海外旅行での心配に「ぼったくり」がある。
東南アジアやインドでは「ぼったくられた!」という日本人旅行者によくあった。
もちろん、ボクも何度もやられた。
でも、日本と外国では価値観や考え方が違う。
だから、日本人が「ぼったくられた!」と思っても、現地の人はそう思っていないこともある。
値札がなく、交渉での買い物が当然の世界では、同じ商品でも人によって買った値段がちがう。
これはその国では当たり前。
インド人に聞いても、「自分が買い物をするより、妻がしたほうが値段が安くなる」と言っていた。
だから、値段が現地の人や他の外国人旅行者と違っていても、それは自分の交渉力が低かっただけで、ぼったくりではない場合もある。
とんでもない金額ではなかったら、いさぎよく「旅人経験値を積ませてもらった」と思った方がいい。
東南アジアやインドほどではないけど、韓国でも「ぼったくられた!」という日本人に会ったことがある。
鏡を見ればその日本人がいる。
つまり、ボクも韓国でやられた。
10年ぐらい前に韓国旅行に行ったときのこと。
空港からソウル市内のホテルに向かう車の中で、韓国人ガイドから名刺と地図をわたされた。
「お土産を買うときは、このお店に行ってください。私の名刺を見せたら3割引きになりますよ」
それで最終日前日、その店にお土産を買いに行った。
店に入って違和感を感じたのは、商品に値札がなかったこと。
「あ、これはダメなヤツだ」と思ったけれど、一緒にいた友人がお土産を買い始めている。
別のお土産屋に行く時間もない。
しょうがないから、そこでチョコレートや韓国のりなんかの”ド定番韓国土産”を選んだ。
店のおっさんは電卓で値引き前の金額を見せて、そこから3割引いた金額を請求する。
「ここから2~3割のお金が、あのガイドにわたされるんだろうなあ」と思いながら会計を済ませた。
でも、アヤシイこと山のごとし。
値札がない時点でまずダウト。
でも、化粧品やのりなどのおまけはムダにたくさんくれた。
その店からホテルに戻るとき、別の店で同じ商品を見つけた。
そこには値札がある。
先ほどの店で3割引きしてくれた値段は、その店の1.5倍。
つまり、普通の店なら1000円のものを、ボクは1500円で買わされたことになる。
3割引きした後の価格がそれ。
ガイドと店にタッグを組んで、ぼったくられてしまった。
韓国は「ダメだコリア」と言われる理由がよく分かった。
いま韓国で、「日本人観光客が10倍もぼったくられた!」と大きな騒ぎになっている。
全国紙・中央日報では、トップ画面にその記事がある。
「訪日外国人が歴代最速で1000万人突破」の記事の下に、なんで「韓国でぼったくり」を配置したのか?
韓国を訪れた日本人2人が、有名チェーン店でチキン料理を食べて、カードで決算をした。
帰国後に確認したら、目玉が飛び出しそうになる。
約2400円分のチキンを食べたのに、10倍の約2万4千円が決済されていたから。
でもラッキーなことに、その日本人には韓国人の友人がいた。
それを聞いた韓国人が怒って、自身のブログでこの過程をくわしく説明する。
これで”事件”が発覚。
韓国のネットで大騒ぎになって、店には非難が殺到。
店側はすぐに認めて、代表者がブログを書いた韓国人に謝罪の電話を入れた。
中央日報の記事(2018年05月18日)から。
「加盟店の教育を間違って行った本社の責任が大きい」と謝罪し、当事者である日本人にも電話をかけて謝ったという。間違って決済されていた22万3500ウォンは16日午前、全額払い戻しされた。
「全額払い戻しされた」とあるけど、これ、日本だったらどうだろう?
全国展開しているチェーン店がミスを認めたら、迷惑料としてチキンの2400円分はタダにして、24000円を客に戻すと思う。
それにプラスして無料クーポンぐらいつけるだろう。
「教育を間違って行った本社の責任が大きい」と言いながらも、食事代を差し引いた額を客に戻すというのが韓流なんだろうか?
とにかく、店側はわびを入れて全額払い戻した。
日本人もそれを受け入れて、この騒動はこれで終わり。
ちなみに店側の説明では、これは”ぼったくり”ではない。
「ショップでは一時的にインターネットの接続ができなくなり」ということがミスにつながってしまったという。
韓国のフライドチキンはおいしかった。
ビールとの組み合わせを「チメッ」という。
チキンとメッチュ・ビールでチメッ。
店がミスを認めて返金したことで、”ぼったくり事件”は終わったには終わった。
だけど、この過程をもう少しくわしく見ていくと、店側の見せた誠意がヒドイ。
*以下、金額の「約」は省略。
24000円から2400円のチキン代を引くと、2万1600円になる。
でもこの店は、友人の韓国人のに「2万円を振り込む」と言う。
では、1600円はどこへ行ったのか?
「それはおかしい」と韓国人が言うと、店は「為替レートの変化と手数料のため」と説明する。
店側は、為替レートの差額と振込手数料を客に負担させるつもりだったのだ。
ここは韓国で有名なチェーン店だから、何人もの責任者がこの手続きを確認しているはず。
「加盟店の教育を間違って行った」という本社もいろいろ間違っている。
レコードチャイナの記事(2018年5月18日)では、これを知った韓国人ネットユーザーは店に怒りをぶつけている。
「詐欺だな」
「誤って入力したのが問題ではなく、事後の処理が問題なんだ」
「為替レートとか手数料とか、全く何を言っているんだ」
「自分たちの誤りなのに、手数料を被害者に負担させようとは、どんな考えをしているんだ」
「国の恥さらし」
日本人観光客からぼったくり?10倍の値段を請求した韓国のチキン店に批判殺到
今回の件は、ぼったくりではなくて、ミスだったかもしれない。
この日本人には韓国人の友人がいたから良かったけど、そんな日本人ばかりではない。
もしソウル旅行でぼったくりにあってしまったら?
ソウル市が外国人観光客に「ぼったくり被害を保障するサービス」をしているから、そこでお金を返してもらうのも一つの手だ。
ソウル市公式ホームページの観光苦情処理センター
「ぼったくり被害補償サービス」にはいろいろな条件があるから、それは自分で確認してほしい。
それにしても、ぼったくり被害をソウル市が現金で返すというのがすごい。
さすがダイナミック・コリア。
日本の自治体にはない発想と行動力だ。
外国人観光客のぼったくり被害を市民の税金で補償するというのは、日本ではムリ。
でもこれはしかたない。
韓国では今までに、いろいろな対策をしてきたけど、ぼったくりはなくならない。
このへんはダメだコリア。
それでも外国人観光客に”韓国の誠意”を見せようと、ソウル市が考えた出した答えがこれ。
これ以上の案は、いまの韓国にはない。
おまけ
韓国観光を㏚する動画
Imagine your Koreaから。
でも、日本人観光客がイマジンしたいのは、ぼったくりのない韓国です。
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韓国人の敵は韓国人!外国人観光客へのぼったくりに大統領も動く
ぼったくり被害補償とは恐れ入った。
立証が難しい案件もありそうだし、
微妙なところだね。
ぼったくりは韓国の滅ぼすべき敵ですから。
当局に苦労しています。この補償がどのくらい有効だったかはわかりませんが。