「ボイコット」という言葉について、辞書にはこんな説明がある。
ボイコット(boycott)
1 組織的、集団的にある商品を買わずに、取引を拒絶すること。
2 団結して特定の人を排斥したり、会合や運動などに参加しないこと。デジタル大辞泉の解説
日本語で不買をあらわす「ボイコット」は、イギリス人のチャールズ・ボイコット(1832~1897)に由来する。
The word boycott entered the English language during the Irish “Land War” and derives from Captain Charles Boycott
チャールズ・ボイコットはアイルランド人の小作人にひどい扱いをしたため、団結した小作人の抵抗運動によってアイルランドから追い出されてしまった。
これによって、ボイコットさんは歴史にその名を刻まれる。
小作人にボイコットされたボイコット
さて話は韓国だ。
日本政府は対韓輸出の規制を強化したことで、韓国側は壮絶に反発している。
この措置は日本の安全保障上の対応なのだけど、韓国の政府やマスコミは「日本の報復」と非難する。
これについては、日がたつにつれて日本の主張のほうが説得力を増しているようだ。
たとえば最近、兵器への転用が可能な戦略物資が韓国から密輸出されていたことが判明。
しかもその数は4年間で156件で、密輸出されたモノも恐ろしい。
FNNプライムニュース(2019年7月10日)
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺の際に使用された神経剤「VX」の原料がマレーシアなどに密輸出されたほか、今回の日本の輸出優遇撤廃措置に含まれるフッ化水素もUAE(アラブ首長国連邦)などに密輸出されていた。
韓国から戦略物資の密輸出 4年で156件 韓国政府資料入手で“実態”判明
この事実を受けて、国連安保理北朝鮮制裁委員会のパネル委員だった古川勝久氏はこうコメントする。
「韓国政府がこれまで公表していなかったことに驚いている」
「この情報を見る限り、韓国をホワイト国として扱うのは難しいのではないか」
さすがにこれでは、日本が韓国を優遇する必要性が分からない。
輸出規制の必要性しか見えてこない。
でも、こんな情報は伝わっていないのだろう。
あの国では日本製品の不買運動が止まらない。
「FLASH」の記事(2019-07-05)
韓国で広がる日本製品不買運動「ユニクロ」は売上が17%減少
政府に日本への報復措置を求める国民請願は、7月5日の時点で2万8000を超えた。
街では「BOYCOTT JAPAN」と書かれたポスターが増えていて、ネット掲示板では「日本製品不買リスト」が拡散され、トヨタ、パナソニック、ABCマートなどがターゲットにされている。
「戦犯企業」と悪意のレッテルを貼ることが常識となっている社会だから、すでに爆発する準備はできていたのだ。
首都ソウルでは小売業者のグループが「日本製品の販売中止」を宣言し、「歴史を忘れた民族に未来はない」という横断幕をかかげる。
そして、日本企業のロゴが描かれている箱を踏みつぶすパフォーマンスが行われた。
この様子は日本のテレビでも放送されたから、知っている人も多いはず。
上の記事によると、この不買運動でユニクロが大きな被害を受けている。
7月1日から4日までの間の売上が、昨年に比べて17%減少したという。
ただこのボイコット運動に参加している韓国人の中には、“同士討ち”をはじめる人も出てきた。
日本企業に対する不買運動で、まったく関係ないのにとばっちりを受けている企業も多い。7月5日付の『マネートゥデイ』によれば、「CU」と呼ばれる韓国最大のコンビニチェーンも被害を被った。
コンビニのCUは2012年までファミリーマートと提携していたから、「韓国の国内企業で、資本もまったく関係がない」にもかかわらず、攻撃を受けてしまった。
日本のダイソーとはまったく関係ない韓国企業の「ダイソー」も不買運動の標的にされている。
「歴史を忘れた民族に未来はない」と叫ぶ民族が敵を見失ってどうするのか。
「BOYCOTT JAPAN」は韓国で活動している日本人アイドルにも影響がおよび始めた。
ネット上では、TWICEやIZ*ONEの日本人メンバーを韓国から追放すべきという声が上がっている。
でもさすがにこれは、行き過ぎと感じる人も多いようだけど。
ともあれ、いまの韓国社会を見ると「まだまだ『不買運動』は収まりそうにない」という。
ヤフコメの反応を見ると、“歓迎”する人が多い。
ボイコットによって韓国ではユニクロの売上が17%減少したそうだけど、日本では韓国の好感度がどれぐらい減少するのだろう。
韓国では多くの人が日本製品の不買運動に熱心なのだけど、これは具体的にどれほどの効果があるのか?
ボクが見た限りでは、「派手な見た目ほどはない」というものばかりだ。
一例をあげれば中央日報にこんな記事(2019年07月05日)がある。
「日本産製品不買運動」「日本観光自制」などの世論が形成されているが、これは日本経済に及ぼす影響が小さいうえ、感情の溝を深めるだけだ。
韓国、日本の経済報復に急いで対応も…有効カードなく
日本製品不買の「パフォーマンス」は日本経済にはほとんど影響をあたえないけど、日本国民の心には刻まれた。
日本人の感情を傷つけた効果が出るのはこれから。
このイベントの料金は後払いだ。
日本は料金の回収を忘れてはいけない。
ボイコットの“始まり”は最後にどうなったか?
「韓国から戦略物資の密輸出 4年で156件」の今後も気になるところ。
国民はこんなことをしているけど、いま韓国経済は絶不調だ。
国内では仕事を見つけられないから、日本企業の門をたたく韓国の若者は多い。
「BOYCOTT JAPAN」がはじまる直前、朝鮮日報が記事(2019/06/29)でこう書いていた。
ソウル市内のCOEXで開催された日本企業採用博覧会には、「戦犯企業」と名指しされる住友グループ系列の「住友商事」などの名前も見られた。ある求職者は「今は敏感な時期だから、日本企業に入社を志願したということは周囲の人たちに話せない」と言った。
韓日首脳が8秒間握手した日、韓国の「日本企業就職フェア」は大盛況
日本企業を“戦犯”と呼び、足で踏みつける一方で、履歴書を持ってブースに並ぶ。
いまの韓国には反日と用日があるけど、良い意味での親日が見当たらない。
こちらの記事もどうぞ。
> ・日韓友好を願っているので、韓国の反日には厳しい目を向ける。 → ・真の日韓友好を・・・
と、表現を少し変えてはいかがでしょうか。現状のままだと、単なる「皮肉」と区別がつきません。
まあ、それがブログ主さんの真の意図だと言うなら、このままでいいのですが。おそらくそうではないと思う。
ご指摘ありがとうございます。
おっしゃることは的確ですので、もう少し考えて対応したいと思います。