あ、そうだ。
これは海外旅行のブログだった。
というワケで、たまにはそれっぽいことを書こうと思う。
テーマは、ボクが海外旅行で感じた日本とのちがい。
日本は時間厳守の国だけど、東南アジアでは、時間がテキトーでよく伸びる。
きのうの記事で、JR西日本のことを書いた。
先月5月11日に、琵琶湖線の新快速列車が25秒早く発車してしまった。
それを知ったJR西日本はすぐに、「お客様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」と公式ホームページで謝罪する。
「25秒で会社が公式に謝るのか?」と、日本の普通に世界が驚く。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
こんな感じで、日本は時間に厳しい。
でも、東南アジアはその反対。
25分の遅れでも、みんなのんびり待っている。
海外に行ったら、日本の時間を現地の時間に合わせないといけない。
これは簡単なんだけど、現地の時間感覚に合わせることがとてもむずかしい。
とくに日本人には。
ボクが旅行をしてきた東南アジアの国では、バスや電車の到着時刻があったのだけど、実際にはないも同じ。
旅行会社の看板やチケットに到着時刻が書いてあるけど、ドライバーはそれを全然守ろうとしない。
だから、その時間に着くことはない。
到着時刻は存在するけど、実現しない。
*といっても、東南アジアの中でも国によって違いがある。
これは「ソースはオレ」で、ボクの旅行経験による。
出発時刻はある。
でも、この時間には出ない。
例えば、カンボジアやラオスで、旅行会社のスタッフやドライバーに、目的地には何時に着くか聞くとする。
「17時に着く」という言葉を聞いて、そう期待していても、最近のサッカー日本代表なみにガッカリさせられる。
実際には、17時を過ぎてもバスの中。
目的地に18時や19時に着いても、謝罪は一切なし。
「17時に着って、言ったじゃないか」とドライバーに文句を言っても、「うぜえなコイツ」という顔をされるだけ。
でも、「着けばいい」ということもある。
中国を旅行中、乗ってたバスが途中で故障して、動かなくなってしまった。
そのときは、後ろから走って来た別のバスに乗り換えたのだけど、未知の街に着いてしまった。
そこでまた、バスチケットを取り直し。
こうなると、「時間に遅れた」というレベルじゃなくなる。
東南アジアやインドの到着時刻なんて、こんな感じだった。
時間は水のように流れて、どんどん遠くなってしまう。
こういう時間感覚に合わせるのがむずかしい。
でも、日本の時間はそんなことがない。
長距離バスや電車の発車・到着時刻は動かない。
だから先ほどのように、25秒でも早く時間が動いた場合には、鉄道会社は謝罪しないといけなくなる。
インドネシア人がこれにあきれていた。
ツイッターで、「日本は何なんだ!?4秒前に乗ろうとしても、ダメなのか?」と苦笑いをする。
What a shame Japan!!? Early departure for 25 second? What if I only can catch the train 4 seconds before departure!??
日本と違って、東南アジアでは、人も時間もゆるい。
インドネシアにそれを象徴する言葉がある。
それが「ジャムカレット」。
ジャムは「時間」、カレットは「ゴム」という意味で、そのまま日本語にすると「ゴム時間」。
インドネシアでは、時間がゴムのようにのびる。
17時着が18時、19時になってしまう。
日本経済新聞社の記者でジャカルタ支局長をつとめていた日本人が、そんなジャムカレット体験をしている。
あるとき、インドネシア政府の情報省から連絡がはいった。
「緊急重大発表があるから、午後4時に集まってほしい」という。
それでその日本人は、4時前には指定された場所に着いて、緊急重大発表を待っていた。
その後の時間の経過はこんな感じ。
ところがである。定刻の午後4時になっても政府要人は誰も顔を見せない。係官の説明も要領を得ない。
「30分遅れは毎度の話」と時間のルーズさに慣れている外国人記者たちもさすがに一時間二時間とたつうちにイライラが募ってきた。赤道に近いインドネシアは昼夜の時間が一年中ほぼ同じだ。それで時間まで覚えているのだが、ようやく官僚が姿を現したのは午後七時をゆうに回っていた。窓の外はもう暗い。
「ゴム時間共和国インドネシア (小牧利寿 日本経済新聞社)」
政府の公式会見でも、3時間遅れてしまう。
これがインドネシアの「ジャムカレット(ゴムの時間)」。
カンボジアやラオスも似たようなものだから、「東南アジアの時間はゴムのように伸びる」と考えていい。
でも、そんなゆるい時の流れのなかにいると、日本で時間に追われる生活に疑問をもつことがある。
「忙しい」という字は、「心を亡くす」と書く。
はたして、そんな生活が人間的かどうか。
以前、日本で英語を教えていたイギリス人が、「日本人の生徒から聞いた言葉で、忘れられないものがある」と話していた。
英会話のレッスンで、「あなたの趣味はなんですか?」と聞いたら、生徒は「寝ること」と答える。
イギリス人は冗談と思ったけど、その日本人はまじめ。
仕事で疲れるから、週末には、何もしないで寝る時間が必要と言う。
これは極端な例だけど、東南アジアを旅行すると、日本人ももう少しゆるく生活してもいいとよく思う。
タイのバス運転手
客が博物館に入っている間、ハンモックにゆられて携帯をいじっていた。
タイでこれはノープロブレム。
でも、25秒で謝罪する国なら、きっとこの人はこの日で仕事を失う。
こちらの記事もどうですか?
東南アジアの時間感覚のお話,とても面白いです。
ブログ主さんと同じ浜松出身のさくら剛さんという作家さんの旅行記がとても好きで,この『出発時間にバスが出ない,その日は結局出ないで次の日になる』『中国では飛行機も平気で出ない』とか,同じようなエピソードを言われてます。
アジアやアフリカの雑なひどい出来事を,日本人的な繊細さで突っ込んでるのがとても面白いです。
「そういうもんだ」と納得するのも良し,「おかしいだろ!」って突っ込むも良し,実際に行かれてる方のお話は同じくとても楽しませていただいてます。
面白いと言ってもらえると、うれしいですね。
ありがとう。
大変なのは日本に数年いて帰国する外国人です。
日本の時間感覚に慣れてしまうと、母国の友人の時間感覚にストレスがたまるそうです。
でも、その国ではそこの時間感覚に合わせるしかないですけどね。
ご返答ありがとうございます。
日本滞在後の外国人の方が帰国後,友達との待ち合わせ時間に自分しか来ない,とかありそうですね。
「慣れ」って結構重要なキーワードだと思います。
その通りです。
>友達との待ち合わせ時間に自分しか来ない
これが分かっているから、インドネシア人の知り合いは、約束時間を30分~1時間前にしてます。
慣れと対策ですね。