海外の街で見かける看板は外国語の洪水だから、たいてい何が書いてあるのか分からない。
ときどき日本語の看板も見かけるけど、なかには外国語なみに意味不明のもある。
たとえば韓国の首都ソウルにはこんな日本語があった。
「エロい占い」でいいのだろうか。
しかもこの場所は超名門大学・梨花女子大学校のすぐ近く。
バイトをしているのはここの女子学生と考えていいのだろうか。
想像はふくらむばかり。
やっぱり韓国人の考えていることは分からん。
と思っていたら、日本人も仲間だった。
さいきん大阪に行ったアメリカ人がこんな写真をSNSに投稿していた。
「I am just surrounded by decadence!! Somebody get me back to Jesus Square!!」
(意訳)おれはいま堕落した空間にいる!だれか神の世界に連れもどしてくれ!!
eroticとは「性愛の」「性欲を刺激する」という意味だから、1回300円で、どこをどれだけ刺激してくれるのだろう。
想像はふくらむばかりだ。
日本の街にはこんなふうに変な英語がよくある。
でも、笑っていられるものばかりではない。
マレーシアのおかし
3年前、イギリスBBCにこんなニュース(8 November 2016)があった。
When a drink gets lost in translation
この英語が分からなくても、このツイートを見たらどんな内容か見えてくるはずだ。
アジア系の外国人が白昼堂々ドリンクを万引きにしててコンビニ騒然。店員と喧嘩。「何がいけないんだ」と叫ぶ外国人。
様子が変だから間に入って事情を聞いた。そしたら彼もコンビニも悪くなかった。悪いのはデザインだ。 pic.twitter.com/KAC2PGKlDQ
— どーも僕です。(どもぼく) (@domoboku) 2016年10月28日
*いつかツイートが削除されるかもしれないから、ここに言葉を書かせてほしい。
アジア系の外国人が白昼堂々ドリンクを万引きにしててコンビニ騒然。店員と喧嘩。「何がいけないんだ」と叫ぶ外国人。
様子が変だから間に入って事情を聞いた。
そしたら彼もコンビニも悪くなかった。悪いのはデザインだ。
コンビニやスーパーで、「FREE Tea」と書いてある飲み物を見たら外国人はどう思うか?
「マジかよ!無料なのか」と思ったのだろう。この外国人は店の中で堂々と飲んでしまった。
ポッカのホームページ「FREE Tea(フリーティー)」から
この「フリー」は精神的なストレスをやわらげるという意味で、「ご自由にお飲みください」ではない。
金を払わずに商品を飲んでいる人を見て、店員が黙っているわけがない。
口論になった外国人は、「ここに無料って書いてあるじゃないか。オレが何をしたっていうんだ」と怒る。
“What did I do that was wrong? It’s written right there on the label,” he apparently questioned angrily.
でも、説明を受けて事情を理解した外国人は、「The store should change its label(店はこのラベルを変えるべきだ」と言ってこの騒動は終わり。
日本に5年間住んでいるイギリス人にこのトラブルの感想を聞いてみた。
自分は日本社会の常識が分かるから、コンビニでその商品を見てもタダとは思わない。
でも「FREE Tea」とは無料のお茶ということだから、旅行で来た外国人なら飲んでしまうことは理解できる。
店や外国人ではなくてこの英語が悪いという。
それに意図して大文字にするというのは、英語では強調の意味になる。
たとえば「This is MY pen」と書いたら、「これ、わたしのペンだから」という感じになる。
だから、「FREE Tea」は二重の意味で誤解を生みやすい。
*話はそれるけど、まえにアメリカ人が「DIY」という看板を見て「あれは失礼だ」と言っていた。
すべて大文字だと、「おまえが自分でやれ!」という命令のようで不快に感じる。
「diy」ならOKだとか。
英語では「無料」だけど、日本の常識からするとそれはありえない。
旅行で来た外国人には、この判断がむずかしい場合もあるかもしれない。
もちろん、「いや、でも~」というツッコミどころは多々あるけど。
でも問題は英語より人で、外国人とのトラブルを見かけたときに、間に入る人がどれだけいるか。
ボクもそういう場面を見たら、できるだけ仲裁に入るようにしてますよ。
いまの日本には外国人とのトラブルを見たら、スマホで撮影を始める人のほうが多いような気がする。
FREE Tea ですが・・・。そりゃ誤解されても無理はない。
馬鹿げた商品名ですね。即、改めるべきだと思います。弁解の余地なし。社会に混乱を招くだけです。
そもそも日本のメーカーは商品名としてアホな英語を使いたがるけど、誰か最終チェックとかしないのでしょうか?これ、新商品として開発するのに莫大なコストをかけてるんでしょ?英語が話せて一般常識のある外国人に商品名をチェックしてもらう程度のこと、どれほどコストUPになるというのですかね。
小学生に英語を勉強させるというなら、まずは大人が範を示すべき。
ま、おそらく部外者からの意見を非常に嫌がり、内輪の合意が最優先の体質(つまり「和」の精神)を有する、日本企業に特有のおかしやすいミスだと思いますがね。現在の日本の企業経営者は、企業イメージが傷つくことのリスクを未だに分かってない者が多いようです。大失敗しないと懲りないらしい。
この商品名はマズいですね。
でもポッカほどの企業なら、外国人社員や英語のでいる日本人社員がいると思います。
どういうチェック体制になっているのか。
でも、私がコンビニやスーパーで見た限りでは販売されてませんでした。
ひょっとしたらもう出回っていないかもしれません。
どこの企業でも、形式的にはチェック体制があるのですよ。あるいは監査役とか、内部監査組織とかね。
でもね、日本企業の組織は、組織外からの声に真剣に耳を傾けようとする姿勢に乏しい。「ここまでやったのに今になってやめては、これまで努力した担当者の努力が無駄になるので気の毒だ。多少のトラブルにはなるかもしれないが、部外者が懸念するほど酷い事態にはならないだろう」と。
そして世間から、あるいは敵国から、ライバル企業から、叩かれ大失敗してようやく気付く。TVの前で土下座する羽目に陥る。犯罪行為とみなされて逮捕されたりもする。インパール作戦大失敗も、八甲田山の死の行軍も、文禄・慶長の役での多くの無駄死にも、結局そうやって起きたのです。
日本人の弱点は今も昔も変わってない。いつでも「和」が正しいとは限らない。時に、普段の和を離れた位置からぽつんと示された鋭い智恵の一言の方が、正しい場合もあるのです。
外から「和」を乱す存在が常に正しい訳ではないが。
企業の事情にお詳しいですね。
結局、内側の論理を優先してしまうのでしょうね。
>「ここまでやったのに今になってやめては、これまで努力した担当者の努力が無駄になるので気の毒だ。
これを見て戦艦大和を思いだしました。
戦艦を作ってい途中で、もう巨大な戦艦で戦う時代ではないことにみんな気づいていたのですけど、「ここまでやったのに今になってやめては」という論理(空気)で、反対できずに時間とお金をかけてつくったけど、活躍する前に沈められてしまいました。
「和」は弱点を兼ね備えた長所ですから、うまく利用しないとだめですね。