いよいよあした(6月28日)から、大阪で主要20か国・地域(G20)首脳会議が開かれる。
それを目前にして韓国の文(ムン)大統領が日本にこう呼びかけた。
「私はいつでも対話の門を開いている。G20の機会を活用できるかどうかは、日本にかかっている」
これに対して日本政府関係者は、「会っても話すことはない」とまるで眼中にない。
慰安婦問題や徴用工問題での文大統領の対応が「全くトンチンカンだ」ということで、G20での日韓首脳会談は見送られた。
くわしことはFNNプライムニュース(2019年6月27日)をどうぞ。
日韓は首脳会談予定なし「会っても話すことない 議長・安倍首相 各国首脳と会談へ
でも日本はホスト国で参加国を温かく迎える義務がある。
文大統領と目が合ったら、安倍首相は立ち話ぐらいはするかもしれない。
でもトランプ米大統領のように2分あればいい。
「招待したけど会わない」というのもひどい話だけど、文大統領の所業を思えば納得の塩対応だ。
原因をつくった側に結果が返ってきただけのこと。
いまの日韓関係が「最悪」ということはこのブログで何度も書いてきた。
その理由は満場一致で韓国にある。
元徴用工の問題は1965年の請求権協定で、完全かつ最終的に解決されたことを日韓両政府が確認した。
でも韓国の最高裁判所がきょねん、この約束をひっくり返して日本企業に賠償を命じる。
日本はすでに韓国側にお金を渡していて、これ以上払うものはない。
二重取りは認められない。
国家間の合意を破る国際法違反の状態を韓国政府はどう是正するのか?
身内のミスは身内で処理するしかない。
韓国の政府と企業で基金をつくって原告側に慰謝料をわたすというのなら、日本政府はその案を受け入れたはず。
G20では、立ち話以上のことができただろう。
でも韓国政府が提示した案は、韓国と日本の企業がお金を出し合って原告側にわたすというとんでもないシロモノ。
日本企業に払わせることが国際法違反なのだ。
そう日本は何度も言っているのに、韓国政府はこの点をまったく正していない。
日本が国際法に反することを認めるはずもなくて、「全くトンチンカンだ」となる。
それで韓国文大統領はG20に招待されたけど相手にされない、という状態を招いてしまった。
Youは何しに大阪へ?
日本政府があきれ返った解決案を文大統領は、「現実的で、日韓関係を一歩前進させる措置」と自画自賛。
そして自信ムンムンでこう言う。
聯合ニュースの記事(2019.06.26)
「過去の歴史問題は韓国政府が作り出しているのではなく、過去に厳密に存在した不幸な歴史によるものだ」と強調。請求権協定が締結されたが国際規範と人権意識が高まったことで傷が表面化したとした上で、「被害者の苦痛が進行中であるという事実を受け入れなければならない」
日本に提案の強制徴用巡る解決策 「韓日関係を進展させる措置」=文大統領
過去に存在した不幸な歴史は1965年の話し合いで完全に解決した。
韓国側がまた問題化するからいまの混乱がある。
「国際規範と人権意識が高まった」としても、国家間の約束を変えることはできない。
「被害者の苦痛」があるなら、合意の下で韓国政府が解決しないといけない。
でも文政権は責任を「不幸な歴史(=加害者の日本)」に押し付けるだけで、当事者意識が皆無にして絶無。
こんな相手では話しても無駄で、むしろ会うだけでデメリットのほうが大きい。
ネットの書き込みを見てみたら、表現が違うだけで、言っていることはいまの日本政府とだいたい同じ。
・国内問題だろ、それ。
・まずは条約守れよ
・日本を巻き込むなよ
・もう韓国の現政権とは話するだけ無駄やな
・韓国は国際法を守るという当たり前の事は絶対にやらないのな
・>請求権協定が締結されたが国際規範と人権意識が高まったことで傷が表面化したとした上で
5億ドルものの金を韓国政府が個人に回さず経済インフラ整備にあてたんだから
当然個人を補償すべきなのは政府でしょ
韓国政府が示した案はさすがにひどすぎた。
朝鮮日報の記事(2019/06/26)によると、国内からも批判の声が上がっている。
強制徴用:専門家ら、韓国政府の基金案を批判「責任逃れ」「被害者中心主義と矛盾」
韓国政府は原告側にわたすお金を韓日の企業が「自発的」に出す、としている。
つまり政府は言うだけで、あとはほったらかし。
「出すべきと思う企業が出せばいい」という果てしなく無責任なもの。
だから元駐日大使のシン・ガクス氏はこうあきれている。
「そもそも政府なしで韓日企業だけが参加する『1+1』2者基金案は現実味に欠けるし、『迅速な被害救済』を掲げる韓国政府の趣旨にも合わない」
「被害者の苦痛が進行中であるという事実を受け入れなければならない」と言った文大統領を、世宗研究所のチン・チャンス首席研究員はバッサリ斬りすてた。
慰安婦問題でも『被害者中心主義』を強調してきた韓国政府が、日本政府や韓日企業はもちろん、強制徴用被害者ともきちんと話し合いをしないままでいるのは矛盾している。
韓国メディアも頭をかかえるしかない。
「G20の機会を活用できるかどうかは、日本にかかっている」と胸を張る文大統領に、「会ってもムダ(話すことはない)」という対応は当然。
それ以外の選択肢を文氏が消したのだから。
文大統領が大阪で何をするのか分からないけど、G20が終わっても、結局何しに来たのか分からないと思う。
人気取りのためにわが国に対し攻撃的な外交政策をとった結果、日韓関係のみならず国際的な信用まで低下し、その失政への非難が高まるとわが国にさらなる責任転嫁。文政権の対日外交は完全に支離滅裂であり、もはやまともにとりあうに値しない。#韓国 #外交 https://t.co/nl9AXMlIeY
— 石原伸晃 (@IshiharaNobu) 2019年6月26日
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>その理由は満場一致で韓国にある。
その見解は間違ってますね。少なくとも韓国はそんな見方に同意していません。
よって「満場一致で」という表現は正しくない。
せめて、「韓国を除けば、世界中のほとんどの国がこの見解に賛同だと思う」、あるいは「日本国内での見方では、ほぼ満場一致で韓国にあるとしている」、あるいはまた「~と自分は考える」程度には正確に表現すべきと思います。現実を正しく認識できずに自らの願望・主張を続けていると、いずれは韓国と同じ闇に落ちるだけ。
嘘を拡げることで世の人々の考えを歪めることは、フェイクニュースの役割です。
「満場」の「場」の解釈によって、「正しい」は変わってきます。
そしてその解釈は読み手にゆだねています。