世界の国名・地名:語尾の「イア(ia)」はラテン語で「~の国」

 

むかしむかし、静岡県の中部は「駿河国(するがのくに)」と呼ばれていた。
伊勢国、出雲国、近江国などそういう古称は日本にたくさんある。

日本語の「~国」のように、国名や地名を表英語は「~ランド」になる。
ディズニーの国は「ディズニーランド」、不思議の国は「ワンダーランド」、レゴの国は「レゴランド」みたいな。

ラテン語ではこれが「~イア(ia)」になる。
*ラテン語はヨーロッパのむかしの言葉で、カトリックではいまでも使われている。

だから世界地図を見ると「~イア」という国がたくさんあるのだ。

ルーマニアは「ローマ人の国(土地)」という意味。
ロシアは「船を漕ぐ人」の意味とされる「ルーシ(ルス)人の国」が由来といわれる。
ブルガリアは「ブルガール人の国」。
リトアニアは「リトアニア人の国」。
オーストリアは民族名ではなくて「東方の国」。
カリフォルニアは、アメリカ先住民の女王「カリフィア」の土地。
アラビアは「アラブ人の土地」。

駿河国だと「スルガニア」になってかなりかっこいい。あ、富士宮って、ひょっとしたら語尾はラテン語?
地名を表すラテン語の「ia」の影響は世界中にあるのだ。

東を表す「asu (アス)」にイアがついて、「アジア」ができたといわれる。
このアジアがヨーロッパにくっついて「ユーラシア」ができた。

きのうの記事で書いたマレーシアは「マレー人の国」。
オーストラリアは「南の地」に由来する。
ラテン語の「Nova Zeelandia(新しい海の土地)」からニュージーランドができた。
オーシャン(海)とイアで「オセアニア」の完成。
他にもインドネシア、ポリネシア、ミクロネシアなど語尾に「~イア(ia)」がつく国名や地名は山ほどある。
*ミクロはギリシャ語で「小さい」という意味。英語読みだとマイクロ。

パタゴニアは巨人族「パタゴン」の住む土地という意味で、16世紀に南米のこの地を訪れたマゼランによってつけられた。
くわしいことはここをクリック。

パダゴン

キッザニアは、ここまで読むと予想がつくと思うけど「子供の国」。

海外旅行で飛行機に乗ったとき、機内地図を見たらきょうの話を思い出してください。
ちなみに、「カントリー」はラテン語の「contrata terra(向こう側の土地)」が語源になってますよ。

 

17世紀のパタゴン(右)のイラスト

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。