さいきんニューヨーク出身のアメリカ人と話す機会があったから、今回は、そのときの内容を書いていこうと思う。の第二弾。
前回はこれ。
そのアメリカ人は日本に15年以上住んでいる男性で、日本の社会や人をよく知っている。
・「日本人は冷たい。」ということについて。
世界的に見て、日本人は見知らぬ人にとても冷淡ということが判明。
*くわしいことはこの記事をどうぞ。
【144カ国中142位】昔から他人に冷たい、関わりたくない日本人
「親切な国ランキング」で日本がワースト3という結果に彼もビックリ。
日本人は対人関係で距離を置くから、「半分より少し下ぐらい」と思っていた。
でも、アメリカが上から10位というのは納得。
彼は1位をオランダと予想したけど、じつはリビアだった。
2位のイラクと合わせて、「なんだその結果は?すぐに射殺されそうだけどな」とのこと。
・日本人の習慣で不快なこと
以前、日本の中学校で英語を教えていたアメリカ人女性が、職員室の給湯室で先生が歯磨きをしているのを見て、「歯磨きはトイレでするべき。あれは失礼」と怒っていた。
公の場での歯磨きは、日本人の間でも賛否が分かれている。
これについて彼も不快に思うかきいてみたら、「時と場所による」と言う。
歯磨きは基本的にはトイレでするべきだと思うけど、日本はせまい。
時間がなくて急いでいるときは、公の場でしても仕方ない。
オフィスで隣の席で歯を磨いていたら別だけど、給湯室なら自分は気にしない。
ボクが「公の場で歯磨きはするのは、『アメリカ人には』失礼なことなのか?」ときいたら、その質問の仕方はよくないと指摘された。
アメリカには白人・黒人・ヒスパニック、キリスト教徒・イスラーム教徒・ユダヤ教徒など世界中の人種や宗教の人がいるから、1人や2人の事例で「アメリカ人は~」とひとまとめにすることはできないという。
・麺をすする音については?
もう慣れたから、日本人がラーメンをすする音を聞いて不快になることはほとんどない。
でも、1~2割の人は本当に大きな音を立てるから、それが気になることはある。
日本人が麺類をすすることより、鼻(水)をすするほうが嫌い。
あの音には慣れることができない。
ある企業で社員6人に英会話のレッスンをしていたとき、30代の男性社員が何度も鼻をズルズルしていた。
そのときはガマンできなくなって、便所に行ってトイレットペーパーを丸ごと1つ持ってきて、「これを使えよ」とその社員の目の前に置いてやった。
ただ、日本人は「外国人が嫌いなこと」に敏感だと思う。
「ヌードルハラスメント」なんて和製英語があるけど、日本に来る外国人は日本人が思うほど気にしていないと思う。
一度中国に行ってみればいい。
そこら中に痰(たん)を吐く人を見たら、日本で文句を言う気にはならないから。
・アメリカについて恋しくなるものは?
日本で生活していて恋しくなるのはベーグル。
「アメリカの」というより、ニューヨークのベーグルが食べたくなる。
もちろん日本にもベーグルはあるけど、「ノット・バッド」というレベルでニューヨークの専門店とはやっぱり違う。
・リサイクルショップについて
アメリカには「グッドウィル」という有名なリサイクルショップがある。
といっても商売が主な目的ではなくて、チャリティー団体のようなもの。
衣類などをそこに寄付して、グッドウィルのレシートをもらう。
それがあると税金の控除ができる。
・ニューヨークの治安について
日本での生活ですごくいいところは治安がいいこと。
銃で撃たれる危険性がない。
60~70年代のころ、ニューヨークの治安は本当に悪かった。
ミドルクラスの人たちがニューヨークから出て行って、金持ちと貧しい人たちがたくさん住んでいた。
でも仕事や警察官を増やしたりして、少しずつ街は良くなった。
前は地下鉄の車両に落書き(graffiti)がたくさんあったけど、いまではすっかりなくなった。
ニューヨークの治安についてくわしいことはここをどうぞ。
社会学者や犯罪学者の間では、なぜニューヨークの犯罪発生率がこれほど劇的に減少したのかについて、意見の一致は見られていない。CompStatや割れ窓理論といったニューヨーク市警察のとった新しい戦術の功績であるとする者もいる一方、クラックブームの終焉や人口の変動によるものだとする者もいる。
> 「公の場で歯磨きはするのは、『アメリカ人には』失礼なことなのか?」ときいたら、その質問の仕方はよくないと指摘された。・・・1人や2人の事例で「アメリカ人は~」とひとまとめにすることはできないという。
その回答は、リベラル系ミドルクラスの米国人が返す、典型的な感情的反応だと思いますね。つまり、自分は他人と同じであると思われたくない、一見すると多民族国家の現状を受け入れているようなフリをして、裏に秘められたエリート意識、間抜けな質問をする外国人を正してやろうとする意識が感じ取れます。おそらく、本人も、反射的についうっかりしてしまった返答の途中ですぐに気づいただろうとは思いますが。
米国人は考え方が多様であるからその質問に一般的な回答はない、あるいは自分が知らない、というのであればそのように答えればいいのです。それをまず、質問した相手に対して「質問の仕方がよくない」とは、非常に思い上がった、相手を見下した答え方だと私は思いますね。さすがは米国人だ。
このアメリカ人がどういうつもりで言ったか分かりませんが、その場はマクドナルドでわりと気軽な雰囲気でしたから、深い意味はなかったと思います。
もちろん受け止め方は人それぞれですけど。