【世論調査】韓国のノージャパン、不買運動にも動じない日本

 

国交正常化以来、最悪といわれるいまの日韓関係にあって、韓国側が気になるのは日本の世論だ。
韓国の見方では、こうなった最大の原因は安倍政権にある。
安全保障上の理由でおこなった対韓輸出の管理強化が、韓国では「経済報復」や「経済侵略」に変わってしまう。

それで韓国では、日本製品の不買運動や日本のすべてを拒否する「ノージャパン」運動が巻き起こる。
韓国でこうした動きがあって、いまどれだけの日本人が安倍政権を支持しているのか。

さいきん読売新聞が行った世論調査の結果を韓国メディアの中央日報が伝えていた。(2019年08月26日)

「日本の経済報復から触発された韓日葛藤の出口がなかなか見いだせない中」という韓国風表現のあと、安倍内閣の支持率は58%(先月より5%ポイント上昇)で、「支持しない」は36%から30%に落ちたと残念そうに報じる。
これはその韓流分析だ。

このような結果は日本政権が「韓国たたき」を継続して韓日葛藤を深化させたことが背景として作用したものと分析される。

韓国たたきで安倍氏の支持率上昇…日本国民83%「GSOMIA終了、理解できない」

相変わらず安定の見当違いだ。

 

いったい安倍政権がいつ「韓国たたき」をしたのか。
日本政府は一貫して「丁寧な無視」を続けていて、韓国を攻撃していない。
安倍首相は文大統領のように「盗人猛々しい」と相手国を挑発したこともない。

ただ韓国の立場では輸出管理が許せなくて、「韓国たたき」と表現したくなるのだろう。
世論調査ではそのことも聞いている。
日本が韓国を「ホワイト国」から除外したことについて「支持する」が65%で、「支持しない(23%)」の約3倍で上回った。
これを撤回させるために韓国は不買運動をしたのだけど、日本人の気持ちはブレなかった。
最大の被害者は韓国企業とその従業員だろう。
「ノーコリア」と熱くならないで、丁寧な無視を続けるだけでいいのだ。

 

また韓国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表したことに対して、83%が「理解できない」と答えた。
そして韓国側が特に気になるところだろうけど、「受け入れがたい主張を韓国がしている限り、関係が改善しなくてもやむを得ない」と答えたのは64%。
韓国の「受け入れがたい主張」というのは、韓国側が国際法や国家間の約束を守ることなく、輸出管理強化の撤回を求めていることと見て間違いない。

 

 

これを撤回させるために、韓国では全国的に「ノージャパン運動」を行っていたのだ。
文政権がとれる具体的な対応策はなかったから、韓国ができた日本への対抗はこれが一番大きかっただろう。
これが盛り上がっていたとき、ハンギョレ新聞は社説(2019-07-20)で高揚していた。

安倍政府は一部の韓国紙の日本語版が伝える歪曲された報道に惑わされず、韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない。

安倍政府は「日本製品不買運動」の拡散の意味を直視せよ

 

でも読売新聞の世論調査の結果にあったように、韓国が無理な主張をしているのなら、関係が改善しなくても仕方ないと考えている人が圧倒的に多かった。
いま日本人の多くが、政府は韓国にゆずる必要はないと考えている。
日本製品不買運動や交流中断に観光客の激減といった激しい動きがあっても、これほど多くの人が動じないというのは個人的には意外だった。
韓国が法や合意を守らない限り関係改善はない、という考え方には国民的合意が得られているということだ。
「情より法」というのは日本人の国民性にも合っている。
ということで、文政権は日本人の“真の民心”を重く受け止めなければならない。

 

 

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2 件のコメント

  • >安倍政府は一部の韓国紙の日本語版が伝える歪曲された報道に惑わされず、韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない。

    いやはや、これを「いち韓国紙の日本語版」で主張しているところが、もう日本人には理解不能ですね。新聞が歪曲して伝えているなら、伝達メディアとして何を頼りにせよと? ツイッターですか?
    それと安倍政権は日本の政府ですから、韓国人よりも、日本人の民心を重く受け止める義務があります。
    民心は、自分たち自身の政府に重く受け止めてもらって、それを歪曲せずに日本へ伝えるべきでしょうね。

  • 理解できないというか、ついていけない主張が韓国では多いですよ。
    SNSならともかく、大手メディアが反日感情をあおる報道をしてますからね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。