日本人が犯した「ナチスの失敗」。しまむら・欅坂46・Jリーグ

 

「人種差別追放は世界のサッカー界の課題だ」

2017年8月18日付の毎日新聞の記事にそんな言葉があった。

「ナチス」旗でJ1応援 痛み想像する力の欠如

 

「ナチス」という言葉があるように、この記事では、ナチスのユダヤ人への人種差別を取り上げている。
もっと正確にいえば、ナチスの人種差別について認識が浅い日本人について。

2017の今年、あるガンバサポーター83人全員がスタジアムへの「無期限出入り禁止」を言いわたされた後、そのグループは解散した。
4月におこなわれた試合で、このサポーターは「ナチス親衛隊」のマークによく似た旗をスタジアムに持ちこんでしまう。

これが問題視されて、解散へと追い込まれることになった。

ナチス親衛隊(ウィキペディアから)

ナチスの総統であるヒトラーを護衛ごえいするため、1925年にナチス親衛隊がつくられた。

 

ナチス親衛隊のマーク(ウィキペディアから)

 

ガンバサポーターはこれによく似たデザインの旗を使ったため、出入り禁止をくらって解散となった。

その旗を持ちこんだガンバサポーターは、人種差別をしたつもりはなかったという。

4月に旗を持ち込んだのは自営業の男性だった。「SSマークの意味は知っていたが、全く同じではない。人種差別の意図はなく、使っても大丈夫だと思った」と繰り返し、こう言った。「被害者がいるなら謝りたいが、それが誰なのか分からない」

「ナチス」旗でJ1応援 痛み想像する力の欠如

人種差別の意図がなくても、この旗を振ってしまったらもうダメ。

 

 

ナチスとは、1920年から1945年までドイツにあった政党のこと。

正式には「国家社会主義ドイツ労働者党」で、日本では「ナチス」と呼ばれている。

ナチスの党首がアドルフ・ヒトラーだ。
ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)をおこなった責任者でもある。

ホロコースト

600万人が殺されたと言われる、ナチス=ドイツによるユダヤ人虐殺のこと。この用語は「旧約聖書」に由来する。ユダヤ人絶滅を目指し、アウシュビッツなど各地の収容所で計画的に虐殺がおこなわれた

(世界史用語集 山川出版)

連合軍が到着した時の収容所の様子

おびたただしい数のユダヤ人の死体が放置されていた。

 

ナチスによって殺されたユダヤ人。
一カ所に集められて、毒ガスで殺害された。

 

死体はここで焼却されていた。
上の画像は「NHK 映像の世紀 第5集」のキャプチャー。

 

欧米人がナチスのかぎ十字や親衛隊のマークを見たら、このホロコーストを連想するだろう。

「SSマークの意味は知っていたが、全く同じではない。人種差別の意図はなく、使っても大丈夫だと思った」という言い訳は、世界のどこでも通用しない。

 

 

欧米人に比べたら、日本人はナチスに対する理解が浅い。

これは教育の違いで、日本の学校ではナチスやホロコーストについて、欧米ほど深く教えていないからだろう。

ここ数年を見ても、日本ではナチスへの認識不足からくる問題が連続で起きている。

 

2015年には、「ファッションセンターしまむら」の商品が問題になった。

その商品のデザインが、ナチス=ドイツのシンボルである「ハーケンクロイツ(かぎ十字)をイメージさせる」ということで、商品の販売が中止されてしまった。

Jcastニュースの記事(2015/8/20)から。

問題視されている商品は、しまむらが展開する衣料品チェーン「ファッションセンターしまむら」で販売された男性向けのネックレス付きタンクトップだ。ネックレスは鉄十字の中心に「卍」を反転させた「右卍」が描かれたデザインだ。

しまむらで「ナチス鉤十字」風ネックレス 指摘受け販売見合わせ

ナチスのかぎ十字(ウィキペディアから)

 

2016年には、欅坂46がハロウィン・コンサートで着たコスチュームが「ナチス(Nazi)を連想させる」と大問題になっている。

これはそれを伝えるイギリスのデーリー・ミラー紙の記事(2016/10/26) 。

A Japanese girlband has caused outrage after their outfits for a Halloween concert were compared to Nazi uniform.
The group, Keyakizaka46, performed on Saturday at Yokohama arena in Japan wearing military-style black capes with wide collars.

Japanese girl band cause outrage by dressing in NAZI-style outfits

 

この記事には、ナチスと欅坂46の衣装を比較する画像がある。
たしかによく似ている。
これはアウトですわ。

 

 

しまむら、欅坂46に続いて、2017年にはガンバサポーターがナチスへの認識不足から問題を起こしている。

毎日新聞の記事によると、日本のサッカー界でもナチスやホロコーストについて学ぶ機会をもうけているらしい。
全日本大学サッカー連盟は、選手たちにホロコーストで生き残った人の話を聞かせたり、NPO「ホロコースト教育資料センター」の理事長を招いたりしているという。

しまむら、欅坂46、ガンバサポーターの問題を見ていると、サッカー選手だけではなくて日本人全体がナチスやホロコーストについて学ぶことが必要だと思う。

だれもユダヤ人への人種差別意識はなかったと思う。
ナチスのことをよく知らなかったから、こうした失敗をしたのだろう。

英語を学んで外国人とコミュニケーションをとることはいいけど、絶対に知らなくてはいけない常識はある。
ナチスはその一つだ。

 

 

 

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