【おいでませ】外国人が衝撃を受けた日本人のおもてなし

 

戦国時代の日本へやって来て、キリスト教を広めたヨーロッパ人の宣教師といえばフランシスコ・ザビエル。
当時の日本人を見てザビエルはこんな感想を持った。

日本人は、総体的に、良い素質を有し、悪意がなく、交わって頗(すこぶ)る感じがよい。

「日本絶賛語録 小学館」

戦国時代のわりには、日本人は穏やかだったらしい。

 

時間は一気に進んで大正時代、人類を代表する天才物理学者・アインシュタインが来日した。
日本人のおもてなしを受けたアインシュタインはこんな印象を持つ。

日本人はこれまで知りあったどの国の人よりも、うわべだけでなく、すべての物事に対して物静かで、控えめ、知的で、芸術好きで、思いやりがあってひじょうに感じがよい人たちです。

「日本絶賛語録 小学館」

 

とはいえ、日本では人力車に乗ることをすすめられたけど、「非人道的な奴隷労働」と思って乗車を拒否したエピソードがある。
でも、それとは比較にならないほど非人道的なモノ、原子爆弾の開発に貢献してしまったことについて、アインシュタインは心から悔やんで、湯川秀樹に涙を流して謝罪したという。

その他、アインシュタインと日本についてはこちらをどうぞ。

アインシュタインは2人の息子にあてた手紙において「私が会ったすべての人々の中で、日本人が一番好きだ。謙虚で物分かりや察しがよく、技術に対する勘があるから」と訪日した際の感想を述べている。

アインシュタインと日本

大正時代の日本へやってきて、歓迎を受けるアインシュタインと妻のエルザ

 

さて今年の夏、日本で英語を教えているカナダ人の女性がタイへ旅行に行った。
バンコクの空港に着いて、まず思ったことは「ここは日本じゃない」ということだった。

 

 

乱雑に置かれた乗客のスーツケースを見て、そのカナダ人は「日本だったらあり得ない」とつぶやく。

「Me, muttering to myself: “This would not happen in Japan.”」

カナダ人にそう思わせた日本の対応はどうなのか?
きょねんイギリス・メディアのメトロが「ショッキング」という言葉を使って、日本の空港の様子を記事で紹介した。(2018/04/02)

Shocking video reveals how baggage handlers deal with luggage in Japan

その衝撃映像がこれ。

 

 

メトロの記事にはこう書いてある。

Far from the violent treatment that many of us have come to expect when our precious luggage arrives at out destination, in Japan they actually clean it for you.

 

私たちの大事な荷物を決して乱暴にあつかうことなく、日本の空港では職員が荷物を掃除してくれている。
外国人がこれを見たら、たしかにショッキングだ。

ボクはいままでに20回以上、日本の空港を利用したことがあるけど、職員が荷物のひとつひとつを手で拭いてくれるおもてなしを見たことがない。
これはどこの空港なんだろう。

 

実際、海外の空港では、腹立つぐらい荷物が乱暴にあつかわれる。

2017年にはロンドンのルートン空港で、職員が荷物を放り投げているところを乗客が撮影して&SNSにアップしたところ怒りの声が殺到した。

 

メトロの記事は、「We should all try and be a bit more like Japan」という言葉でしめくくっている。私たちもがんばって日本に近づこう、とお手本にされてしまった。

日本に来て、日本人の配慮や礼儀正しさに衝撃を受ける外国人は昔からたくさんいる。
戦国時代の日本人を見てザビエルは「良い素質を有し、感じがよい」と感心して、大正時代の日本人を見てアインシュタインは「思いやりがあってひじょうに感じがよい人たち」と評した。
日本人のおもてなしの根底には、良い素質や思いやりがある。

大事なことは教育、しっかりとした躾だ。
アインシュタインはこう言う。

日本人のすばらしさは、きちんとした躾(しつけ)の心のやさしさにある。

「日本絶賛語録 小学館」

外国人が口にする「Shocking」はこの延長にある。
こういう日本の伝統はこれからも大事にしていきたいですね。

 

 

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ヨーロッパ 目次 ④

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

【幼稚園の歴史】ドイツ人とタイ人が感心する日本人の秩序

 

2 件のコメント

  • 江戸末期~明治初期には日本の識字率は80%超えていたとか。 勉強熱心だったのかも。
    NHKの歴史番組で江戸末期の和算文書を調べたところ農民が問題を作っていてソレは現在の大学レベルだと判明したと放送していました。 いつの時代にもめっちゃ頭のいい人がいるものです。
    日本の丁寧さや感じのよさを褒められることが多いけど、でも普段はそう思わないことが増えてますよね。
    今話題のあおり運転とか。 日本人もこのころに比べると思いやりのレベルは相当落ちてると思います。
    風流さが確実になくなっていますよね。

  • 江戸末期の識字率は世界でも最高クラスでしょうね。
    寺子屋で庶民が学んでいましたし、学問のレベルは全体的に高かったと思います。
    関孝和という和算の天才も、遺題継承という日本独自の伝統から生まれましたし。
    でも、おっしゃる通り、配慮や思いやりはまえよりなくなっていると感じます。
    社会が快適になりすぎて耐性がなくなり、ちょっとしたことが我慢できなくなったのでしょうか。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。