前回の記事で、ジャパンタイムズの「朗報」について書いた。
日本に興味のある外国人に大きな影響をあたえるこのメディアが、徴用工と慰安婦についての認識を改めたのだ。
それによって、「forced labor (強制労働者)」という表現を「wartime laborers(戦時労働者)」にする。
慰安婦についてもこれからは「sex slave(性奴隷)」とは呼ばない。
いままでジャパンタイムズは「韓国寄り」と思っていたから、この「脱韓国」の動きには拍手と賞賛しかない。
このメディアを「韓国寄り」というのは、例えば、知り合いのアメリカ人がシェアしていたこの記事(Oct 29, 2017)を見れば分かる。
Osaka threatens San Francisco ties over sister city’s ‘comfort women’ memorial
サンフランシスコ市が慰安婦像とプレートを市の公共物に指定した。
でも、サンフランシスコと姉妹都市関係にあった大阪市がこれに異議を唱える。
それもそのはず。
そのプレートには「性奴隷」「数十万の女性と少女」といった言葉が刻まれていたから。
歴史をねつ造し、日本の名誉を傷つけるような市と姉妹都市ではいられない。
それで大阪市長は姉妹都市の解消をサンフランシスコに告げる。
ジャパンタイムズはそれを「Osaka threatens San Francisco(大阪がサンフランシスコを脅す)」と表現したのだ。
知り合いのアメリカ人もこの報道をそのまま信じて、「大阪が性奴隷を否定するなんて信じられない。バカ」とコメントする。
これを見て頭をかかえた記憶があるから、今回のジャパンタイムズの決定は本当に「エヴァンゲリオン(いい知らせ)」だ。
でも、想像してほしい。
「forced labor (強制労働者)をwartime laborers(戦時労働者)にします」
「sex slave(性奴隷)という表現は使いません」
こんな発表はあの国への”宣戦布告”に等しい。
さっそく韓国紙・中央日報はこんな記事(2018年12月08日)を載せて反発した。
ジャパンタイムズ「慰安婦・徴用被害者の呼び方から『強制』排除」
ジャパンタイムズはいま、「国際的な批判を受けている」と書いている。
他にも、イギリスのガーディアン紙が「『安倍保守政権と歩調を合わせた』と指摘するなど、国際社会は同紙が特定の政治的な圧力に屈したと批判した」という。
韓国ではなくて、国際社会が「ジャパンタイムズは安倍政権に屈したと批判している」と強調している。
まあ、こういう報道は予想通り。
こんな韓国紙の報道にたいする日本のネットの反応もだいたい予想通り。
・韓国が言ってるだけ
・貴方がおっしゃる国際とは?
・やべーよ国際的に批難されてるとか
・何処の国際に謝ればいいかわかんねーよ
・あそこの国は国際的と全国的が同じなんだろうなあ
・国際的?「韓国内」だろ
・この「国際的」は真に受けない方がいい
・どこが国際的やねん
韓国メディアの報道では、「韓国が」を「世界が」に変えることがある。
それを知ってる日本人も多いから、こんなふうに鼻で笑う。
日本について、韓国人と同じ見方をする外国人はたしかにいる。
でも韓国メディアの報道には飛躍があって、韓国の意見を「世界の意見」としてしまうところがある。
また、日本政府が”不当な圧力”をかけたと非難することもよくある。
例えば、ハンギョレ新聞の記事(2018/12/8)だ。
「ユネスコは日本に屈服することなく慰安婦記録物登載手続きを」
韓国ではいま、慰安婦記録物を「世界の記憶」に登録してもらおうとユネスコに働きかけている。
でもユネスコ事務局長は、加盟国の団結を重視していて争いを嫌う。
それで「まずは日本の同意を得てほしい」と言うのだけど、韓国の見方では、日本がユネスコに圧力をかけて妨害しているとなる。
一面トップで報じるほどのことか?
「人は現実の全てが見えているわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていないのだ」とカエサルが言っていた。
自国の見方を国際社会の見方とする韓国メディアを日本のネットは笑っていた。
でも、そんな状況はまったく笑えない。
慰安婦記録物はともかく、徴用工や慰安婦問題については、韓国側と同じ考え方をする海外メディアや外国人は多いから。
中央日報の記事に出てきたイギリス・ガーディアン紙の記事(Fri 30 Nov 2018)には、慰安婦についてこう書いてある。
tens of thousands of girls and women, mainly from the Korean peninsula, who were forced to work in Japanese military brothels before and during the war.
‘Comfort women’: anger as Japan paper alters description of WWII terms
慰安婦は「数十万の女性や少女」とある。
「mainly from the Korean peninsula」と書いてあるけど、これはサンフランシスコ市のプレートの文言と同じだ。
「who were forced to work」というのは性行為を強制されたということで、「性奴隷」と変わらない。
これは、「少女が性奴隷にされた」という韓国の主張とほとんど変わらない。
「The Japan Times Comfort women forced labour」で検索して、海外メディアの報道やツイッターの反応などを見てほしい。
韓国の見方を支持する外国人は本当に多い。
ある外国人はこんなツイートをしている。
A signifier that @japantimes is bowing to Government pressure and as a news source is contaminated by bias pressure. No longer a trustworthy news source. Sorry
日本政府の圧力に屈したジャパンタイムズはもう信頼できない、という。
もちろん、ジャパンタイムズはこれを全面的に否定してる。
ボクのまわりにいる「日本大好き外国人」でも、慰安婦を性奴隷と信じている。
それで何回イヤな思いをしたことか。
「性奴隷の根拠はない」と言うと、「あなたは人としておかしい」と軽蔑されたこともある。
そんな経験があるから、徴用工や慰安婦問題について「国際的と全国的が同じなんだろうなあ」「貴方がおっしゃる国際とは?」とからかっている状況は笑えない。
こういう日本人も「見たいと欲する現実しか見ていない」という人たちではないか。
こちらの記事もいかがですか?
韓国の反日の結果。”少女像”が嫌韓日本人をつくって韓国が苦しむ。
「日本人に正しい歴史を教え、謝罪させたい」と言う韓国人と出会ったら?
コメントを残す