韓国の矛盾：「日本は後進国だ！」「ホワイト国除外しないで」

今月７月１日、日本は韓国に対して輸出管理を強化すると発表した。
世耕経済産業大臣が指摘するように、こうなった原因は韓国にある。

「国際的な信頼関係」という土台がなくなったのは、韓国側が慰安婦合意で日本との約束を破ったことや徴用工訴訟問題で国際法違反を犯したことが背景にあるはず。

といってもこれは「韓国には輸出しません」ということではない。
それまで優遇していたのをやめて、韓国を中国やタイと同じ「ふつうの国」にしただけのこと。
EUも韓国に対して同じことをしているのだから、「WTOのルール違反」という指摘は見当ちがい。
日本は８月中にも韓国を、友好国として輸出手続きを簡単にする「ホワイト国」から外す方針だ。
これも差別的な措置ではなくて、韓国への特別扱いをやめて「ふつう扱い」にするだけ。

でもこれをやられると、韓国経済は大ダメージをうけてしまう。
それで韓国は心を入れ替えて、日本との信頼関係回復に励むようになった。
という夢を見た。

実際には大激怒。
日本の輸出管理強化を「日本の経済報復」、「経済的挑発」と呼び、韓国与党は「日本の経済報復対策特別委員会」を設置する。
「そんな委員会を立ち上げて、日本に対して具体的にどう対応するのだろう？」と思ったら、委員会はその後、「日本の経済侵略対策特別委員会」に名称を変更した。

報復を侵略と言い換えて、現実がどう変わるかさっぱり分からない。
全滅を「玉砕」、敗走や撤退を「転進」と呼んだ日本軍と重なってしまう。

７月25日、そんな「日本の経済侵略対策特別委員会」の委員長チェ・ジェソン氏が「経済侵略」という言葉を５回使いながら、公の場で日本に怒りをぶちまけた。

中央日報の記事（2019年07月26日）

日本経済侵略対策特別委委員長「日本、自国企業の被害甘受…神風自爆を想起」

チェ氏はこう主張する。

「自国企業の被害まで当然視する態度で神風自殺爆撃が行われた真珠湾空襲が想起される。（戦犯国）日本は経済戦犯にならないよう願う」

＊韓国では現在の輸出管理がかつての日本軍と重なったようだ。
でも真珠湾攻撃は戦争のはじまりで、神風特攻隊が登場したのは戦争末期で時期がまったくちがう。正しい歴史認識を持つよう願う。
「経済戦犯」という用語は初耳。「経済での戦争犯罪国」ということか？
事実ではなくて気分で言うから、こんな正体不明のUMAのような言葉が生まれる。

「今回の経済侵略の最終終着点は明らかだ。韓日葛藤を意図的に増幅して憲法を改正して再武装しようとすることだ。戦犯国日本の再武装という妄想は後戻りできない世界経済の破壊につながるだろう」

＊韓国経済がそうなるかもしれないけど、世界経済にはほぼ関係ない。
だからWTOの一般理事会に参加した約160の国の中で、韓国の主張に賛同した国は1カ国もなかったのだ。
輸出管理が再武装につながるという発想は韓国ならでは。

「実状をよく見てみると戦略物資統制の部分において日本は深刻な後進国だ。（日本を）国連安保理制裁委員会に回付することを政府に要請する」

香辛国でも後進国でも好きに呼べばいい。
日本を国連安保理に訴えたいならそうしたらいい。

「日本の経済侵略対策特別委員会」の委員長がこう言った次の日、韓国の外交部長官（外務大臣）のカン・ギョンファ氏は河野外務大臣にこう訴えた。

読売新聞の記事（7/26）

「ホワイト国」除外しないで…韓国外相が河野氏に要求

この見出しだけで十分なのだけど、カン外相は河野外相と電話で話したとき、いま日本が行っている輸出管理の厳格化を撤回することと、「ホワイト国」から韓国を除外しないことを求めた。

やってることがデタラメ。

国内では「神風自殺爆撃が行われた真珠湾空襲が想起される」、「（戦犯国）日本は経済戦犯にならないよう願う」、「日本は深刻な後進国だ」と叫んで、同時に日本には「『ホワイト国』から除外しないで…」と訴える。

言っていることがちぐはぐだけど、こんな態度は一貫している。
国内では反日的言動を行い、日本には経済協力を求める。そんな「ツートラック戦略」は韓国の基本的な外交姿勢で、これはまったくぶれていない。
世耕大臣の言う「信頼関係の低下」というのはこういう部分をふくめてのことだろう。