最近、イギリス人と香港人と話す機会があった。
それでこんなことを聞いてみたわけだ。
「イギリスと香港では、日本人・中国人・韓国人にはどんな違いがあると思われているか?」
イギリス人は20代の女性、香港人は30代の女性で、2人とも日本に住んでいる。
意外だったのは、答えが2人ともほとんど同じだったこと。
「イギリスでも香港でも普通の人にとっては、日本人と韓国人に大きな違いはない。でも、中国人は明らかに違う」
イギリスと香港で注目を集めるのは中国人のマナーの悪さで、日本人と韓国人は目立たない。
「中国人は信号を守らなかったり、列に並ばなかったりする人が多い。そのことは、よくネットで批判されている」とイギリス人は言う。
まー、日本でもよく聞く話だ。
香港でも、大陸からやって来る中国人のマナー違反に怒っている人は多いらしい。
香港人はこんなことを話していた。
「中国人はピクニックをすると、ゴミを持ち帰らないで、そのままそこに置いて行ってしまう。それに街中でも、ゴミをよく捨てている。香港人が中国人に注意をすると、その中国人が怒ってケンカになることもある」
とはいえ、今はだいぶマシになったと思う。
一時期は本当にひどかったから。
2014年には、地下鉄の駅や走行中の車両の中で、排せつ行為をする中国人が問題になっていた。
日刊大衆の記事(
香港鉄路公司が運営する地下鉄の駅や車両に「中国人のお客様へお願い:駅のホームや車内で大小便をしないでください!」との文面のステッカーを貼り出した。
香港の駅員も、「おしっこやうんちはトイレでしてください」というステッカーが必要になる日が来るとは、思ってなかったはず。
今でもこれは香港の地下鉄にあるのだろうか?
とにかくこんな感じで、日本人・中国人・韓国人の中では、中国人の悪評が際立っている。
日本人と韓国人はイギリスと香港の社会で、あまり存在感がない。
日本の文化やモノが好きな香港人は多いけど、普通の人だったら「日本人と韓国人の違い」なんて考えないから、よく分からないらしい。
イギリス人と香港人の話を聞いて、何かガッカリした。
とくにイギリス。
イギリスでは、日本と韓国が注目を浴びることはほとんどないらしい。
だから、日本と韓国の料理や文化の違いなんて、普通の人は知らない。
キムチや寿司が日本と韓国のどちらの食べ物かなんて、イギリス人には関係ない。
それを知らなくて困ることもない。
イギリスには、ニュースを見ない人がたくさんいるらしい。
海外のことに興味があったとしても、ヨーロッパやアメリカのことが中心で、一般のイギリス人が東アジアのことに関心を持つことはあまりない。
だから友人のイギリス人はこんなことを言う。
「イギリス人が日本人と韓国人の違いを聞かれても、どっちもよく知らないから、違いが分からない。だからきっと、『同じような人たち』と答えるか、逆に『日本人と韓国人の違いって何だ?』と聞かれると思う」
考えてみれば、日本人も同じようなものだろう。
普通の日本人が「イギリス人とフランス人の違いは何か?」「英仏の文化の違いは何か?」と質問されても、答えられない人が多いはず。
ボクのまわりの人は、ローストビーフがイギリスの料理とは知らなかった。
フィッシュ・アンド・チップスというイギリスを代表する料理を知らない人もいた。
でも日本で、そんなことを知らなくても困ることはない。
英仏に関心がない日本人からしたら、「違いが分からない。同じヨーロッパ人」という感じだと思う。
イギリス人とフランス人にしてみたら、「あいつらと一緒にするな!」となるのだろうけど。
イギリス人の話を聞いていると、イギリス社会での日本の存在感を過大評価していたと思う。
普通のイギリス人にとって、日本も韓国も関心がない。
「イギリス人は日本人と韓国人の違いを知っている」と思う方がおかしかったようだ。
フィッシュアンドチップス
タラなどの白身魚のフライにフライドポテトを添えた料理。
この前も、「イギリス人は韓国も日本も、大して関心がないんだな」と感じてしまうような出来事があった。
イギリスでおこなわれた全英オープンバドミントン選手権大会でのこと。
韓国人選手が入場してくるとき、場内の大型電光掲示板に、よりによって旭日旗が表示されてしまったのだ。
念のために言っておくと、旭日旗には罪も問題もない。
日本政府(菅官房長官)も、「旭日旗は日本で広く使用されていて、差別の象徴でない」と話している。
そのことはこの記事をどうぞ。
韓国人と旭日旗①少女時代・浜崎あゆみ・ケイティペリーの反応。
でも、韓国人の見方は違う。
韓国人は旭日旗を戦争犯罪国の旗として、「戦犯旗」と呼んでいる。
ナチス=ドイツの「かぎ十字」と同一視することも多い。
そんな韓国が国際大会で、韓国の国旗(太極旗)ではなく旭日旗を表示させられて、黙っているわけがない。
韓国のバドミントン協会はすぐに抗議した。
中央日報の記事(2018年03月30日)から。
バドミントン協会は26日「この競技は全世界で生中継され、これを視聴していた数多くの韓国のバドミントンファンたちが失望した」とし「主催側と英国バドミントン協会の明確な状況説明と公式的な立場を求める」という書簡を送った。
これは重要なスポーツ大会だから、複数の人間がチェックしているはず。
何をどうやったら、韓国の国旗と旭日旗を間違えてしまうのかが分からない。
結局イギリスには、日本にも韓国にも興味がない人が多いということなんだろう。
韓流はヨーロッパでも大ブームと聞いたのだが?
普通のイギリス人と香港人には、日本人と韓国人の違いがあまり分からないらしい。
でも、日本に住んでいて韓国に旅行したことがある友人は、その違いを感じている。
イギリス人の友人はこんなことを言う。
「韓国人は、日本人ほどサービスが良くない。コンビニでもレストランでも、日本人のような礼儀正しさはない。でも、イギリスの店員もそんな感じだから、気になることはない。むしろ、日本人のサービスの良さが異常。街全体を比べたら、韓国の方が雑然としていて、ゴミもよく落ちていた。日本との違いを感じたのはトイレ。でもそれも、日本のトイレがきれいすぎるだけで、韓国のトイレも街もイギリスとそれほど変わらない」
話を聞いていると、韓国の人や社会は、日本よりもイギリスに近いような気がする。
2017年に韓国に行った香港人も、同じことを話していた。
「韓国のサービスは日本ほどではないし、街やトイレも日本に比べたら汚い。でも、香港も似たようなものだから、気にはならない。どっちにしても、中国に比べたら天国」と話した上で、こんなことを言う。
「韓国では、中国人を嫌っている人が多いと思う。ホテルのフロントで、私が香港人だと分かると、スタッフの男性が『中国についてどう思うか?』と聞いてきた。『正直言って、あまり好きではない』と私が言うと、その韓国人も『オレもだ!ここに泊まる人が香港人で良かったよ』と言っていた。彼からは、いま中国が韓国にひどいことをしているから、中国人を嫌いな韓国人が増えていると聞いた」
これは韓国人の話だけど、これと同じ思いの香港人は多いはず。
一般的にはイギリス人も香港人も、日本人と韓国人の違いなんて分からないらしい。
でも、日韓の両方を知っている人は、その違いを感じている。
おまけ
日本に住んでいる外国人が、日本とアメリカやカナダのレストランの違いを動画で伝えている。
ボクはイギリスに行ったことがないからよく分からないのだけど、イギリスのレストランもこんな感じではないかと思う。
ただこの動画はきっと、一部をかなり誇張している。
韓国の店員だったら、客から何か言われるまで、スマホをいじっているかもしれない。
こちらの記事もどうぞ。
「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?
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