まったく知らなかったけど、1月27日は「国際ホロコースト記念日」だった。
ホロコーストとは、第二次世界大戦中にナチス=ドイツがおこなった大量虐殺のこと。
このときユダヤ人や障害者など600万人以上が、アウシュビッツ強制収容所などで計画的に殺害された。
ちなみに「ホロコースト」という言葉は旧約聖書に由来するもので、ただの「虐殺(massacre)」とはちがう。
連合軍が到着したときの収容所
大量の死体が放置されていた。
毒ガスで殺害されたユダヤ人
でもドイツで毒ガスを開発したのは、フリッツ・ハーバーというユダヤ人だった。
死体はここで焼却されていた。
画像は「NHK 映像の世紀 第5集」から。
1945年1月27日、ソ連軍のドイツ侵攻によって、収容所にいた人たちが解放されたことから、2005年に国連がこの日を「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(UN International Holocaust Remembrance Day)」に制定した。
これにはホロコーストの悲劇を再確認し、「憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を永遠に人々に警告する」という目的がある。
では、ナチス=ドイツがユダヤ人絶滅を考えた理由はなにか?
こんな悲劇をくり返さないためには、その動機を知ったほうがいい。
ホロコーストという「ユダヤ人問題の最終的解決」の決定には、「アイヒマン」というドイツ人が深くかかわっていた。
アイヒマンはユダヤ人の存在についてこう話している。
ユダヤ人は、ドイツ国民の永遠の敵であり、殲滅(せんめつ)し尽くさねばならない。
われわれに手のとどくかぎりのユダヤ人はすべて、現在のこの戦争中に、一人の例外もなしに抹殺されねばならない。
今、われわれが、ユダヤ民族の生物学的基礎を破壊するのに成功しなければ、いつかユダヤ人がわがドイツ国民を抹殺するであろう。「アウシュヴィッツ収容所 (講談社学術文庫)」
この考え方はヒトラーもまったく同じ。
いま自分たちがうまくいかない理由を国内にいる「敵」のせいにして、政権がつくり出した敵に国民の不満や怒りを集中させる。
生物学的に問題のある人種や民族はいないのだけど、国を挙げて宣伝活動をすることで、国民をそう信じさせていく。
テレビやラジオで一種類の情報を大量に流すことで、社会に「そういう空気」が構成されていき、人々もそれに染まってしまう。
その点、インターネット時代のいまは違う。
反対意見や別の見方など、いろいろな種類の情報が入ってくるから大丈夫。
とはいかぬ。
実際には、自分の閲覧記録がチェックされて、その人の好みや価値観に合った情報が届けられるようなシステムになっている。
こうなると、さまざま価値観や見方に触れるどころか、同じような情報と大量に接することになってしまう。
やっぱり、自分の頭で考えることは現代でも大事ですね。
おまけ
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