訪日中国人の「日本が好きな30の理由」。空気・治安・料理…

 

今年2月、中国の春節(正月)に海外旅行をした中国人の数は、過去最高の約650万人。
中国ではいま、お金持ちがどんどん増えている。

このときの旅行先で人気トップ3は

1位 タイ
2位 日本
3位 シンガポール

という順だった。

では、訪日中国人は日本のどんなところが気に入ったのか?

中国メディアの東方網が「これが、私が日本を好きな30の理由だ」という記事を載せている。
まずは10個を見ていこう。
*見方を変えたら、この逆が中国になる。

「環境が良く、空気がキレイ」
「路面が非常に清潔で、白い靴を履いていても簡単には汚れない」
「礼儀正しく秩序があり、自覚をもって列に並ぶ」
「コンビニがありとあらゆるサービスを提供している」
「トイレが無料なのに清潔で、ペーパーまで備え付けられている」
「寺社仏閣が多く、無料で参拝することができる」
「自動車が人に譲る」
「日本人は外でケンカすることが少なく、穏やか」
「街頭でティシュペーパーを配っている」

 

「空気がキレイ」ということについては、数年前、中国旅行で会った日本人旅行者がこんなことに驚いていた。

「中国の大気汚染ってすごいですね!1日で鼻くそが真っ黒になりました。日本の1か月分じゃないですか?」

知るか。
また、中国旅行でお世話になった日本語ガイドは、これと反対のことを言う。

「日本は本当に空気がキレイですね。中国で大気汚染が問題になっていたとき、日本旅行の添乗員として、日本へ行くのが楽しみでした。思いっきり空気を吸って、体中をキレイにしてました」

当時はこんなデトックスがあったらしい。
いまの中国の大気汚染はどれぐらいだろう?

 

中国の都市部では、青空が見えないときもあった。

 

中国人が日本を好き理由を続ける。

「非常に多くのファッションスタイルがある」
「ズボンのポケットに財布を入れていても盗まれる心配がない」
「財布を落としても、高い確率で戻ってくる」
「化粧品が廉価でとても使いやすいうえ、安心」
「中国から近いので、子どもや高齢者でも安心」
「ショッピングセンターの子ども向けトイレの充実ぶりがすごい」
「寺社を含め、自由に撮影できる場所が多い」
「以前に比べてビザが取りやすくなった」
「短期滞在であれば、消費税の免税優遇が受けられる」
「銀聯カードが使えるうえ、割引サービスが得られる」

 

「治安がいい」ということについて言えば、前に香港人からこんなことを聞いた。

「これが香港のバッグです。ファスナーが付いていて、かっこ悪いでしょ。でも、これがないと、モノを盗まれてしまうんです。日本は治安がいいから、バッグにこんなファスナーは必要ないです。日本のバッグがおしゃれでいいなあ、と思っても、香港で使うと危ないから買えません。残念です」

これと同じことを上海の中国人ガイドも言っていた。
日本で買ったファスナーなしのバッグを持ち歩いていたら、スリにやられてしまったという。

「注意していたんですけど、上海駅ですられてしまいました。今では、安全なところに行く時しか、日本のバッグは持って行きません」

このガイドはこんなことも言う。

「盗んだのは上海人ではなくて、きっと外地人です。上海駅には外地人がたくさんいますから。あなたも注意してください」

外地人とは「よそ者」という意味で、この場合は、地方から上海に来た中国人のこと。
こういうことを当然のように言うところが、まさに上海人。

 

香港人が持っていたファスナー付きのバッグ(上から見たところ)

 

「中国人が日本を好き理由」のラスト10。

「おいしいものがたくさんある」
「何の憂慮もなくフグを食べることができる」
「無人の野菜販売所がたくさんあり、みんなちゃんとお金を入れていく」
「電車の時刻表が分単位で記載されている」
「電車やバスで、で車いすなど介助が必要な場合、事前に知らせておけばスムーズに利用できるよう準備をしてくれる」、「終電が中国より遅い」
「和服を着ることができる」
「海賊版やニセ札が少ない」
「年間を通して若い女性の生足を見ることができる」

以上、「中国人が日本を好き理由」の30点は、サーチナの記事(2018-05-29)からの抜き出しです。

日本が好きになる理由を挙げたら、30個にもなってしまった!=中国メディア

 

日本の魅力が「おいしいものがたくさんある」というのは、他の外国人も同じ。

世界でもっとも有名な日本のガイドブックに、「ロンリープラネット・ジャパン」がある。

 

この中で、「日本旅行の楽しみの半分は、日本料理を食べること」と書いてある。

「もし母国で日本料理を食べていたとしても、日本で食べる日本料理はちがう。そのおいしさにあなたはきっと驚くだろう」という。

 

日本文化には、中国由来のものがたくさんある。

でも料理はちがう。

日本料理を食べたある中国人が「日本料理は、中国料理とまったく関係がない」ということに驚いていた。
評論家の山本七平氏がこう書いている。

豆腐や味噌は中国伝来ですが、料理そのものの基本は全く違うというのです。

「日本人とは何か (PHP文庫)」

「料理に関する限り、日本人は縄文的であって中国的ではないらしい」という。
日本料理のルーツは中国ではなくて、縄文時代の森にあるのだろう。
例えば、”旬”の考え方とか。

 

先ほど「無人の野菜販売所がたくさんあり、みんなちゃんとお金を入れていく」とあった。

アメリカでは無人販売所を「honesty box」という。
正直や誠実が試される箱。

その「honesty box」を中国で置いたらどうなるか?
興味があったら、この記事をどうぞ。

中国人観光客の増加①マナー違反に迷惑する日本人/誠実さの違い。

まあ、予想どおりです。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

世界の中の日本 目次

多文化共生社会 目次

在日アメリカ人の話②日本人で不快なこと・治安・恋しいモノ

日本 「目次」

中国 「目次」

 

2 件のコメント

  • 白タクと違法民泊だけはやめてほしいです。
    大声などは慣習の違いもありますから一定の許容範囲で対応出来ます。しかし違法行為と知っていて行う行為は日本への悪意に他なりません。国保を使っての医療ツーリズムは日本国内の法整備の不備が原因で、気分は悪くとも外国の方々に不満を言うのは違いますから。

  • >白タクと違法民泊だけはやめてほしいです。
    それは賛成です。
    日本に来る外国人も文句を言うことはいいことだと思います。
    最近ネットでは、「中国人観光客のマナーが前より良くなった」という声を見るようになりました。
    日本人が積極的に不満の声を上げたことで、中国の上のほうが動いたのだと思います。

    「医療ツーリズム」のことは近々書くつもりです。
    これは外国人に文句を言っても仕方ないですね。
    日本の整備を変えないと。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。