中国の料理より、台湾の料理のほうがおいしい理由って?

 

中国人から見ると、台湾人と日本人には「うらやましい…」と思うことがあるらしい。
それは旅の友・駅弁が中国のものより格段においしいこと。
東方網という中国メディアがそんな記事を載せていた。と、サーチナの記事(2019-06-10)に書いてあった。

台湾人や日本人は、出かけたときにこんなにおいしいものが食べられる!=中国メディア

ここで紹介されている台湾の駅弁はご飯の上に鶏肉や揚げた豚肉がのっているもので、約300円という安さのわりにボリュームがある。
ボクは台湾の駅弁を食べたことがないけど、普通の食堂によくこんな料理があった。
肉汁やたれがご飯にしみ込んでいて、きわめて美味。
中国人の目には、台湾の弁当は「コストパフォーマンスの王様」に映る。

一方、日本の駅弁については、日本は弁当大国で約4000種類の駅弁が存在すると紹介している。
訪日外国人にも人気があって、日本旅行で駅弁を食べることが楽しみになっているという。
日本の駅弁の特徴は地域性と季節性だ。
食材に地域の特産品をつかったり、季節の彩を加えたりして工夫している。

台湾と日本の駅弁について伝えたあと、この記事は、中国の高速鉄道が提供する弁当と比べると心が痛むという中国のネットユーザーの声を伝える。

いつになったら大陸でも台湾のように廉価で、日本のように鮮度の高い駅弁を食べられるようになるのか。列車のなかでカップ麺を作って食べる必要がなくなる日が1日も早くやってくることを望む

これはネット情報だけど、中国には賞味期限が半年という驚異の駅弁があるらしい。

 

このニュースに日本のネットの反応は?

・暖かいカップラーメンは、それはそれで中国らしくていいと思うけどな。
・そんなに不味いの?中国で飯食ってみたいなw
・中国に旨いもん教えるなよ。地球四個じゃ足りなくなる。
・台灣のお弁当は茶色いけどすごく美味い。
・フランス行ってもカップ麺食べてるんだってね。
部屋にケトル無くてフロントに聞いたら、中国人客が直接ラーメン茹でたり、部屋に匂いが付くから貸出し制にしたんだそうだ

 

 

個人的な経験だけど、中国より台湾の料理のほうが美味。
中国が本場で長い歴史があるはずだけど、ボクが会った日本人や台湾人のほとんどが台湾料理のほうがおいしいと言っていた。
といっても中国の料理がまずいということではなくて、麻婆豆腐とチャーハンで外れを引いた記憶がない。
中東のヨルダンやアジアのバングラデシュに比べれば中国の料理は天国だ。

中国と台湾を何度も旅行しているボクとしては、中国料理と台湾料理でなんでこんなにも味の差があるのかが疑問だった。
それでいままでにいろんな人(日本人・中国人・台湾人)に理由を聞いてみたから、今回はその意見を紹介しようと思う。

まずは、「中国は社会主義だから料理がまずい」説。
中国を旅行していた日本人と中国人の日本語ガイドからこの話を聞いた。
中国は社会主義の国で競争がなかった。
だから指示されたとおりに料理を作れば、それだけで給料をもらえたから、他店を圧倒する味を開発する努力は必要なかった。
料理人に向上心がなかったから味もおいしくならないし、ふつうの中国人もその味に慣れてしまった。

高級店は知らないけど、一般の食堂はこんな理由で、台湾と大きな差がついたという話を日本人と中国人から聞いたことがある。
ちなみに社会主義では競争という考え方がないから、サービスという概念もない。
だからいまでも庶民の食堂では、中国人店員の接客態度はかなり悪い。

 

次は「中国料理は台湾よりまずいわけではない」説。
味覚は人や国によってちがうから、日本人がおいしいと思った料理を中国人もおいしいと感じるわけではない。
だから日本人にとってイマイチと思う食べ物でも、中国人にとってはおいしいこともある。
だから日本人が台湾料理をおいしく感じるだけで、中国人には中国の料理が合っているという説だ。
でも、先ほどの「台湾人や日本人は、出かけたときにこんなにおいしいものが食べられる!」という記事を読むと、これはちがってそうな気がする。

 

 

最後はまじめな歴史の話。

「蒋介石が中国の一流シェフを台湾に連れてきた」説。

日本がアメリカに降伏して戦争が終わったあと、中国では毛沢東が率いる共産党と蒋介石率いる国民党による内戦(国共内戦)がはじまった。
この内戦は共産党の勝利に終わる。
敗戦によって、中国大陸にいられなくなった蒋介石と国民党は台湾へ移動する。
このとき、いろいろな貴重品もいっしょに運び込んだ。

国家の存亡をかけて残存する中華民国軍の兵力や国家・個人の財産などを続々と台湾に運び出し、最終的には12月に中央政府機構も台湾に移転して台北市を臨時首都とした。

台湾問題

中国にあった貴重な美術品も台湾に持っていって、それがいま台北の故宮博物院に展示されている。

 

国民党の蒋介石

 

「蒋介石はそのときに、中国中の一流シェフも台湾に連れてきたのです」

台湾総督府の日本語ガイドからそんな話を聞いた。
でも、いままでに10人ぐらいの台湾人に質問したけど、この話を知っていた人は1人もいない。
中国人のガイドにこの話をすると、「それは初めて聞いたけど、中国人の考えそうなことだ」と言う。
おいしくて体に良いものを食べることは中国人にとって人生の目的でもあるから、知識や技術のある料理人を根こそぎ持って行ってしまうことは十分考えられると。
この説には別の中国人も納得して、中国人にとって最高の財産は長寿と健康だから、蒋介石のしたことは理解できると太鼓判を押す。

ネットで探したら、台湾の情報サイトにそんな記事(2018.03.26)があった。

台湾グルメ、なぜ美味しい?蒋介石との関係は?

話はそれるけど、16世紀、豊臣秀吉による朝鮮出兵のとき、日本は腕のいい朝鮮人陶工を連れてきた。
有田焼の誕生には彼らが大きくかかわっているから、こういうことは世界中であるのだろう。

 

中国には「民は食をもって天となす」という言葉がある。
食を第一とする中国人らしい考え方があらわれている。
となると、中国の料理より台湾の料理のほうがおいしい理由は「蒋介石が中国中の一流シェフを台湾に連れてきた説」が正しい気がする。
さらに言えば腕のいいシェフを根こそぎ持って行かれて、残った料理人は「無競争」の社会主義体制のなかで向上心を失っていたら、中国と台湾との差は開く一方だろう。

 

以下、余談

「いまの中国には、むかしの伝統文化がほとんど残ってない」と言う中国人に何度か会ったことがある。
隋唐の文化は日本に行って(とくに京都)、明清の文化は韓国へ行って、中華民国の文化は台湾へ行ってしまった。
そして中国に残ったものは、文化大革命で中国人が破壊してしまった。
だからいまの中国には、中華の伝統文化が本当に少ないという。

でも中国には言葉を失うほどの自然があるじゃないですか。加油!

 

 

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2 件のコメント

  • ちょっと気になったのでコメント失礼致します。
    記事の後半に表示されている台湾の100元札の人物は蒋介石ではなく孫文です。
    蒋介石が載ってあるお札は旧札です、数年前から台湾政府は蒋介石を無くす方向で動いているようなので、あらゆる場面で無くされつつあります。

  • ああああああああ!
    ありがとうございます!
    そうなんですね。お札が変わっていたんですね。
    気づきませんでした。
    蒋介石の名前を冠した中山空港が変わったのは知ってましたが、お札は初耳です。
    すぐ訂正させていただきます。
    重ね重ねありがとうございました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。