はじめの一言
「ああ日本、その国こそは、私がその国民と結んだ交際並びに日夜眺めた荘厳な自然の光景とともに、永く愉快な記憶に残であろう。
(カッテンディーケ 江戸時代)」
「日本絶賛語録 小学館」
今回の内容
・同じだけど違うイスラーム教
・サウジアラビアという国について
・イスラーム教が超厳しいサウジアラビア
・同じだけど違うイスラーム教
前回、イスラーム教で偶像崇拝が禁止されている理由について書いた。
それは、アッラーの神聖をけがすことになるから。
世界中のイスラーム教徒は偶像崇拝が禁止されいる。
でも偶像崇拝の考え方は国によって違う。
いま話題になっているポケモンGOを例にとると、インドネシアでは「問題なし」だけど、サウジアラビアではポケモンGOは禁止されている。
その理由のひとつに、「ポケモンGOが偶像崇拝につながるから」ということがある。
まず、その一つが、ポケモンはイスラム教で禁止されている「偶像崇拝」にあたるからだというのです!
でも友人のインドネシア人のイスラーム教徒にきくと、「ポケモンGOはイスラーム教の教えに反していません」という。
サウジアラビアもインドネシアも同じイスラーム教徒で、同じクルアーン(コーラン)を聖書としている。
けれどポケモンGOのように、同じにたいして「ダメ!」というところと「問題なし!」というところがある。
今回と次回で同じイスラーム教でも、地域によって違いがあるということについて書いていきたい。
アラビアのイスラーム教と東南アジアのイスラーム教の違いについて。
サウジアラビアの下にあるイエメンのイスラーム教徒のおっさん。
・サウジアラビアという国について
サウジアラビアとは本当に変わった国だ。
サウジアラビアという国は特異な国としか言いようがない。
何よりも、国連加盟国の国々の中で、その国名に、ある一族がある地域を所有することを明言した表現を採用している国はない。すなわち、アル・サウード家のアラビア、つまりサウード家という一族がアラビアを所有するという意味がサウジアラビアなのである。
(サウジアラビア現代史 岡倉徹志)
つまりサウジアラビアという国名には、「サウード家のもの」という意味がふくまれている。
「サウード家によるアラビアの王国」を意味する
(ウィキペディア)
確かにこんな国はないだろうなあ。
サウジアラビアは国旗も変わっている。
国旗がまた独特だ。地には緑一色を配し「アッラーの他に神はなし。ムハンマドはその使徒なり」と白い文字で記したアラビア語と聖地を守るアラビアの長剣をあしらっている。
(サウジアラビア現代史 岡倉徹志)
サウジアラビアの国旗(ウィキペディア)
・イスラーム教が超厳しいサウジアラビア
イスラーム教を信仰している国の中でも、とくに厳しくイスラーム教の教えを守っているのはきっとサウジアラビアだ。
サウジアラビアは、イスラーム教にとっては最高の聖地になる。
イスラーム教第1の聖地「メッカ」と第2の聖地「メディナ」があるからね。
そんなサウジアラビアは、イスラーム教の戒律(かいりつ)がとても厳格に守られている。
ある日本人がサウジアラビアに人形を持ちこもうとしたところ、空港で「これは偶像だから」と人形の首を切られたという。
首を切断した人形なら持ちこんでもOKらしい。
これは20年以上前のことだから、今はわからないけどね。
でも偶像については、「こんなデモは、サウジアラビアでしかおこらないんじゃないかなあ?」と思うようなデモが1965年におきている。
それが、テレビ局を開設することに反対するというデモ。
テレビ局開設に反対するイスラーム原理主義グループが首都リヤードでデモを行いファイサルの政策に異を唱えた。
(サウジアラビア現代史 岡倉徹志)
テレビ画面に人が映るというのは、イスラーム教で禁止している「偶像」になるため、テレビ局を開設することに反対するデモをおこしている。
こんな理由でデモがおこる国は、サウジアラビアぐらいじゃないかな?
雪ダルマすらも「偶像」になって、イスラーム教の考えに反してしまうからダメらしい。
だから、サウジアラビアのイスラーム教徒が北海道に旅行に行ったとしても、雪ダルマをつくることはできないんだろう。
「宗教上の理由で雪ダルマがつくれない!」というのも、日本の感覚からしたら不思議。
エジプトの壁画
この時代には、まだイスラーム教はなかった。
こんな国だったら、「ポケモンはダメ」ということもうなづける。
でも、サウジアラビアでは人形を売っているらしい。
ポケモンや雪だるまがダメで、なんで人形がいいのか?
そこらへんの基準は異教徒のボクにはよく分からない。
次回は、東南アジアのイスラーム教について。
おまけ
イエメンの首都サヌア
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