韓国の「ノージャパン運動」に、海外メディアは冷たい視線

 

いま韓国の国民的イベントになっている「ジャパン・ボイコット」に「ノージャパン運動」。
*ただ韓国人でも行き過ぎた反日活動を不安視する人が増えたから、最近では「ノーアベ」にシフトチェンジしつつある。

「日本の物は買いません」ということで、韓国全土のスーパー・コンビニの棚から日本のビールや各種商品が撤去された。
「日本には行きません」ということで日本旅行をする人は激減。
でもその影響をモロにくらったのが韓国の航空会社で、大韓航空やアシアナ航空、格安航空会社は血を流して苦しんでいる。つまり衝撃的な赤字祭り。
ほかにも日本大使館前や各地で、激しい抗議活動がおこなわれている。

でも、それぐらいならまだよかった。
不買運動やデモ活動ならギリセーフで、日本に10年以上住んでいるアメリカ人の知人は、この日韓の争いに対して何も言わなかった。
でも、韓国の「Oil Station Association(ガソリンスタンド協会?)が全国のガソリンスタンドに、日本車にはガソリンを入れるなと呼びかけた」とイギリスメディアのガーディアンが記事(24 Jul 2019)で伝えると、そのアメリカ人は「Sigh. 😔 」とため息をつく。

Comments on the Korea Oil Station Association homepage earlier this month called for petrol stations to join the protests by refusing to serve customers driving Japanese cars

「South Korean petrol stations refuse to fill up Japanese cars amid growing boycott」

 

これを見てアメリカ人はSNSにこう書いた。

Sigh. 😔
When will Asians stop hating each other?
Why all the hate against Japan over semi-conductor materials?
The backlash is out of control.
Is Japan so guilty that all Japanese products mst be banned?

 

アジアの人たちはいつ憎しみ合うのをやめるのだろう?というけど、これは日韓2か国の問題で他のアジアは関係ない。日本人と台湾人の関係は絶好調だし、日本は最近中国とも関係が改善されている。
こんなトラブルが起こるのは対韓国だけなのだ。

 

では上のガーディアンの記事をもう少しくわしく見てみよう。
韓国での「ノージャパン」運動を海外メディアはどう報じたのか?

「Anti-Japan feelings have been strengthening since Tokyo announced on 1 July」と、7月1日に日本が輸出管理強化を発表してから、韓国での反日感情が強まったことを指摘。
日本のビールの売り上げは激減し、日本のアニメ映画は公開延期になり、旅行会社には日本旅行のキャンセルが相次いだ。

「日本車にはガソリンの供給拒否」というキャンペーンは、こうした反日感情の悪化やジャパンボイコットの延長にある。
この記事への外国人のコメントを見ると、反対派が圧倒的。「考えられない」「これはやり過ぎだ」と韓国側を非難するものがほとんどだ。
燃料の供給をストップしたら炎上するなんて、さすが韓国さん。

では、韓国国民はどう思っているのか?
記事を見てみよう。

“The victim of the gas stations refusing to fill up Japanese cars isn’t the Japanese government but the car owners. If people don’t use gas stations, the victim is not the Japanese government but the gas station owners.”

 

日本車にガソリンを入れないことで、ダメージを負うのは日本政府ではない。その犠牲者は車を所有する韓国人だ。そしてガソリンスタンドが敬遠されたら、犠牲者は日本政府ではなくてガソリンスタンドのオーナーだ。

 

ガーディアンはこんな否定的な声を伝えている。
でも「ノージャパン」は基本的には韓国の国民感情に合っているから、これを支持する声は当然ある。なかには、「この運動に参加しないガソリンスタンドはボイコットの対象になる」とSNSに書き込みもあったという。こうなると個人的には嫌でも、この運動に参加せざるを得ないガソリンスタンドもあるはずだ。

「反日愛国」が通じるのは韓国だけ。
イギリスメディアは冷めた目で見ている。
韓国でおこなわれている各種の反日活動は、「However, some worried the campaign was setting Korean against Korean. 」と、韓国人同士を対立させる結果にならないかと心配する声を取り上げていた。

 

韓国のSNSで拡散されているシンボルマーク。
最初はこんなシンプルなものだったけど、だんだんとデザインが激しくなっている。
「ノーアベ」に路線変更した背景には、こうした過激化への懸念があるはず。

 

デモ活動や不買運動だけならまだよかったけど、「日本車にはガソリンを入れない」という対応は行き過ぎ。
これはノージャパンではなくて、ただの差別行為。

「もし、アメリカのガソリンスタンドがこんなことをしたらどうなる?裁判になったらガススタ側が負けると思う?」とアメリカ人に聞いてみた。

日本語ペラペラの彼が言うには、「アメリカだったら、日本や韓国の車にガソリンを入れなかったら大問題になります」とのこと。
裁判では負けると思うし、こんな行為は社会的にも受け入れられない。
でも、いまはトランプ大統領がトップだから、「トランプや共和党の都合によかったら、なんでも許される」という。

韓国では「反日無罪」でたいがいのことは許されるけど、「トランプのアメリカ」でも同じようなことがあるらしい。
さて、韓国のノージャパン運動はどこまでいくのだろう?

 

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

4 件のコメント

  • 海外の報道では、以前は日韓関係はどっちもどっち論、両論併記だったのが、最近では韓国の異様な反日活動ばかりが報道されているらしいですね。

    アジア人は憎しみ合っていると思う人が多いのは、このどっちもどっち論、両論併記にも原因があると思います。
    最近の論調なら、アジア人は憎しみ合っているのではなく、韓国人が一方的に日本を逆恨みしているだけだと気づいてくれるかもしれませんが。

  • > Is Japan so guilty that all Japanese products mst be banned?
    > それに日本は韓国に対して、輸出の管理強化をしただけで禁輸はしていない。だから「banned」というのは間違いだ。

    ここんとこ、ちょっと英文の意味を取り違えているのでは?
    その英文は、
    「日本はそんなにギルティかな?全日本製品がbanされなければならないほどに?」
    という意味だと思いますよ。
    banしているのは韓国人の方です。「だからbannedというのは間違い」ではなくて、「それに対してbannedという行為で反撃・仕返しするのは誤解に基づく間違った行為」というなら分かりますが。
    もっとも、そのような誤解だって、不買運動の首謀者が意図的にやっていることかもしれないですけどね。

  • ご指摘ありがとうございます。
    おっしゃる通りです。
    こちらの勘違いでした。
    このアメリカ人と話をしていたとき、彼が「日本は管理強化をしたのか。禁輸だと思っていた」と言っていたことが頭にあって、この言葉をそう誤解してしまいました。
    でも、それは間違いでした。
    改めてご指摘ありがとうございました。

  • 日本は冷静でノーコリアも韓国製品の不買運動も起きていませんしね。
    客観的に見たら韓国との差が際立つでしょう。
    とくに日本にいる外国人がそのへんに気づいていると思います。
    彼らが情報を発信してくれるといいのですが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。