パレスチナ人アーティスト、「日本の折り紙」で人生が変わる。

 

「Middle East Eye」という海外メディアにこんな記事(8 February 2019)があった。

Big in Japan: From jobless artist to origami king of Gaza

職なしだったパレスチナ人アーティストが「オリガミ王」になったという、まるでワンピースな話。
「マジか!あの折り紙王に」と驚く前に、ガザの位地を確認しておこう。

 

パレスチナ自治区のガザはイスラエルの中にある。
この地図では北海道の向かい側。

 

 

ガザ地区の面積は東京23区の6割ほどで、人口は2016年に200万人を超えた。
失業率は高く、住民の半数以上に仕事がないという。

そんなガザで、難民キャンプ出身のアーティスト、アフメド・フメイドさんは、生活するために何か新しいことを始めなくてはいけないと考える。
それで毎日何時間もインスタグラムで世界の芸術作品をチェックしていた。

そんなある日、彼は未知の芸術に出くわした。

I came across a picture that showed paper folded in a beautiful way to create a shape. I did not know back then the name of this art

 

紙を使って美しく形づくる芸術こそ、日本の折り紙だった。
紙を切ったり貼ったりしないで、折ることで形を作っていく。
そんな日本の文化「折り紙」は、子どもや青年、お年寄りと幅広い層で親しまれている。

アフメドさんは5カ月かかって折り紙について調べ、一年かけて練習して「マスターした」と言えるほどの技術を身につけたと言う。

I spent five months just researching about origami and learning how it is created, and then another year practising it until I reached a point where I could say I had mastered it

 

彼の「オリガミアート」が独創的な点は、紙ではなくて本のページを折って作ること。
これで人の名前や何かのシンボルなどを作っている。
SNSを通じて彼の作品は有名になり、いまでは「origami king of Gaza(ガザの折り紙王)」になったという。

外国から作品の注文もあるのだけど、彼はガザから移動できないからそれを受けることができない。
それでもいつか個展を開いて、パレスチナという国を代表して活躍したいと願っている。

Hmeid still has hope that one day he will put on his own exhibition and represent his country.

いつか折り紙の母国に来れますように。

 

アフメドさんの作品を見せたいのけど、この人のSNSアカウントが見つからない。
だから下の記事から見てほしい。

Big in Japan: From jobless artist to origami king of Gaza

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。