韓国の反日感情は“燎原の火”、民間交流も「親日を超えて売国」

 

古代中国の歴史書に「書経」がある。
この書は意外と日本人とのかかわりがあって、昭和という元号は書経の「百姓昭明、協和萬邦(国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う)」からできた。
おまけにいえば、この書の「地平天成(国の内外、天地とも平和が達成される)」という言葉から、平成がつくられた。

この書経にはこんな言葉もある。

「火の原に燎えるが若く、郷邇す可からず。其れ猶お撲滅す可けんや(野原に火が燃え広がるように、近づくことも消しとめることもできない)」

すさまじい勢いで広がっていき、手のつけられようのない状態をさす「燎原の火」という言葉はここから生まれた。
山火事と同じようなものだから、現在の日本人でもその様子は想像できるはず。

 

韓国ではいま、日本製品の不買運動が燎原の火のように広がっている。
日本のビールがスーパーやコンビニから撤去されて、日本企業のロゴが描かれた段ボール箱がいっせいに踏みつぶされるパフォーマンスも行われた。
「日本車ならガソリンの提供を拒否する!」というガソリンスタンドまで登場した。

もともと韓国社会には反日感情という広大な原野があったから、何か火種があったらすぐに炎が燃え広がる状態ではあった。
韓国のSNSではこんなものも広くシェアされている。

「ボイコットジャパン」の炎は市にも飛び火した。

レコードチャイナの記事(2019年7月24日)

日本旅行ボイコットの韓国、教育庁職員が税金で訪日し批判浴びる「国民はキャンセル料を払ってまで…」

韓国では日本旅行を取りやめて、違約金を払って予約をキャンセルした証拠画像をSNSにアップすることが流行っている。
そんななか、清州教育庁(教育委員会)の職員らが日本を訪問していたことが発覚して、市民からバッシングを受けてしまった。

これはもともと予定されていた民間交流で、政治的な意図や目的は何もない。
「国際教育文化交流 日本鳥取市訪問」という名目で、清州市の中学校のバレー部員と引率者、それと教育庁の職員が3泊4日の日程で日本を訪問した。

するとこれを知った韓国国民が激怒。
上の記事ではこんな声を紹介している。

「国民はキャンセル料を払ってまで日本旅行を自制しているのに、公務員が血税で日本旅行?それも教育庁が!信じられない」
「悲しい。清州は韓国ではないの?」
「訪問団の名簿を公開するべき」
「清州教育庁長と関連の公務員に懲戒処分を。この行為は親日を超えてもはや売国」
「批判されることは予想できたはず。それなのになぜ?」

なかには、「こうした努力で少しずつ日韓関係がよくなりますように」という声もあったけど、燎原の火というのはそれぐらいで鎮火することはない。
中世のヨーロッパで「異端の罪は異教の罪より重い」と言われたように、許せないのは目の前の敵より身内の裏切りだ。

いまの韓国で日本に理解を示す人間(親日)は売国奴と変わらない。
そういう人間を見つけて攻撃する「魔女狩り」がはじまっているのだ。日本へ旅行に行った韓国人を見つけ出して、その人のSNSを拡散する動きもある。
反日感情の火はここまで広がっている。
書経に出てくる言葉そのもの。

「火の原に燎えるが若く、郷邇す可からず。其れ猶お撲滅す可けんや(野原に火が燃え広がるように、近づくことも消しとめることもできない)」

 

今回、清州市が民間交流として鳥取に行ったら、「清州教育庁長と関連の公務員に懲戒処分を」とたたかれてしまった。
その鳥取では、ことし4月に韓国の束草市で大規模な山火事が起きたとき、それを知った米子市の職員が心を痛めて募金活動をはじめた。

その義援金が最近わたされたと聯合ニュースの記事(2019/7/15)にある。

米子市は束草市に対し、「苦しい状況にある被災者の皆さんが災害の痛みを乗り越え、克服するために少しでも助けになればと義援金を募った」と伝えた。

鳥取県米子市 山火事被災地の韓国・束草に義援金

日本は比較的冷静だから、こんなことがっても「この行為はもはや売国」なんて非難の声は上がらないはず。

 

 

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2 件のコメント

  • 仕事で訪日するのが駄目なら、輸出管理強化の直後に日本を訪れたサムスン電子の副会長や、経産省の事務的説明会に出席した通商産業資源部の官僚も批判すべきでは?
    反日の為なら遡及法が成立しても、時系列を無視しても問題ないという姿勢なのだから、今からでも批判すべきでょう(笑)

  • そのへんは計算された反日ですからね。
    自分たちにデメリットがあれば、不買や日本旅行ボイコットの対象外です。
    たとえば日本製のCTスキャンはみんな使うでしょう。
    それに日本製品の不買運動を伝えるテレビカメラはソニー製ですから。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。