過去に対する認識の違い:水に流す日本人と掘り起こす韓国人

 

韓国の人たちは「正義を重視する」とよくいわれる。
もっと正確にいうと、自分が正義の側に立って悪を責めたり糾弾することが好きなんだと思う。

でも、1人では正義にはなれない。
アニメでもプロレスでも、正義には悪の存在が必要だ。
韓国の場合、日本の植民地支配に協力した朝鮮人、いわゆる「新日派」と呼ばれる人たちがまさにその悪役。
新日派は韓国社会で「民族の裏切り者」という扱いを受けていて、憎悪の対象となっている。

新日派についてくわしいことはここをクリック。

ここでは韓国と北朝鮮の2国における差別対象、処罰対象である親日派(チニルパ、朝: 친일파, 英: Chinilpa)について述べる。

新日派

「アシリパ」ならかわいいのに。

 

この新日派の「ボス」が李完用(り かんよう)という人物。
1910年の日韓併合によって、韓国は独立国から日本の一部になった。
このときの首相が李完用だったことから、いまでも彼は韓国国民から「売国奴」として軽蔑され憎まれている。

李完用は韓国政府によって「親日反民族行為者」に認定されていて、2005年に「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」というマジで韓国らしい法律が公布されたとき、李完用の子孫は国に土地を没収された。

日本人がこういう話をきいたらどう思うだろう?
「死者(死屍しし)にムチ打つ」という発想は日本人にはなじみがない。
だから国を滅亡させた「売国奴」とはいえ、約100年前の人間を憎み続けて法律をつくり、子孫の財産を奪ってしまうという発想や行為には、引いてしまうのでは?

 

「死者(死屍しし)に鞭打つ」という言葉は、2500年ほど前の中国での出来事にもとづく。
楚の国王「平王」に父と兄を殺された伍子胥(ご ししょ)という人物がその無念を晴らすために、平王の墓をあばいて死体を掘り起こし、ムチを打ったことに由来する。
辞書的には、「死んだ人の生前の言行を非難したり攻撃したりする(大辞林 第三版の解説)」という意味だ。

韓国にもこの考え方があって、「具体的に」それをする。
新日派・李完用は死体になっても許されず、韓国の独立が回復した後、彼のお墓は荒らされてしまう。
李完用の子孫も許されない。
付近の住民が長男の墓をあばこうとしたけど、墓石があまりにも固かっただめ、それはあきらめた。しかし墓は汚された。

日本ではこんな行為を聞いたことがない。

 

先週の朝鮮日報の記事(2019/03/20)を読んだときに、この出来事を思い出した。

韓国公営放送出演者「李承晩は米国の傀儡、国立墓地を掘り起こさなければ」

韓国の哲学者で思想家、大学の客員教授でもあるキム氏がテレビ番組で、李承晩(イ・スンマン)元大統領をアメリカの「傀儡(かいらい)」と非難する。
李承晩氏はアメリカの意のままに動いて、韓国と北朝鮮の分裂を生んだ「元凶」になったと言いたいらしい。

さらに番組の中で、李承晩元大統領がいま国立墓地に埋められていることをどう考えるか聞かれると、キム氏はこう答えた。

「当然、掘り起こさなければならない。我々は李承晩元大統領の下でうめき、自由党時代を経験し、4・19革命(四月革命)で彼を追い出した。彼は歴史の中で既に掘り出された人物だ」

 

李承晩は1965年に亡くなって、国立墓地に埋められた。
50年以上たってから、「当然、(死体を)掘り起こさなければならない」という発想にはハッキリ言って引きました。
でも、キム氏はこの過去の清算を「正義のおこない」と信じているはず。

 

日本と韓国の間にはいまも過去の歴史問題というでっかい壁がある。
100年も前のことを掘り起こして、再び問題化しようとするから、この壁は撤去されるどころか増築される一方だ。
でもこれは、韓国人にとっては「正しい行為」のはず。
それに李承晩元大統領への見方をみると、そういう態度は日本に対するものだけではない。
けっきょく韓国の人たちは、自分が正義の側に立って、過去の悪を掘り起こして責め立てることが好きなんだろう。

一方、日本人は過去を水に流してしまう。
いままでにインド人や他の外国人から「原爆投下で、日本人はいまでもアメリカを憎んでいないのか?」と何度も質問されたことがあるけど、そんな日本人は見たことがない。
うまく説明できないけど、日本人には辛い過去を流してしまうところがある。
といっても、それは憎悪を洗い流すのであって、事実を忘れるということではない。

でも、過去を“掘り起こす”韓国人からしたら、植民地時代の出来事を水に流すことは「悪」になる。

過去の歴史に対する認識がこうも違うと、日韓の壁ははなかなか崩れない。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

韓国”国家公認”の売国奴・李完用とは?子孫は墓をつぶした。

韓国の軍隊①芸能人と兵役逃れ・「国家の裏切り者」は許されない

韓国人の日本の文化への見方とは①小学校の歴史教科書から

恋愛事情にみる韓国人との違い①日本人の男は情けない!?

韓国の除夜の鐘①ソウルの普信閣・鍾路・明洞の観光(歴史)案内

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。