産経新聞が社説(2018.12.16)で怒っている。
訪韓団「産経拒否」 一体何をしに行ったのか
日韓議員連盟の議員団が韓国を訪問して、このまえ日本に帰国した。
その評価が「一体何をしに行ったのか?」だ。
つまり、日本の国会議員が韓国に行っても何も意味もなかった、と。
韓国を訪問したけど、具体的なお土産は何も持って来なかったから。
でもいまの日本政府は、議員連盟の韓国訪問には何も期待していなかっただろう。
韓国は慰安婦合意や日韓請求権協定といった日韓関係の土台を軽視・無視している。
大事なことから目を反らして、日本に反省や謝罪を要求する。
「普通ならここで謝る」という場面で怒り出す人間と、どう付き合えばいいのか?
日本政府が出した答えは「戦略的放置」だ。
つまり、韓国(文政権)は基本無視。
それは安倍首相の行動からもわかる。
今回の訪問では、14日に日韓議員連盟と韓日議員連盟がソウルで合同総会を開いた。
通常なら安倍首相が祝辞を送るのだけど、今回はパス。
お祝いの言葉を送る気分にすらなれないのだろう。
塩対応はこれだけではない。
文大統領と面会した日韓議員連盟の額賀会長に、安倍首相は親書をわたしていなかった。
韓国の大統領にたいして、「いまのあなたに言うことは何もない」というメッセージだろう。
これを日本のメディアは「異例の対応」というけど、いまの文政権に何かをするということは、時間を盗まれるようなもの。
だから仕方ない。
安倍首相の「完全無視」は、冷え切った日韓関係そのものだ。
首相からは祝辞も親書もない。
日本政府からは期待されていない。
それを知ったうえで韓国へ向かった額賀会長は、どんな思いで機内を過ごしたのか。
日本の議員団はソウルで韓国の議員と話をしたけど、一致したのは「日本と韓国は分かり合えない」ということ。
朝鮮日報にこんな記事(2018/12/14)がある。
韓国「過去直視し未来へ」 日本「国際約束に抵触」=韓日・日韓議連総会
現在の日韓関係でもっとも重要なことは徴用工問題だ。
韓国の最高裁判所は国際法に反して、日本企業に有罪判決をくだす。
これを受けて額賀会長は「日本と韓国の国際約束に抵触」し、いままで続いた日韓の協力関係の「基礎を揺るがすものとなり、極めて遺憾」と韓国に言う。
これに韓国側は「過去を直視し、未来を志向する賢明な関係に進まなければならない」と言う。
これは日本と韓国が前から言っていたことで、新しいものは何もない。
言葉を交わしても、日韓関係は1ミリも前に進まなかった。
日本は法、韓国は正しい歴史を重視することを主張した。
つまり、日韓の意見はまったくかみ合っていない。
今回の訪問で得た最大の成果はコレらしい。
NHKニュース(2018年12月14日)
「ムン大統領訪日へ協力」 日韓議員連盟が共同声明採択
日韓が理解し合えたのは、「なるべく早く文大統領の日本訪問を実現させよう」ということ。
それでこれを共同声明に盛り込んで発表した。
「なるべく早く実現させよう」と言うけど、日本政府はそれを望んでいるのだろうか。
もしそんな気持ちがスプーン小さじ一杯でもあったら、文大統領に親書ぐらいわたすだろう。
他にも、政治的対立があっても、日韓の若者が交流する機会を妨げることになってはいけないという考えでも一致した。
でもこれはいつも言っている当たり前のことで、目新しさはゼロ。
ということで、この共同声明について産経新聞の評価もナッシング。
言うべきことを言えない国との友好はあり得ない。逆に、相手に誤ったメッセージを与えることを厳しく認識すべきである。
訪韓団「産経拒否」 一体何をしに行ったのか
むしろマイナスだったのでは?
けっきょく今回の訪問で見えてきたことは、誰がどんなにがんばっても、いまの日韓関係は前進しないということ。
何か新しい成果があればよかったのだけど、「ムン大統領訪日へ日韓が協力」ではさみしすぎる。
重要なことでは、お互いわかり合えないことが痛いほどわかった。
だから「一体何をしに行ったのか?」とたたかれてしまう。
ネットの反応も見てほしい。
こんなものじゃないから。
日本の議員団はたたかれ過ぎて、中身の飛び出たサンドバッグのようになっている。
でも、いまの日本と韓国はこんなもんだ。
こちらの記事もどうですか?
コメントを残す