このまえ3人の台湾人(全員が20代の女性)が旅行で日本にやってきた。
その台湾人を3日間、静岡と神奈川のあちこちに案内したから、今回はそのときのことを書こうと思う。の第二弾。
ちなみに、3人のうち1人は日本語ができる。
前回はこれ。
写真撮影が好きで、これにほぼ命をかけていた。
・漢字のちがい
台湾人が日本に来たら、日本人が台湾に行ったら漢字の違いに気づくはず。
このときは1人の台湾人から、「なんで日本では『珈琲』が手偏なんですか?」という質問を受けた。
台湾では「咖啡」と書くという。
飲み物だからそのほうが納得できる気がするけど、「手で持つから珈琲じゃね?」とテキトーなことを言っといた。
*このときは2人ともカン違いをしていて、後日、読者さんの指摘で気づいたのだけど、珈琲は「玉 王 (たま・たまへん・おう・おうへん)」だった。
*関係ないのだけど、コーヒーを韓国語で「コピ」と発音する。
だから韓国人がコピと言ったとき、「copy」とかん違いしたことがある。
日本語のわかる台湾人がほかの2人に「怪我」と「真面目」という漢字を見せる。
こんな漢字は台湾にはないから、2人ともわけわかめ。
「真面目はシリアスという意味」と聞いても、「なんで?」と2人とも漢字と意味が結びつかない。
でも、日本語を知っている台湾人でも「峠」は知らなかった。
これは国字(日本人がつくった漢字)だから、台湾や中国にはない日本だけのオリジナル漢字。
*日本統治時代の影響で台湾には例外的にあるけど、この3人は「峠」という漢字を見たのはこれがはじめて。
国字にはほかにも、畑・辻・働といった漢字がある。
くわしいことはここをどうぞ。
ボクが台湾や中国を旅行していたとき、適当な漢字で筆談していたことを話す。
文法は英語と同じにして、それっぽい漢字で文章をつくるとけっこう通じるのだ。
中国文化圏での旅行はこれが楽しい。
たとえば「わたしは台北行きのチケットがほしい」と伝えたいときは、「我欲票行台北」と書いて鉄道駅の職員に見せると分かってくれる。
3人の台湾人に「我欲票行台北」という文を見せたら、台湾や中国では「欲」ではなくて「想」をつかうから、「昔の文章みたいですね」と言う。
中国人はこの文を見て「唐朝(奈良・平安時代)の漢字みたい」と言っていた。
1人の台湾人は、むかしは(昭和のはじめごろまで)、日本も台湾とおなじ漢字を使っていたと話すと「本当ですか!」とおどろく。
まえに別の台湾人を愛知県の明治村に連れて行ったら、そこにある漢字は明治時代のものだから、「ここは台湾みたいですね」と親近感を感じていた。
漢字だけではなくて、台湾には明治・大正時代の建物がたくさん残っている。
修善寺にあったこの文を見ると、意味は問題なくわかるという。
さすがは漢字の民。
・元号
同じ漢字文化圏にあるせいか、新元号「令和」の意味をきいてきた、
漢字を見ても3人とも意味が分からないという。
「Beautiful Harmony=美しい調和」と説明しても、「令」にBeautifulという意味があるのは知らなかった。
ほとんどの日本人とおなじく、「命令」をイメージしたのだろう。
台湾に元号はないけど、似たものに「民国歴」というものがある。
孫文が辛亥革命(1911年)で清朝をたおしたことによって中華民国が誕生。
民国歴はその年の1912年を元年としていまに続いている。
だから西暦から1911を引くと民国年となる。
ことし2019年は108年だ。
くわしいことはここをどうぞ。
でも民国歴は元号とちがって変化はない。
これは民国歴89年だから、ちょうど西暦2000年
日本の元号は約1300年前からはじまった(第一号は「大化」)ことを話すと、3人とも歴史の長さに驚いていた。
今回はここまで。
続きはまた次回、再見。
>>>「なんで日本では『珈琲』が手偏なんですか?」<<<
>>>台湾では「咖啡」と書くという。飲み物だからそのほうが納得できる気がするけど、「手で持つから珈琲じゃね?」とテキトーなことを言っといた。<<<
「珈」と「琲」の左側の「王」は「玉(たまへん)」であって、「手(てへん)」ではありません。
「琥珀」「瑠璃」「珪」「珊瑚」「琉」等々、「王(たまへん)」の付く字は宝石に関するものです。
そして「珈琲」という表記自体は当て字です。
発音のよく似た文字を当てたのであって、本来の「coffee」の意味を表すものではありませんが、「珈琲」という表記の由来はの通りです。
【コーヒーの漢字「珈琲」は当て字!? 考案者は幕末の大物蘭学者】
https://hollys-corp.jp/about_coffee/20190831841/
日本の元号については、皇紀だと今年で丁度2680年です。
すなわち神武天皇の日本建国から2680年目を迎えた訳ですな。
ご指摘ありがとうございます。
そうですね。手編ではありませんでした。