日本と韓国の関係はいま、「最悪」といっていいほど悪化している。
それは日韓の政治家の共通の認識で、それを改善させたいという認識も一致している。
それできのう8月20日、日本の現職国会議員と韓国の元議員が集まって、「近い隣国、共存共栄する韓日両国」というセミナーを開いたのだけど、近い隣国が共存共栄することがどれだけむずかしいかを知った。
韓国側は「相互譲歩で問題を解かなければならない」、「大きく見て大きな外交で道を開こう」などと、日本による対韓輸出の管理強化措置を撤回するよう求めた。
それに対して日本は韓国側の約束違反を強調して、「1965年の請求権協定を守ってほしい」「2015年の慰安婦合意を守ってほしい」と訴える。
韓国は日本との約束や国際法を守ろうとはしないし、日本も韓国に譲歩して輸出管理の強化措置をやめる意思もない。
いまの日韓が話し合っても、まるで話し合いにならないことがよくわかった。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
この記事を書いていて改めて思ったのだけど、日本と韓国では価値観が根本的に違う。
日本は約束やルールを守ることをとても大事にしているから変更はきかない。
これに対して、韓国は情を優先するから融通がきく。言い換えれば遵法精神に欠ける。
そんな日韓が話し合ったら、疲労感しか残らないのは当たり前。
これと同じようなことは1か月ほど前の中央日報にも書いてあった。(2019年07月12日)
平行線の韓日 「文は大義を叫び、安倍は契約書にこだわった」
「韓国は約束や法を守らない」ということは、じつは韓国寄りの外務省高官も思っているらしい。
普段は韓国に融和的な日本外務省の高位官僚も私席では「ところで韓国憲法には国際法を守らなければならないという内容はないのか」「国際法に対する認識がどうか」と皮肉るように質問してくる場合が結構ある。
皮肉っているのではなくて、私的な場だからきっとこれは本音。
日本は国家間の合意や国際法にはしたがう。だから、韓国との間で交わした請求権協定や慰安婦合意では、約束した内容をすべて履行した。
でも韓国は合意も法も無視したから日本が激怒して、いまの最悪の日韓関係が出来上がった。
安倍首相の「徴用工問題は歴史問題ではなくて、国際法上の国と国の約束を守るのかということだ」という主張は国民からも支持されている。
これは日本人の価値観に合ったものだから。
でも韓国はこの考え方を嫌う。
文大統領の「過去に不幸だった長い間の歴史のために作られている問題だ」という主張に韓国国民は賛成する。
正しさが優先される「大義名分社会」の韓国では、正義の前では合意や法がかすんでしまうのだ。
それでも、「約束違反しましたが、それが何か?」と開き直るのではなくて、独自の解釈をして「韓国側は約束を破っていない」などとごまかしてしまうことが多い。
もしくは請求権協定や慰安婦合意を「間違い」として、もっと正しい合意を結ぶことが正義にかなっていると主張する。
こんな意見が韓国人の価値観に合っているから、上の記事には、「日本は実物契約書の通りしろという原則である反面、韓国的情緒は」それを認められないと書いてある。
日韓のこんな対立は以前もあった。
2011年に京都でおこなわれた韓日首脳会談で、イ・ミョンバク大統領と野田佳彦首相が慰安婦問題について話をしたとき、意見がぶつかるだけでまったくかみ合わなかった。
李大統領が「慰安婦は法の前に国民の感情の問題」と述べると、野田は「日本政府の法的立場を知らないのか」と対抗した。会談後、ソウルに戻った李大統領は「弁護士のようにずっと『法、法』だけ話していた」と不快感を隠さなかった。
平行線の韓日 「文は大義を叫び、安倍は契約書にこだわった」
韓国の言う正義や歴史、大義というのは、結局韓国の国民感情に合ったものでしかない。
日本が法や国家間の約束より、韓国的情緒を優先することはあり得ない。
でもそれを前面に押し出すと、「不快感を隠さなかった」となる。
文大統領がまさにこんな状態だろう。
でも近代国家なら感情より法だ。韓国はアキラメロン。
国際社会の一員なら、情緒より国際法を優先しないといけない。
いま中国で韓国のカン外相が「韓国は対話によって合理的な方法を見いだそうとしているが、日本が応じず、困難な状況だ」と文句を言っている。
韓国側は対話と言いつつ、主観的な意見を押し付けて日本に譲歩を求めてくるから、河野大臣も相手にしていられないのだろう。
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