3月1日は、日本では「デコポンの日」でアメリカでは「豚の日」。
でも、韓国の3月1日はちょっと違う。
1年のうちで、韓国社会がもっとも「反日的な空気につつまれる日」のひとつだ。
それは、今から99年前(1919年)に、日本の支配からの独立を求める「3・1独立運動」がおこなわれた日だから。
日本に反対する運動が起きた記念すべき日で、この日は「反日記念日」になる。
韓国では毎年この日に、大統領が記念式典で演説をおこなっている。
国内の反日感情にこたえたスピーチだから、日本にとってはハッピーな内容ではない。
この「3・1スピーチ」では、大統領が印象的な演説をすることが求められる。
その点で、2013年3月1日におこなった朴槿恵(パク・クネ)大統領の演説はかなりの成功をおさめた。
今でも日本のネットで見かける、「千年恨」という言葉が生まれたのはこのときだ。
記念式典で朴大統領はこう言った。
「(日本と韓国の)加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」
今に伝わる「日本を千年恨む(千年恨)」が誕生した瞬間だ。
これが韓国国民の心をつかむ。
多くの韓国人がこの言葉に共感して、「千年恨」は社会現象になった。
その後、韓国内では「千年恨」という言葉がブームとなり、韓国・北朝鮮連合軍による対馬「奪還」作戦を描いた小説『千年恨、対馬』がベストセラーとなった
「ウィキペディア」
「千年恨」はこの年の流行語大賞にもなっている。
そんな朴大統領はいま、「朴被告」になっている。
先日、検察が朴被告に懲役30年を求刑したことをニュースで見た。
「time flies(光陰矢のごとし)」で、韓国社会では時の流れがとても速い 。
韓国の人たちは「千年恨」という言葉に大よろこび。
でも日本人はドン引き。
JBpressの記事(2014.8.25)は、このときの日本の空気をよくあらわしている。
われわれの回答は1つしかないだろう。「じゃ、1000年待っています。それまでお好きにどうぞ」
「千年恨」に付き合ってはいられない
実際、このときネットにはこんな書き込みがたくさんあった。
「では、千年後に会いましょう」
「千年でいいんですか?延長してもいいですよ」
「『日本を千年恨む』とか言う韓国とは、もう付き合っていられない」と思った人は多い。
その気持ちは、いまの日本人にも分かるはず。
さて、今年の「3・1スピーチ」では、文大統領の口からどんな言葉が飛び出したのか?
昨日の「3・1スピーチ」で、文大統領は慰安婦問題について「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない」と国民に強く訴えた。
相変わらずの「日本=加害者、韓国=被害者」という韓国設定。
でも、それはそうだろう。
朴大統領が「1000年の歴史が流れても変わることはない」と言ってから、まだ5年しかたっていないのだから。
ただ一言いっておけば、慰安婦問題については2015年に日韓両政府が「最終的、不可逆的な解決」で合意している。
自分たちが解決を確認しておいて、今になってから「まだ終わっていない」なんて言い出しても、だれも相手にはしない。
せめて千年後に言ってほしかった。
さらに文大統領は、慰安婦問題について「反人道的な人権犯罪行為」と言って日本政府を批判している。
「人権犯罪」という言葉はちょっと新しい。
この言葉は初めて聞いた気がする。
文大統領は慰安婦問題をとくに重視していて、「不幸な歴史であればあるほど、その歴史を記憶し、その歴史から学ぶことだけが本当の解決だ」と述べた。
この言葉について、時事通信の記事(2018/03/01)はこう指摘している。
慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に直接言及しなかったが、「最終的、不可逆的な解決」をうたった合意を真っ向から否定する発言だ。
慰安婦問題「『終わった』と言うな」=文大統領、竹島でも対日批判―日韓合意を否定
先ほどの「日本が『終わった』と言ってはならない」と発言したことと考え合わせて、「反日姿勢は絶対に変わらないぞ!」という、文大統領の強い意思があらわれていると考えていい。
読売新聞は社説で、文大統領の反日を「体質」と表現している。
文氏が慰安婦問題について、「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない」と強調したことには驚かされる。
文大統領演説 歴史を歪曲する「反日」体質
文大統領の反日スピーチには、日本でもいろいろな反応があった。
別の機会に1つの記事にしたいと思う。
これは中国の少数民族のひとつ「鮮卑族」の衣装。
韓国の韓服と似ている。
個人的には、今年の文大統領による「3・1スピーチ」は予想の範囲内すぎて、意外性に欠けていた。
文大統領は今年1月に、「慰安婦問題は、日韓合意で解決したことにはならない」とすでに言っていた。
今回の演説もこの考え方と同じ。
「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない」
「反人道的な人権犯罪行為」
こんな言葉で日本を非難していたけれど、3月1日の「反日記念日」なら、これぐらいの強い表現を使うことは当然だろう。
この日は、いつも以上の”反日テイスト”が求められるのだから。
文大統領は慰安婦問題のほかにも、竹島(韓国名は独島)問題でも日本を「帝国主義による侵略に対する反省を拒否することに他ならない」と非難している。
これも予想の範囲内で、驚きはない。
やっぱり、朴元大統領の口から飛び出した「千年恨」のインパクトにはかなわない。
でも、”勝負”はきっと来年だ。
来年は、「3・1独立運動」が起きた年から100周年の記念すべき年になる。
そのときのために、文大統領は今年のスピーチは「ひかえ目」にしたのだと思う。
文大統領が本気を出すのは、2019年の「3・1スピーチ」だ。
はたして、文大統領は「千年恨」を超えることができるのか?
でもその前に、来年スピーチをするのは文氏だろうか?
いくら「time flies(光陰矢のごとし)」で変化の激しい韓国でも、来年の今ごろには「被告」になっていることはないと思うけど。
こちらもどうぞ。
確かに千年恨よりはインパクトは弱いとは思います。しかし日韓の合意が成立した後の出来事と考えると日本にとっては千年恨の比ではない言葉だと思います。トルコとギリシャの関係が頭に浮かびますが戦後補償などを考えると異常な事態です。製品管理でもそうなのですが性善説は危険です。性悪説に基づいた対応をすべきです。極端な話、韓国を嘘つきの国と海外、国内宣伝工作を盛んにするか、断交をするかぐらいしないと変化は起こらない。率直に時が解決する事はないでしょうから。
ことの重大さでは文大統領のほうが重いですね。
ただ、文大統領は去年からずっと同じことを言っています。
その意味で新しさはありません。前から反日的な言動が多いですから。
日本政府はくり返し「韓国は合意を履行してほしい」とくり返し言っています。
「嘘つき」とは言いませんが、間接的に「韓国は約束を守らない国」と国際社会に言っているようなものですね。
問題は、日本の国民の多くがこのことを知らないことでしょう。
文大統領の言動を多くの人に伝えることが大事だと思いますよ。