マハティール首相がマレーシアの若者に伝えた「日本人の美徳」

 

マレーシアの若者に向けて、マハティール首相が「日本人の目標を達成するために努力する姿勢、成功に向かう価値観などを見習うべきだ」と訴えた。

ニューズウィーク誌にそんな記事(2019年3月17日)がある。

「日本人を見習おう」マハティール首相、ルックイースト再び

記事のタイトルに「再び」ってある。
そう、じつはこれは二度目なのだ。
マハティール首相は1980年代にも、「日本人を見習おう」と国民に呼びかけている。

マレーシアを発展させるためには、個人より集団の利益を優先するといった日本人の価値観や働き方を学ぶ必要がある。
マレーシアが目標とする国は西洋ではなくて、東の日本(韓国も)だ。
ということで、ルックイースト政策を唱えていた。

そして2018年に再び首相となったマハティール氏は3月16日に行った演説で、マレーシア人が見習うべき存在としてジャパニーズをあげた。

で、マハティール首相は、日本人のどんなところを高く評価してくださっているのか。
上の記事から抜き出してみよう。

日本人の数ある価値観の中でも責任を果たせなかった時に恥ずかしいと感じること

 

日本は敗戦で多くの人材や設備などを失ったけど、奇跡的な経済成長を実現させ、世界第二位の経済大国となった。
その原動力は、「恥ずかしいと感じる」気持ちだったとマハティール首相は指摘する。
つまり、自分の仕事には責任を持って、必ずやり遂げていたということだろう。

そのうえでいまのマレーシア人には自分の行いを恥じて、それをモチベーションにしてがんばる姿勢が大事だと言う。

物事に失敗した時に恥ずかしい、忸怩たる思いだと感じることは日本人の中に染みこんでいる。そして期待や信頼に応えるためにさらに一生懸命の努力を重ねる。こうした美徳を(マレーシア人が)見習うことこそが成功への道である

 

いまのマハティール首相の目標は、2025年までにマレーシアを先進国にすること。
そのためには、マレーシア人が日本人の価値観や美徳などを身につけることが重要という。

 

本当に素晴らしいことをおっしゃっている。
スバラシ過ぎて、マハティール首相が本当にいまの日本人を見ているのか不安になってくるほど。
1980年代の日本人ではなくて、現代の日本人ってことでいいですよね?首相。

ネットを見ても、過剰評価で素直にホルホルできない人が多い。

・今の日本じゃ該当しないよな
・こっちこそ、消費税廃止したマレーシアを見習いたい。
・マレーシアのお手本であり続けるためにも、日本人も今一度、教育を考える時ではないか。
・見習うべき日本人たちはもういないけどな
・日本を良く言ってくれて有り難う。
でもこの国はもう、そんなに良い国じゃないの。
・どの日本人だ? www
・嬉しいことだよね、だから日本頑張りましょう。東南アジア、マレーシアの首相が日本人を見習おうとまで言ってくれてるんだから。

 

外国人が「日本すげー」と言ってくれると「やったー」と思うボクでも、マハティール首相の演説に出てくる日本人像がピンとこない。

自分の責任を果たせなかったら「恥ずかしい」と感じ、それをバネにして、周囲の期待や信頼に応えるためにさらに努力を重ねる。
これはマレーシア人じゃなくて、むしろいまの日本人が身につけるべき態度では?

しかもいまはタイミングが悪すぎ。
親日国のカンボジアで2人の日本人がタクシーを奪おうとしたさい、抵抗したドライバーをナイフで刺して殺害してしまった。

くわしいことはNHKニュース(2019年3月18日)をどうぞ。

カンボジアで日本人の男2人逮捕 運転手殺害の容疑で

 

でも、マハティール首相の言葉には、日本人も耳を傾ける価値がある。
外国人の視点から、日本人が日本人の長所や美徳を再確認することは重要だ。
自分のなかに眠っている素質や美徳に、気づくきっかけになるかもしれない。

だからこれは、マハティール首相による日本人へのメッセージでもある。

 

首相の演説がきっかけとなって、日本人が日本人を見つめなおす動きが生まれている。

 

マレーシアの国旗

 

これは知り合いのカンボジア人がシェアしてくれた投稿。
カンボジアでプレーしている日本人サッカー選手が「申し訳ない」という気持ちとともに、40万円以上を被害者の家族に寄付した。

これも同じ日本人の行為を、「恥ずかしい」「情けない」と感じたからだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。