いま韓国政府は、慰安婦問題についてどう考えているのか?
朝鮮日報の記事(2018/10/24)で、陳善美(チン・ソンミ)女性家族部長官がこう言っている。
陳氏は「慰安婦問題はわれわれが道徳的に優位に立っているが、合意によって苦しい状態に追い込まれた荒唐無稽な状況だ」と指摘。「経済関係などさまざまな懸案を考慮し、日本と合意しなければならないだろう」との見方を示した
慰安婦財団問題 11月初旬にはまとまる=韓国女性家族相
言うまでもなく慰安婦問題は、2015年に日本と韓国が話し合って解決を確認した。
くわしいことは外務省のホームページを見てほしい。
今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
いまの日韓はこの次の段階にいる。
この合意に基づいて日本は約束をすべて守ったけれど、韓国はまだ実行していない。
撤去すべき慰安婦像は、いまもソウルの日本大使館前に置かれたままだ。
客観的には圧倒的に不利なんだけど、「われわれが道徳的に優位に立っている」と言い切る韓国メンタルは相変わらずアメージング。
でも、対立する問題は話し合いで解決するのが理想的と思うのだけど、それを「荒唐無稽」と切り捨てる韓国的思考は相変わらずミステリー。
「日本と合意しなければならないだろう」って、それはもう3年前に終わりましたから。
そういうことはドラえもんにお願いしてください。
ただ、日本と国民の反日感情との板ばさみにあって、いまの韓国政府が「苦しい状態に追い込まれた」ということは理解できる。
でも同情はできない。
それにしても、いまこの状況で「われわれが道徳的に優位に立っている」というセリフには驚いた。
これは「韓国=被害国、日本=加害国」という関係からくる認識で、韓国では、韓日関係の基本的で絶対的な見方になっている。
2013年3月1日には、当時の朴槿恵(パククネ)大統領が演説でこう言った。
「加害者と被害者という歴史的立場は1000年の歴史が流れても変わらない」
この言葉が韓国国民の心をぶち抜く。
この演説から「千年恨」という言葉が韓国でブームとなって、2013年の流行語大賞になった。
日本のインターネット辞書にも「千年恨」という項目が作られている。
被害者の立場から、「われわれは優位に立っている」という韓国のマウンティング・ポジションは昔から変わらない。
日本にくり返し謝罪と反省を求めることも、それによって「上下関係」をハッキリさせられるから。
そう言うことによって精神的充足感を得られるから、という面はあるはずだ。
韓国通のジャーナリスト黒田勝弘氏はこう言っている。
韓国にとって日本はいつまでも謝罪、反省、補償をしない存在であってほしいのかもしれない。
いつまでも日本を叱り、諭し、教え、導くことができるからだ。この民族的快感は捨てられない。
この民族的快感のゆえに、日本がたとえいくら謝罪、反省を表明し補償したとしても、それは終わらない、いや韓国にとっては終わらせたくないのだ。「‘日本離れ’できない韓国 (文春新書) 黒田勝弘」
こういう認識があるから、いまでも「われわれが道徳的に優位に立っている」という言葉が当然のように出てくるのだ。
でも日本では、約束を守った側が道徳的優位に立つと考えるから、「えっ?」となる。
ただ、こういう人は日本にもいる。
次回そのことを書いていきますよ。
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