はじめの一言
「日本人は、不思議と美しさやかわいらしさを見極める目とそれを愛する心を持ってきたようにおもわれる (イザベラ・バード 明治時代)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
今回の内容
・日本はスペシャル!
・日本人は働きすぎ
ベトナム人の友人が旅行で日本に来た!
ということで、前回に続いてその子から聞いた「ベトナム人が見た日本」を書いていきます。
・日本はスペシャル!
ベトナム人の友人と話をしているとき、彼女はよく「日本はスペシャル!」と言っていた。
「日本は本当にすごい!駅もトイレも街中どこでもきれいです。安いレストランに入っても清潔で食べ物もおいしい。それに電車の時間の正確さ。1分の遅れもなく電車を運行するというのは、ベトナムではムリですね。日本にあるものは全部スペシャルですよ」
絶賛じゃないか。
「この後に何かを要求されるんじゃないか?」と不安になったけど、そんなことはなかった。
「でも私は日本に住みたいとは思いませんね。すべてにおいて高い質を維持するためには、本当に一生懸命働かないといけませんよね?日本人は働きすぎると思いますよ。日本で働いているベトナム人の友人もそう言ってました。日本人はいつも夜遅くまで会社にいて仕事をしてますし、仕事のために家族との時間を犠牲にすることもよくあるそうですね」
そのへんは会社によってちがうけど、外国人からみたら「日本人は働きすぎ」に見えることはあると思う。
「それぐらいがんばって働いているから、日本は何でも一流だと思います。でも私だったらそこまで働きたくないです。疲れてしまいますからイヤですね」
このとき彼女と東京のカフェで話をしていた。
となりのテーブルを布巾でふいている店員を見て、彼女はこんなことを言う。
「あのテーブルは、じゅうぶんきれいじゃないですか。布巾でふく必要がありますか?日本人は客がいなくても仕事を見つけてやります。ベトナム人だったら客がいなくなったらおしゃべりを始めてますよ」
そう言って笑う。
どうだろう?
ベトナムだったら、客がいても店員はおしゃべりをするような気がする。
なんなら、店員が客とおしゃべりを楽しむかもしれない。
それはともかくとして、彼女は日本が好きだけど日本では働きたいくなという。
「日本はサービスも物の質も最高ですけど、そのためには猛烈に働かないといけません。私はそこまで働きたくないです。ベトナム人だったら、日本人ほど質の高さや清潔さを必要としません。だから日本人ほど一生懸命には働きませんけど、私にはそれが楽です。自分の人生を楽しみたいです」
彼女と似たことを、カンボジア人の友人も言っていた。
「日本の電車やバスは、本当に時間厳守でびっくりしました。カンボジアにはバスの時刻表なんてありません。でもカンボジア人なら、そこまでの時間の正確さはいりませんね。10分や20分遅れたってだれも気にしません。バスが来るまでまわりの人とおしゃべりしながら、のんびり待っていればいいんですよ」
ボクは日本での時間厳守の感覚になれていて、それをもとに行動の予定を立てるから、1分単位の正確さでバスや電車が走っていることは良いことだと思っている。
でもそれが当たり前になって、電車の到着時間が5分遅れただけで怒りだすのはいただけない。
タイのツアーバスの運転手
客がバスにいない間は、ハンモックにゆられてスマホをいじっている。
東南アジアの人なら、これぐらいの仕事のゆるさがちょうどいいんだろう。
彼女の話を聞いていると、「日本は何でも最高品質!」なんて喜んでいる場合でもないと思う。
高い質やサービスを客に提供するためには、当然それに応じた労働が必要になる。
外国人の目から見たら、それが「働きすぎ!」と映ることもある。
日本では、「過労死」が深刻な社会問題になっている。
亡くなるまで働くことは、海外ではほとんど例がないという。
日本で起きているこの状態が欧米には無い特異な状態、日本独特の異常な状態、いかにも日本的な現象として報道された
(ウィキペディア)
今では、この過労死が「KAROSHI」として英語になっている。
日本では「過労死 karoshi」という表現で呼ばれていることが欧米で知られるようになり、英語やフランス語でも「karoshi」や「karōshi」と音写するようになった。
今では「KAROSHI」は英語の辞書や他言語の辞書にも掲載されている。2002年には、オックスフォード英語辞典にも掲載された。これは過労死が日本の労働環境を表すと同時に、日本以外の世界にも広がっている働きすぎに起因する健康破壊を端的に表す言葉になってきたことである
(ウィキペディア)
日本が世界に広げたいのは日本の文化や食べ物で、こんな言葉ではなかったはず。
外国人の話を聞いていると、働き方や人生の楽しみ方について考えてしまうことがある。
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