「乃木坂46」のノギは乃木希典から。明治の男気を知ろう

 

はじめの一言

「彼らはあまり欲もなく、いつも満足して喜んでさえおり、気分にむらがなく、幾分荒々しい外観は呈しているものの、確かに国民のなかで最も健全な人々を代表している。このような庶民階級に至るまで、行儀は申分ない(ブスケ 明治時代)」

「逝きし日の面影 平凡社」

 

白川郷

 

今回の内容

・「乃木坂46」の「乃木」
・敗者の名誉を守る「明治日本人の男気」

 

・「乃木坂46」の「乃木」

今の日本人が「ノギ」と聞いたら、多くの人が「乃木坂46」を思い浮かべると思う。
それはいいけど、それだけじゃちょっと残念。

ちなみに江戸時代、乃木坂は「幽霊坂」と呼ばれていた。
それは置いといて、日本人として乃木坂の「乃木」の意味は知っておいてほしい。
これは明治時代、世界から賞賛された軍人「乃木希典(のぎまれすけ)」からつけられた地名だ。
明治天皇に殉死した乃木を悼んで、赤議会が「乃木坂」とした。

では、乃木希典とはどんな人だったのか?

 

乃木希典(大連の博物館)

 

明治時代の軍人だった乃木希典は、日露戦争に行く前に妻にこんなことを言っている。

自分は、生命も時間も考えも、すべて、陛下と国家に捧げているのだから、些しの私情もこの間にはいってはならないと申しました

「乃木大将と日本人 (S・ウォッシュバーン)」

実際の乃木希典もこのとおりの人。
たとえばこんな話がある。

日露戦争のとき、明治天皇が「戦場にいる兵は冬でも火鉢なんてつかっていない」と宮中の火鉢(ひばち)をなくしている。

それを聞いて驚いた乃木希典も、使っていた火鉢をすべて撤去している。

 

火鉢のない冬の満州は寒そうだ。
これは北海道だけど。

 

・敗者の名誉を守る「明治の日本人の男気」

この旅順での戦いに「日本が勝った」と明治天皇が聞いたとき、乃木にこう命じている。
負けたとはいえ、祖国のために死力をつくして戦った相手には武人としての名誉を大切にするようにと。

日露戦争において旅順陥落の知らせを聞いた明治天皇の最初の発言は、降伏したロシアの将軍ステッセルの武人としての名誉を大切にせよというものでした。よかったとか、すばらしい勝利だということではなかった。敵の将軍のことを心配していたのです。これは立派な態度だと私は思います。

「明治天皇を語る (ドナルド・キーン)」

 

この精神があらわれたのが旅順要塞を占領したあと、1905年1月5日におこなわれた乃木と要塞司令官ステッセリとの会見だ。
水師営というところでおこなわれたから、水師営の会見という。水師営の会見」といわれる。

天皇のお気持ちを知った乃木は敗軍の将であるステッセルに最大限の敬意をはらった。

 

水師営の会見の貴重な写真がこれ。(ウィキペディアから)

中央が乃木将軍で、右にいるのがステッセル将軍
ボクは乃木坂46は1人も知らないけど、乃木希典とステッセル将軍ならわかる。

 

IMG_6094

旅順での戦いでロシア軍を驚愕(きょうがく)させた280mm砲
(大連の博物館)

 

この会見の様子が、ウィキペディアに書いてある。

これを受けて、乃木は、ステッセリに対し、極めて紳士的に接した。すなわち、通常、降伏する際に帯剣することは許されないにもかかわらず、乃木はステッセリに帯剣を許し、酒を酌み交わして打ち解けた。

また、乃木は従軍記者たちの再三の要求にもかかわらず会見写真は一枚しか撮影させずに、ステッセリらロシア軍人の武人としての名誉を重んじた

 

「写真を撮らせてほしい」と何度もいう記者たちには、「敵将に失礼ではないか」「後々まで恥を残すような写真を撮らせることは日本の武士道が許さぬ」と一喝。

当時の世界では、勝った人間がその勝利を誇らしく宣言して、敗者を見せしめのようにする写真を撮らせることがあたり前だった。

だから敗軍の将の名誉を守る乃木のふるまいに世界が驚き感動し、賞賛した。

乃木に対しては世界各国から書簡が寄せられ、敵国ロシアの『ニーヴァ』誌ですら、乃木を英雄的に描いた挿絵を掲載した。また、子供の名前や発足した会の名称に「乃木」の名や乃木が占領した「旅順」(アルツール)の名をもらう例が世界的に頻発した。加えて乃木に対しては、ドイツ帝国、フランス、チリ、ルーマニアおよびイギリスの各国王室または政府から各種勲章が授与された

乃木に対する世界的賞賛

 

ということで、「ノギ」ときいたら「乃木坂46」もいいけど、乃木希典や明治の日本人のことも思い出してあげてください。

 

激戦の末、203高地を攻め落とした。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。