慰安婦は、日本兵とスポーツ・イベントに参加したりピクニックに行ったりもしている。
レコードプレーヤー(phonograph)を持っていて、買い物に出かけることも認められていた。

 

ミャンマー

 

「日本軍によって強制的に連行されて過酷に性暴行にあわざるを得なかった歴史的事実」

韓国の議員はこう言ったけれど、当時の慰安婦の証言はこれとまったく違う。
もちろんこれは、ビルマのミッチーナでのことだから、「すべての慰安婦の生活がこうだった」ということはない。

でも大事なことは、客観的で信頼性が高い証言を取り上げることだよね。
「その時、その場所で」という同時性と現地性の2つの条件を満たした証言がもっとも真実に近い。

あいまいな情報に振り回されないように、自分が得た情報は「いつどこのものか?」ということをしっかり確認したほうがいい。

 

でも残念ながら、これが通じない人がたくさんいるんでやんす。
先ほどの韓国の議員にように、「日本軍によって朝鮮の女性は強制連行された」「過酷に性暴行にあわざるを得なかった(性奴隷だった)」と信じている人が日本にもいる。

そうした人たちに上の史料を出しりして、「強制連行説と性奴隷説が事実という根拠は何ですか?」と聞くと、こんなコメントが返ってきやがります。

・愚かです。貴方のような日本人が日本の評価を下げています。
・いま私達日本人にとって重要な事は、韓国国民の気持ちです。
・終戦時、大量の公文書が焼かれました。もちろんこのようなことはどの国においても行われました。

・日本軍が、中国、朝鮮半島だけでなく東南アジアや欧米豪各国から東南アジアに来ていた女性まで、性奴隷にしたのは明白な事実です。
・書類の証拠が少ないのは、日本軍や日本政府が恥だからと証拠を隠滅したのです。(書類や写真ありますよ。)
まあ、どうせ、いくら正論を言ってもレイシストの脳ではわからないと思います。
・韓国の悪口を書くべきではありませんね。

 

結局、根拠は何も出てこない。

”信念”で信じていれば、具体的な証拠はいらない。
信仰の世界では事実が否定されてしまう。
先ほどの韓国の議員も、きっと同じ信仰に生きている。

 

ミャンマー(ビルマ)

 

京畿道(キョンギド)の議員の言葉は、慰安婦の証言よって否定されてしまった。

それともう1つ書きたいことがある。

実は韓国政府も「慰安婦=性奴隷」を”否定”しているのだ。

そのことは次回で。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。