いま、日本を観光で訪れる中国人はメチャクチャ多い。
2017年に日本を訪れた外国人の数は約2870万人で、そのトップが中国人。
去年は約736万人の中国人が日本にやって来た。
中国人が日本を観光したら、どんな感想を持つのか?
「今はもうなくなった、古き良き中国を感じる」と言う中国人は多いという。
レコードチャイナにも、そんな記事(2017年7月19日)が載っていた。
日本を見て回った中国人が「中国で失われた素晴らしい文化が日本には残っていた」と話している。
その素晴らしい文化とは「礼儀」。
例えば、京都の嵐山観光ではこんなことがあった。
その中国人が撮影スポットで順番待ちをしていたところ、先に写真撮影をすませた日本人が「すいません」と言って頭を下げて立ち去った。
「お待たせしてすみません」という意味のあいさつだろう。
とにかく、中国人観光客はこの一言に心を打たれた。
この人は日本旅行を通じて、かつて中国が「礼儀の国」だったことを思い出す。
中国は古来、「礼儀の国」を名乗ってきた。だが優秀な文化は次第に失われてしまった。そのことを痛感させられたのが日本での体験だ。
さらに、中国で知った日本人と本物の日本人とのギャップを感じている。
どうやら「すみません」「いらっしゃいませ」が日本人の口癖のようだ。ドラマなどに登場する日本人がよく言っていてわれわれもよく知る「バカヤロウ」は誰も使っていないようだ。
でも日本にいる人間から見ると、日本人の礼儀正しさもだんだんと低下している気がしてならない。
あおり運転をして相手の車を停まらせて、ドライバーを殴りつけたというニュースを最近よく見る。
今日も読売新聞にこんな記事(2018/4/12)があった。
前を走る乗用車に後方から急接近させるなどのあおり運転をした上、追い抜いた後、無理やり前に割り込んで急ブレーキをかける妨害を繰り返し、車を運転していた40歳代男性に暴行を加えた疑い。
あおり運転で「暴行容疑」書類送検…事故伴わず
ちなみに「あおり運転をした」というだけで暴行罪が適用されたのは、北海道ではこれが初めて。
でも、日本を旅行した外国人が「日本人は礼儀正しい!」という感想を持つことはよくある。
先ほどのレコードチャイナの記事では、中国人が日本を観光して、中国から消えた「礼儀」について思いを寄せている。
中国大陸を出ることで、かつての中国を感じる中国人はたくさんいるらしい。
以前、中国人の日本語ガイドからこんな話を聞いた。
「中国の隋と唐は日本にあります。明と清は韓国にあります。中華民国は台湾に行きました。中国に残ったものは、文化大革命で中国人が壊してしまいました。だから今の中国には、古き良き中国が残っていません」
日本や韓国で、それぞれの時代の中国文化を見ることができるという。
この人は笑いながら言っていたから、これは冗談なんだろうけど、印象的な表現だったからよく覚えている。
実際、中国ではそんな言葉がよく言われているらしい。
サーチナの記事(2016-12-25)にも、中国のネットユーザーのこんなコメントがある。
「盛唐を見るなら日本に行け、民国時代を見るなら台湾に行け」、「唐は日本にあり、明は南北朝鮮にあり」といったコメントだ。中国は過去の王朝が残してきたものを現代に伝えられなかったことを皮肉めいて表現したものと思われる。
京都を歩いた中国人がこんなことを言っていた。
「京都を見ると恥ずかしくなります。中国人は中国文化の価値に気づかず、壊してばかりいました。日本に行って唐の文化を感じるというのは、情けないですよ」
おまけ
長いあいだ海外旅行をしていると「情けないですよ」というか、「あのころの日本はどこに行ったんだろう?」とガッカリすることがある。
20年ぐらい前は、海外の空港でソニーやパナソニックなどの広告をよく見たのだけど、最近はかなり少なくなっている。
韓国や中国の家電メーカーに追い出されてしまったから。
「mag2ニュース」の記事(2017.09.19)を読むと、陽はまた昇るのか不安になってくる。
日本の大手電機メーカーの衰退が止まりません。かつて高い技術力を武器に成長した勢いは見る影もありませんが、なぜ日本の大手電機メーカーはここまで落ちぶれてしまったのでしょうか?
おまけ
中国の鳳凰という街。
この街には、古き良き中国が残っている。
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