海外旅行者にとって危険な動物①インドでは狂犬病にご注意を

 

はじの一言

*日本の社会について
「貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない(チェンバレン)」

「逝きし日の面影 平凡社」

 

西アフリカにある「マリ」という国名は、動物の「カバ」という意味。
前回、そんなことを書いた。

そこから、カバはアフリカでもっとも恐ろしい動物だと言われていることにもふれた。
なんせ、カバの体重は1~2トンもあるのに、陸上では時速3~40キロで走ることができる。

こんな図体で、スクーター並みの速さで突撃されたらたまらない。

 

 

その記事を書くときに参考に下のが、このページ↓

地球上で最も人間の命を奪っている殺人生物とは?

このページが興味深かったから、今回はこれをベースにして記事を書いていきたい。

 

年間で、もっとも多くの人間を殺している恐怖の生物は何か?

これは、マイクロソフトのトップだったビルゲイツ氏のブログにあった画像にある。

「World’s Deadlist Animals」で検索してほしい。

この画像で、「一年間で、人間がどの生物に何人殺されているか」ということが分かる。
それによると、カバは第11位で年間に500人の命を奪っている。

これは、サメ(14位で10人)やライオン(12位で100人)、象(12位で100人)よりも多い。

やっぱりカバは、「アフリカ最強・最凶の動物」だ。

 

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第5位は、「ツェツェバエ(睡眠病)」で、年間10000 人の命を奪っている。この睡眠病は、怖ろしい病気だ。

睡眠周期が乱れて昼夜が逆転し、昼間の居眠りや夜間の不眠となる。そのうち常に朦朧とした状態になり、さらには昏睡して死に至る。

(ウィキペディア)

 

この病気が怖い理由は、有効なワクチンがないこと。
だから刺されないようにするしかないのだ。

 

黄熱病はおそろしい病気だけど、事前にワクチンを打つことで予防できる。
だから、それほど怖くはない。
でも、睡眠病にはこうしたものがないのだ。

 

ボクが旅した西アフリカは、このツェツェバエが生息しているところだった。
ハエなんてそこら中にいて、どれがツェツェバエかなんて分かるわけがない。
食事をするときは、左手でハエが来ないようにパタパタとあおぎながら、右手で食べていた。

初めから終わりまで、ビビりまくりの旅だった。

 

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マリかブルキナファソ
衛生状態は非常に悪い。

 

危険な生物の第4位は、犬(狂犬病)。

年間25000人が犬にかまれて、狂犬病によって亡くなっている。

この狂犬病もまた恐ろしい。

臨床症状
○前駆期:発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
○急性神経症状期:不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
○昏睡期:昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

厚生労働省 狂犬病

 

「呼吸障害によりほぼ100%が死亡」って、あまりに無慈悲。
そのあまりに無慈悲さゆえに、狂犬病はギネスにも認められている。
「最も致死率が高い病気」としてエイズと一緒に、ギネス世界記録に記録されているのだ。

 

さらにこれも無慈悲。

○治療:
発症後の有効な治療法はない。

厚生労働省 狂犬病

 

病気が出たらジ・エンド。
もう、想像するのもイヤになる。

 

この狂犬病を長々と書いたのは、日本人が海外旅行に行ってかかる危険性があるのが、狂犬病だから。
ふつうの海外旅行で、カバや象に襲われることはない。

2006年には、狂犬病で2人の日本人が亡くなっている。
でも、日本国内で犬にかまれたわけではない。
ネパールとフィリピンを旅行中に犬にかまれて、日本に戻ってから発症して死亡している。

平成18年には、フィリピンに滞在中に狂犬病の犬に咬まれ、感染し、ワクチン接種しなかったため、日本帰国後に狂犬病を発症する事例がありましたので、このことを踏まえて狂犬病に関するQ&Aを作製しました。

厚生労働省 狂犬病

 

この厚生労働省の文で、「ワクチン接種がなかったため」という部分に注目してほしい。
狂犬病は発症したらほぼ100%死んでしまうけど、ワクチンであるていどは予防することができる。

 

これを読むと、事前のワクチン接種が本当に大切だということが分かる。
ワクチンをうっていたら、先ほどの日本人も助かったかもしれない。

 

 

「狂犬病を発症したら、まず間違いなく死んでしまう。だから、犬にかまれるな」

と注意されたところで、誰だってかまれたくて犬にかまれるわけじゃない。

海外だと、いつどこでかまれるか分かりゃしない。
ボクもタイとインドで犬に追いかけられて、泣きそうになった。

 

そして、実際にインドで犬にかまれてしまった旅行者もいる。
狂犬病にはなってないと思うけど。

午後7時。薄暮、店じまいを始める商店街を歩いていると
背後で動物の唸り声がした。それと同時に、右足のふくらはぎを掴まれ
強く引かれた。
振り向くと、犬がこちらを伺いながら去っていく。

噛まれた!
とすぐに理解した。

近くにいた人たちが寄ってきて、大丈夫かと尋ねてくる。
短パンの下の素足、脛の横に噛み跡がある。
傷は小さく、食い込んでないことを祈るが、じきに血が滲んでくる。
「傷はかすり傷だから大丈夫。でも・・」と私。

 

これは、下のブログから引用させてもらった。

なぜっ!?レーで犬に噛まれる。

 

だからこれだけは覚えておこう。
かまれたら傷口を石鹸水でよく洗って、消毒液やエタノールで消毒すること。
狂犬病ウイルスは弱いからこれで大半は死滅する。

もしウェットティッシュを持って行くなら、エタノール入りがいいかも。

2016年にはタイで国内で確認された狂犬病患者の7人全員が死亡したというニュースもあったから。

次回は3位から1位について書いていきます。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。