「日本とインドの共通点には、何があるんだろう?」
と考えてみたのだけど、あまり思い浮かばない。
どっちもアジアの民主主義国家で、国民がカレー好きということぐらい。
でも、他にも同じところがある。
2013年に天皇皇后両陛下がインドをご訪問された。
そのとき天皇陛下はこんなことを述べられている。
宮内庁ホームページから。
貴国議会が年ごとの8月,我が国の原爆犠牲者に対し追悼の意を表してくださることに対し,国を代表し,とりわけ犠牲者の遺族の心を酌み,心から感謝の意を表します。
国会議員が議会で広島と長崎の原爆犠牲者のために黙とうする国は、世界で日本とインドだけ。
天皇陛下はそのことについて、インドに感謝されている。
広島と長崎への原爆投下は日本だけではなくて、世界が関心を持っている。
核兵器廃絶は人類の課題だ。
長崎に落とされた原子爆弾
1945年(昭和20年)8月9日午前11時02分に、アメリカ軍が長崎市に原子爆弾を投下した。
これで約7万4000人の命が奪われる。
このときから73年後、国連事務総長が初めて長崎を訪れてスピーチを行った。
グテーレス国連事務総長は演説のなかで、長崎を「地球最後の場所」にしようと呼びかける。
国際連合広報センターのホームページにスピーチの全文がある。
原爆の恐怖を繰り返し想起することから、私たちは、お互いの間の分かちがたい責任の絆をより深く理解することができます。
私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう。
まったくそのとおり。
もう二度と、このような少年を出していけない。
これは長崎に原子爆弾が投下された直後に撮られた写真
少年の背中で、ぐったりしている赤ん坊はもう死んでいる。
ここは火葬場で、少年は弟の死体を焼くのを待っていた。
この写真を撮ったアメリカ人ジョー・オダエルはこう書いている。
この少年が死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。
「トランクの中の日本 (小学館)」
「焼き場に立つ少年」と言われるこの写真は、のちに皇后陛下とローマ法王の心を動かすことになる。
廃墟となった長崎市内
国連事務総長のグテーレス氏はこうも言っている。
悲しいことに、被爆から73年経った今も、私たちは核戦争の恐怖とともに生きています。ここ日本を含め何百万人もの人々が、想像もできない殺戮の恐怖の影の下で生きています。
これもまったくそのとおり。
今年になってから北朝鮮によるミサイル実験はなくなったけれど、北朝鮮による核・ミサイルの脅威は決してなくなってはいない。
シンガポールでトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が笑顔で握手をかわした。
でもそのときから、朝鮮半島の非核化はどれだけ進んだのか?
いまは国際社会が協力して、北朝鮮に圧力をかけ続けなければいけないのに、朝鮮日報の記事(2018/08/10)によると韓国企業がそれを破っていた。
韓国の一部石炭輸入企業が北朝鮮産石炭をロシア産だと偽って搬入したという内容があることが分かり、波紋が広がっている。
対北制裁破り:韓国、米同盟国初の「セカンダリーボイコット」危機
これから韓国企業はアメリカの制裁を受けるかもしれない。
北朝鮮の非核化はまったく進んでいない。
毎日の生活が平和に見えても、「日本を含め何百万人もの人々が、想像もできない殺戮の恐怖の影の下で生きています」という現実は変わっていないし、忘れてもいけない。
日本にとってまず大事なことは、北朝鮮に核兵器を放棄させることだ。
2018年8月10日の朝鮮日報の紙面
北朝鮮が核を手放す雰囲気はまったく感じられない。
アメリカはたぶん韓国に怒っている。
長崎の鐘
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