韓国の反日、東南アジアの反ヨーロッパ感情が違う理由(植民地)

 

はじめの一言

「一部の学者は日本の文化と中国の文化を極東文明という見出しでひとくくりにしている。だが、 ほとんどの学者はそうせずに、日本を固有の文明として認識し、中国文明から派生して西暦100年ないし400年の時期にあらわれたと見ている」

(文明の衝突 サミュエル・ハンチントン)

 

額の文字は空海がかいた。

 

今回の内容

・韓国と東南アジアの「反」のちがい。
・残念ながら、それは認められなかった。
・韓国と東南アジアの国々の原点

 

・韓国と東南アジアの「反」のちがい。

こんな疑問を感じたことがない?

インド人にきいても、植民地支配していたイギリスに対してほとんど怒りはない。
ベトナムやラオスなど東南アジアの国でも、植民地支配していたフランスやイギリスに対して反省や謝罪を要求していないし、英仏の国への反感が小さい。

 

それ対して、韓国は日本に対して何度も反省や謝罪を要求する。
反日感情がとても強い。
この違いはなんでうまれたのか?

そんな韓国と東南アジアの温度差について、疑問に思ったことはないですか?

 

 

その答えはこれ。

「東南アジアの国々は、植民地支配していた国と戦って自分たちの力で独立を達成したから」

この経験があるかないかというのは、決定的なちがいになる。

ベトナムやインドネシアは戦って独立を勝ちとった。
でも韓国にはその経験がない。
そのことは、前回の記事でくわしく書いたから興味がある人はみてください。

 

現実的に、もう韓国は日本と戦うことはできない。
だから、その代わり(?)に、サッカーで日本と戦うことに熱狂する。

 

 

さらに、今まで書いてきたことをジャーナリストの池上彰氏もきょねんテレビ番組で言っていた。
韓国が独立したことを「棚からぼた餅式」と表現して韓国人を怒らせている。

Rerord Chinaの記事にそのことが書いてある。

池上氏は5日、日本のテレビ番組に出演し、日韓関係の悪化や韓国の反日感情について言及した。その際、池上氏は「韓国は反日が建国の基本精神となっている」と紹介。

「韓国という国は、韓国人が自ら戦って独立したのではなく、日本が戦争に負けて朝鮮半島を手放した後にできた国だ。

「韓国は棚からぼた餅式にできた国」池上彰氏の発言に、韓国ネット「いろんな意味で傑作」「日本全体が劣等感に包まれている」

 

自力で自国を解放したのではなくて、棚からぼた餅が落ちてくるように独立が転がり込んできた。
「そのため、韓国人は劣等感を持つようになり、日本に対して反感を持つようになった」と池上氏は説明した。

ボクもこの番組を見ていて、「棚からぼたもち」という言葉を聞いて驚いた。
言っている内容は正しいとしても、「棚ぼた」という表現は韓国人を刺激するんじゃないかなあ?と思っていたら、そのとおり。
やっぱり、この言葉に韓国人は反発していた。

でも、ネットでその怒りの声を見ていると、先ほどの記事のタイトルにあった「いろんな意味で傑作」や「日本全体が劣等感に包まれている」といったものが多い。

いってみれば、「池上さんが言ったことに対して、怒っている」というもの。

「~という理由で、池上彰さんが言っていることは間違っている」と、具体的な根拠をあげてこの意見に反論しているものはなかった。

 

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バンコクのショッピングモール

 

・残念ながら、それは認められなかった。

韓国の高校の歴史教科書には、「日本との独立戦争があった」と書いてある。
けれどそれは散発的な衝突であって、韓国以外の国で「独立戦争」と認めている国はないだろう。

それに決定的なことは、上海臨時政府(大韓民国臨時政府)を国際社会が認めたなかったこと。

8月15日に日本がアメリカに降伏して韓国が解放された。

でもその後、アメリカが交渉相手に選んだのはこの大韓民国臨時政府ではなくて日本だった。

アメリカが交渉相手として選んだのは、朝鮮総督府であり、アメリカ軍が気にしたのは、上月良夫中将の朝鮮軍管区軍(もちろん、これは日本軍)であった。

(韓国の悲劇 小室直樹)

 

もしこのときに、アメリカの交渉相手が日本ではなくて大韓民国臨時政府だったら、「国際社会は、大韓民国臨時政府を正統性のある組織だと認めていた」ということができる。

でも、アメリカは交渉相手として選ばなかった。

正式に交渉相手になること、これが重大な意味をもつのである。
なぜなら敵は、革命政権を、法的に正統な政府と認めたことを意味するからである。
また、講和のための条件について交渉するということは、合意された条件を履行する能力を有することを認められたことである。

(韓国の悲劇 小室直樹)

 

1945年8月15日の後に、臨時政府がアメリカから交渉相手とみなされなかった。
このことは、決定的だった。
というか致命的。

 

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東南アジアだけど、ヨーロッパみたい
マラッカ(マレーシア)

 

・韓国と東南アジアの国々の原点

「韓国は、日本と戦って自分たちの力で独立を達成できなかった」

いろいろな立場の専門家が、同じことをいっている。
やっぱり、これが現在に続く韓国人の反日感情の「原点」なんだろう。

 

ヨーロッパの国に植民地支配されていた東南アジアの国々とは、この原点がちがう。
くり返しになるけど、ベトナムやラオスなどは、戦いによって自ら独立を勝ちとっている。
これが、東南アジアのヨーロッパの国々に対する感情の原点になっているのだと思う。

 

KIZUNA橋(カンボジア)
日本の技術支援に感謝を伝えている。

 

おまけ

2016年9月21日、日本の稲田朋美防衛相が、ミャンマーのセイン・ウィン国防相と会談した。
このときセイン・ウィン氏は「わが国の独立の歴史において、日本と旧日本軍による軍事支援は大きな意味があった」と稲田防衛相に話す。

そのときの様子を産経新聞が次のように伝えている。

セイン・ウィン氏は「アウン・サン将軍が『ビルマ独立義勇軍』(BIA)を設立し、BIAと日本軍が英国の植民地支配を打ち倒した。ミャンマーは日本兵と日本に対し、いつも感謝している」と繰り返した。

英国による植民地統治時代のミャンマー(旧ビルマ)は、旧日本軍から支援を受けたアウン・サン将軍らが1941年にBIAを設立し、英国軍と戦って43年に「ビルマ国」として独立。その後、再び英国領となったが、48年に「ビルマ連邦」として独立した。

(ミャンマー国防相「旧日本軍の独立支援にいつも感謝」 稲田朋美防衛相と会談)

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。