1年で1番イヤなシーズンがやってきた。
そう、TSUYU!
漢字で書くと「梅雨」。
この梅雨という漢字は、中国で生まれた中国語。
はるか昔に日本に伝わって、江戸時代のころから「つゆ」と呼ばれるようになった。
だから梅雨(つゆ)という言葉は、文字は中国語で読み方は日本語という「日中合作」だ。
「ということは、いまの中国でも梅雨という言葉を使っているのかな?」
そう思って、このまえ中国人とラーメンを食べに行ったときに聞いてみた。
「中国でも使いますよ」と彼が言う。
でも日本人みたいに、梅雨のシーズンを特別に意識することはないらしい。
日本の天気予報は「東海地方は6月6日に梅雨入りしました」と、梅雨に入ったことを視聴者に伝える。
でも、中国の天気予報はそんなことを言わない。
いつ梅雨に入ったかなんて、国民には関心がないらしい。
そんな中国人の彼からすると、天気予報で桜前線や梅雨入りを伝えることには、日本人の国民性があらわれている。
彼の意見では、日本人は四季や梅雨などで、始まりと終わりを明確にしようとするところがある。
中国人にはそんな季節感はない。
中国の場合、梅雨入り宣言というのはなく、雨が降るようになったら、自然とみんな「梅雨だな」と思うらしい。
梅雨がいつ始まって終わるのかなんて、そんなに気にしない。
「夏に近づいてきたら、雨が降るようになります。それが梅雨ですけど、それで気分が変わるとか、日本のように店にいろんなグッズが並ぶということはないですね」
日本には梅雨がある、といっても北海道にはないし、中国はとても広いから梅雨のない地方もある。
彼が住んでいた湖北省の梅雨はこんな感じだ。
「梅雨」という漢字には、疑問があった。
雨は分かるけど、なんで「梅」なのか?
「梅の雨」って、なんだ?
その中国人に「梅」の理由も聞いてみても、彼もそのワケは知らない。
その場で調べてもらったら、この時期になると中国の江南地方で梅が育つようになるから、「梅雨」になったらしい。
江南の江は長江のことで、江南地方はその南の蘇州のあたりだ。
日本のネットを見てみてみると他の説もある。
中国でこの時期になると、黴(カビ)が生えやすくなる。
それで「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたけど、「黴(かび)」はいい響きの漢字ではないから、同じ発音で違う漢字の「梅」になったという。
個人的に梅雨は嫌いなのだけど、それは、客足が遠のく観光施設も同じ。
でも、天気を恨んでも仕方ない。
かといって、梅雨が終わるのをただ待つというのは積極性がない。
そこで梅雨の時期を逆手にとって、箱根にある「箱根小涌園ユネッサン」がこんなキャンペーンを始めた。
「手ぶらで安心! 雨期Ukiキャンペーン」
読売新聞の記事(18年06月13日)で紹介されているから、これだけでかなりの宣伝効果だ。
雨が降ったら割引します――。梅雨入りを迎えた神奈川県内で、箱根町などの観光施設が雨を逆手に取ったユニークな誘客キャンペーンを始めている。
箱根の温泉テーマパーク、雨降ったら大人3割引
でも、ネットの反応はいまいち。
・温泉行きたい
神奈川は遠い
・それよりたどり着くまでの運賃と手間がめんどくさい
・引いても高い
クーポン前提の定価設定だからね
・半額のクーポンがあちらこちらにあるので意味が無い。
・一昨年くらいまでその年の西暦と年賀状の下二桁がそろえば半額とかやっててそれくらいで適正価格だと思った。
・箱根は雨の方が趣深いだろ、割増取っても良いぐらい
・楽しいんだけど高けーんだよな
・今の季節は、雨の日こそ挙って来そうだが
これも梅雨と同じく、中国から伝わったと思うのだけど、「晴耕雨読」という言葉がある。
晴れの日には農作業をして、雨の日には家で本を読む。
そんな悠々自適の生活を送ることを、「晴耕雨読」という。
環境に応じて生きていくのが、人間にとっては自然。
温泉もいいけど、秋よりも梅雨こそ読書のときだ。
中国人は梅雨でも関係なく、一年中ネットをしてそう。
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